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本と三線と石垣島      ✴︎〜11人の小学校体験記〜

集落から石垣島の街中に行く1番早いバスは🚌
7時49分。会社に行く人、高校生、ご年配の人は病院行ったり、観光客らしい人はちらほら。
車のない生活だから、暮らしを垣間見れるのが、バスの面白いところ。

同じバス停から乗ったのは、今から産業廃棄物の仕事に向かうという、具志堅さん。わたしが三線を持っていたから、そこから話しが始まって、
65歳以上はフリーパス券があって無料でバスが乗れる、とか、行きは右側の海の見える席、帰りは最終バスにのって、また海が見える席に乗るんだ、とか。

具志堅さんが朝夕見ている名蔵湾

具志堅さんも三線を前にやっていたけど、今は仕事が忙しくて触っていないって。楽譜は読めないけど、やっぱり聴いたらわかるよ。って。
具志堅さんも宮古の来間島で生まれて、お父さんが開拓団として今の吉原に入植、具志堅さんは
当時1歳で、お父さん達が開墾して作った道や家の写真も残ってるよ、とバスが来るまで話してくれた。

何も言わずに手渡してくれた缶コーヒー。
お礼にと、お昼にと思って茹でた卵と塩を包んで渡したら、今度は、ウィンナーパンをもらって
“お昼ごはんじゃないの?食べるものなくなっちゃうよ。”というと、“まだあるからいいの”って。

具志堅さん、ありがとう。

名蔵で降りた具志堅さん。同じ吉原にいながら、初めて出会ってお話しした。7時49分のバスに乗れば、また会えるだろう。また来週のお楽しみ。

先週の吉原日曜市は、苗ものが出てたり、みどりバナナに、島らっきょの塩漬け、巨大島かぼちゃ。あと、初めて見た島野菜が↓

ハンダマ

増血剤にもなる葉ものらしくて、おひたしや炒め物も美味しいとおばぁに聞いたから、その晩、
納豆に混ぜてみたら、ハンダマ自体も粘り気があって、少し苦味があるけど、息子も食べてしっかり増血完了!

手のサイズと比較
友達が売ってた島かぼちゃ

みよ!この巨大さよ!友人と半分にしても、スープにサラダに炒め物、余るくらいの量。
植物にしても生き物もサイズ感が大きいのは、
やっぱり伸び伸びできる気候なんだろうなぁ。

島野菜を売っているおばぁも宮古島出身が多い。
毎週野菜を出している根間おばぁに、私が宮古民謡をしている話をして、方言や歌い回しが間違っていたら直してほしいと、聴いてもらった。

根間おばぁがまだ若かった頃は、三線はなくて、手を叩いてみんなでよく歌って踊ったようで、
私が歌うと手を挙げて振りをしてくれた、
宮古民謡の“豊年の歌”。
おばぁが歌うと、味がある。なんだかなぁ、
やっぱり違う。私が歌うのとは、違うんだな。

歌が生きている、歌から景色がみえる。

ずっと聴いていたい、おばぁの歌。

おばぁ達に会いに来る常連のお客さんもいる。

根間おばぁが好きな宮古民謡があるらしくて、
88歳のトーカチ〔本土で米寿の祝い〕の祝いに、親族からの勧めでうたった宮古民謡の
【伊良部トーガニ】
宮古島と伊良部島に離れて暮らしていた男女の想いを歌った歌。これがまた、いい曲なんだなぁ。
でも、難しくてまださわれない曲。

根間おばぁが歌ってくれた伊良部トーガニは、
掠れた声がまた切なくて、味があって、聞き入ってしまうのです。

カジマヤーは97歳の祝い

まだまだ経験値が足りないのですね。先輩。

今からですね。きっと歌えるようになるには。

〔沖縄では、年上の方のことを、
   先輩!とよんでいるよ。〕


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