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『ちいさな死神くん』      キティ・クローザー 作    ときありえ 訳        講談社


小学校2年生の息子は、たまに、
“死ぬのが怖い”
といいます。なぜかと聞くと、
“みんなと離れちゃうから。どこにいくか分からないから。”って。

この本を読みたいと言い出した息子。
死ぬことは、彼にとって、怖いものである。

でも、なんかこの死神さん可愛いんだよなぁ。

死ぬ間際の人のところに行く死神さん。
にこにこして手を引いていくけれど、死神さんが来たことで、涙を流し、もう一言も話さず、ただただ俯いて手を引かれていきながら、
もう終わりだ。。と言わんばかりの様子。

いつもこうなんだ、、。

死神さんがつぶやく。

死ぬ事は、悲しい事。辛い事。
どんなに死神さんが笑顔で迎えに行っても、それは、恐怖と悲壮的なものと捉えている人が多いと言う事なのかもしれない。

死神さんが、エルスウェーズを迎えにいくと、
“とうとう 来てくれたのね!”

と待ちに待ったかのような口ぶりで、なんだか嬉しそうで、死神さんも驚きます。

怖くない? 寒くない? 

死神さんが尋ねても、全然!と答えるエルスウェーズ。彼女は、病気でずっと身体が痛かったそうで、死神さんが来てから、全く痛みがなくて嬉しいんだと話します。

生きている時には出来なかったことをします。 かくれんぼをしたり、逆立ちをしたり、2人で大笑いをしながら、“生きている”事を感じて。
それは、エルスウェーズにも初めてで、死神さんにとっても、初めてでした。

でも、エルスウェーズともお別れ。
死神さんも悲しくてたまらない。けれど、エルスウェーズは行かなければいけません。
またひとりぼっち、会いたいなエルスウェーズ。

そうしたら、天使になってもどってきた!
エルスウェーズと死神さんは、これからは2人でお迎えにいくことにしました。

悪魔と天使、天国と地獄。

このように比較されることがあるけれど、仕事世界のことは本当のところ、わからない。
死んだ人の話、聞いたことないし、たまに、記憶のある人もいるけれど、自分で見たわけではないから、分からない。

死ぬことは、こわいものではないんだと、
絵によって子どもは想像しやすい、息子も怖さは感じなかったみたい。

ただただ、悔いのないように日々を暮らすだけ。

いつも生と死は隣り合わせだから、できる事をしっかり楽しみたい。死神さんが来ても、エルスウェーズがきても、それを面白がるくらいの気持ちを持って生きたいです。


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