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目には見えない存在の気配を描いた《微笑みの木》

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熊本の田舎の風景。田んぼばかりの道を歩き、人気のない小さな神社の庭に入る。そこには大きな木が生えており、見上げると首が痛くなる。

うんと高いそれらの木を見上げた時、私の背後を何者かが通り抜け、ゴゴゴという地響きのような音を立てて、木の方に吹き上げていった。

この場所には何かいる。本当にそう思った。

少し恐怖する。目には見えないものへの恐れ。そもそもそういったものが神仏信仰の始まりだったのだろうけれど、本当に怖くてすぐに引き返すような気配がそこにはまだあった。これは都会の神社参拝ではあまり感じられなくなった気配だ。

自然の生み出す気配に恐れを抱きつつ、感謝して来た今までの人々のことを考える。しきたりも祭事もいまはもうなんでやっているのかも体感できなくなっているようなことがたくさんある中で、改めて大地から生まれ大地に死にゆく生命についてを考えさせられる。

タイトルの通り、この畏怖の木を「微笑み」にしたのは、恐れから共生へと感じられ自然に歓迎されるよう、生き方を見つめ創造した日を歩めるようにという願いを込めた。


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