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『職業は武装解除』を読んで

『職業は武装解除』 

を読んでいた。毎月の早朝読書会で友人から紹介された本です。武装解除という分野は、日本では筆者がパイオニアであり、どうしてその仕事に行き着いたのか?

イギリスのブラッドフォード大学「平和学部」で「紛争解決学の修士号」を取るべく願書を出す過程で「専門」を決める過程が書かれている。そこで著者がこだわった条件は「ニーズがあるのにやり手がいない分野」だと書かれている。いわゆるニッチと言える箇所を探して見つけ出す。ただ専門分野に選んだ「元兵士・子ども兵士の社会復帰」は、その大学でも専門家がいないということが、修士論文作成時にわかるのだが・・

修士号取得後はアフリカの数々の紛争現場を歩き、武装解除に携わっていきます。その中で、平和とは何かを問うてもいます。著者は「自分で選べる生き方の選択肢が多いほど、その社会は平和な状態だと思う」と述べています。自分たちはなんと平和の恩恵を受けているのだろうと感じます。

更に、日本という国の価値にも気がついています。敗戦国でありながら、急速な経済復興を果たし、「支援を行う際にも政治的思惑をつきつけない日本は、中立的な印象を持たれている。」(195頁)と指摘しています。他国のNGOより信頼性が高く武装解除のおり、他国に比べると武装解除が速やかに進む点なども指摘しています。

ある意味で日本が貢献できる分野でもあるのでしょう。また個人としてのあり方も勉強になります。立ち止まって考えるときも、

「三十年後の自分が今の自分を見ていたら、どちらを選ぶだろう」と、できる限りリアルに想像していた。(192頁)

と述べている。自分はそこまで考えて来なかったなと反省しきり・・・

武装解除という一見関係がなさそうな話題でしたが、学ぶことが多い一冊です。


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