「散り椿」

葉室麟の「散り椿」を
黒澤明映画の名カメラマン、
木村大作が監督・撮影を行い、
彼自身初の時代劇を作った。

スタジオ撮影一切なし、
すべてロケーション。
手垢の付いた京都を避け、
敢えて富山で撮影した。

山や川や樹木の風景や
人物の表情などの陰影が
とても綺麗で美しく、
一幅の絵画を見るよう。

主人公の新兵衛は
岡田准一が務めたが、
秘剣、陽炎斬りを操る
佇まいが素晴らしい。

登場人物がみな、
寡黙なのもいい。
久しぶりに日本映画の
真髄を見た気がした。