紅葉狩りって?

「紅葉狩りって書いて
もみじ狩りって読むでしょう。
何で紅葉を見に行くことを
もみじ狩りって言うか知ってる?」

「うーん、桜を見るのはお花見だし、
狩るって言うのは何でだろう?
鹿のことをもみじって言うから
紅葉の時に鹿狩りをしたからじゃないの?」

「いい線いってるけど違うの。
平安時代の貴族たちがね、
山一面の紅葉を見たいのだけど、
歩いて外に出られなかったことが原因なの」

「もしも外に行きたいとしたら
牛車に乗って行かなければいけなかったの。
でも屋形から紅葉を見るのはつまらない。
歩いて見たいために狩りということにしたのよ」

「実際に狩りはしないけれど
そういう名目で山の紅葉を見に行ったんだ。
実際に赤く綺麗に紅葉したもみじの葉を
獲りに行くことを狩るって言ったと思った」

「歩いて山に入って綺麗に色づいた
もみじの葉がついた枝を持ち帰って
紅葉した山を偲んだってこともあるみたい。
でもあえて獲りに行ったわけじゃないのよ」

「だから山一面の山桜を見るときも
桜狩りと呼んでいたらしいのよ。
廷内の桜や紅葉では満足できないから
狩りをすることにして出かけたのよ」
「なるほどねえ。じゃあ僕らも
平安貴族に倣って紅葉狩りに行くとしようか。
日光がいいかな、それとも箱根かな。
綺麗な紅葉を見て短歌のひとつもつくろうか」