銀ちゃんの顔の雲

昨日は銀ちゃんの告別式だった。

大学時代のアメフト仲間が集結し、

棺に花束をたくさん入れ見送った。

家族と仲間に見送られ天国に旅立った。


僕は自分の部屋で仕事をしながら

葬儀のある南の空を見ていた。

11時を過ぎたら火葬に移るだろう。

青い空に白い雲が浮かんでいる。


そのうちに「あっ」と驚いた。

雲が銀ちゃんの顔になっている。

白い髪の毛とたれ目、団子っ鼻。

口はないけどそっくりなのだ。


「うわっ、銀ちゃんだ。

笑ってみんなを見ているよ」

暫くじっと見つめてしまった。

雲はゆっくりと東へ動いていく。


顔が少し小さくなってきて、

斜め横の顔になって口もある。

「銀ちゃーん」と心の中で叫ぶ。

天国に昇っていくんだね。


お昼近くになった頃、

銀ちゃんの雲はなくなった。

透き通るような青い空に

普通の雲が浮かんでいた。