連弾「ドリーの庭」

ガブリエル・フォーレが
妻の友人の娘のために作った曲、
ピアノ連弾の「ドリー組曲」。
6曲から成るが3曲目の
「ドリーの庭」がとても美しい。

友人はエンマ・バルダック、
彼女とは恋仲だったらしい。
後にフォーレの妻となるからだ。
娘の名前はエレーヌ、
ニックネームがドリーだった。

ドリーが3歳となる誕生日の
お祝いにこの曲が贈られた。
愛情に満ち溢れた曲であり、
ドリーはフォーレとエンマとの
子供だったともいわれている。

二人が息を合わせて穏やかに
安らかに会話交わすように
ピアノを弾いていく。
低い音と高い音が4手から
絡み合うように奏でられる。

アルフレッド・コルトーと
エデュアール・リスラーの
連弾が初演だったというが、
フォーレがエレーヌに教え、
最初に弾いていたかもしれない。

那須のパン屋、クローチェの
パパとママが二人で弾いたという。
なんとロマンチックなことだろう。
僕もピアノが弾けたら、妻と一緒に
「ドリーに庭」を奏でてみたい。