シマノフスキとルーミー

ポーランドの作曲家、
カロル・シマノフスキ。
魂が戦慄するような
交響曲3番「夜の歌」。
合唱とテノール独唱が
夜空を浄化させる。

「夜の歌」は13世紀の
ペルシャの神秘主義詩人、
ジェラール・ウッディーン・ルーミーの
恋の詩を基に作られた。
抒情性に富んだ文体で
深い感銘を与える詩だ。

テノールは歌いだす。
♬眠るなかれ、友よ、今夜は
君は精霊、私は悩める者、今夜は♬
感動的な最後の言葉。
♬静けさが私から言葉を奪う
けれど私は言葉なしで語る、今夜は!♬

古きペルシャではルーミーの詩は
独楽のように回る旋回舞踏になり、
踊るうちに神の中へ消滅できる
神秘体験ができたという。
神秘的な世界を20世紀になって
シマノフスキが交響曲にしたのだ。

僕が聴いた「夜の歌」は
ピエール・ブーレーズ指揮、
ウィーンフィルハーモニー管弦楽団、
独唱はスティーヴ・ダヴィスリム、
合唱はウィーン楽友協会合唱団。
夜は感動的な聖夜に豹変した。