こっくりさん

中学生の頃、
何人か集まり、
こっくりさんを
よくやっていた。

真ん中に赤い鳥居、
左右に、はいといいえ、
周囲にあいうえお、
五十音が書いてある。

鳥居に十円玉を置き、
人差し指を乗せる。
するとくるくると
十円玉が動き出す。

もうそれだけで
驚き興奮した。
何もしないのに
勝手に動くのだ。

こっくりさんに
誰かが尋ねる。
これからどうなるか、
好きな子は誰かとか。

「こっくりさん、
こっくりさん、
僕の好きな子は
誰ですか?」

すると十円玉が
あいうえおの
どこかの文字で
止まるのだ。

一文字だけでは
わからないけど、
二文字三文字となり、
名前が見えてくる。

わーっと、
教室がどよめく。
好きだった子が
明らかになる。

でも、今になると
僕はどの子の名前が
あらわれたのか、
思い出せない。

誰が好きだったのだろう?