江戸風鈴

りん、りん、りりりん

りん、りん、りりりん

そよ風に気持ちよく響く

やさしい風鈴の音


太陽がぎらつく夏の日は

窓の外に簾を垂らし

硝子で作られた

江戸風鈴を下げておく


江戸風鈴は型を使わず

宙吹きで形を整える

硝子の内側に絵を付け

鳴り口をぎざぎざにする


形が微妙に異なり

硝子の艶が映え

硝子の管が擦れると

心地よい音が響く


そよ風に風鈴が揺れ

硝子に描かれた

紅い金魚が涼やかに

澄んだ音と泳いでいる


りん、りん、りりりん

りん、りん、りりりん

そよ風に気持ちよく

やさしく控えめな音が響く