パン・トラディッショナル

フランスパンというのは
日本人が付けた名称だ。
フランスで作られてきた
バケットやバタールなど
棒状のパンをそう呼ぶ。
フランスでは棒状のパンは
パン・トラディショナルと言う。

パン・トラディショナルは
長さと太さで呼び名が異なる。
最大のものはドゥ・リーブル、
次に大きいのがパリジャン、
細長いものはバケット、
太くしたものはバタール、
細く小さいものはフィセルだ。

すべて材料は同じだ。
小麦粉とパン酵母と
塩、水、モルトだけ。
他のパンのように
砂糖やバターや卵、
乳製品は使わない
いたってシンプルなパンだ。

フランス産の小麦粉は
グルテンが強くない
中力粉だから、
もちもち感はない。
日本の多くのフランスパンは
もちもちの強力粉だから
食感も味わいも全く違う。

切り込みのクープで
中身が穴あきとなる
カリッと焼けて
あっさりした本物の
フランスパンを食べたい。
パン・トラディッショナル、
伝統の棒状パンだ。