ロアルド・ダールの『首』

『首』と題された
ロアルド・ダールの短篇。
「首」が意味する物語は
どんなものなのだろう。

ろくろっ首のような
怪談話ではあるまい。
辛辣で皮肉屋のダールなら
首をめぐる冷酷な話だろうか。

新聞王の息子が後を継ぎ、
謎めいた美人と結婚。
彼女はハンサムな大佐と浮気、
じゃれ合い写真を撮る。

庭にヘンリー・ムーアの
彫刻があり頭を突っ込んだ。
耳が邪魔して抜けなくなり、
目撃した夫が現場に近づく。

高慢な妻が夫に叫ぶ。
「ぼさっとしないで
どうにかして」と。
執事が斧と鋸を持ってきた。

事を起こした大佐は言う。
「この木の塊を壊さないと」。
夫は冷ややかに言うのだ。
「ヘンリー・ムーアを壊す?」

最初に斧を掴んだ夫は
危険過ぎると鋸に替える。
夫の両頬はバラ色に染まり、
目尻には笑みが浮かんでいた。

話はここで終わる。
最後まで書かないのが
ダール流なのだが、あなたは
どんな結末を思うだろう?