佐野洋短篇推理館

佐野洋さんは
推理小説家だが、
短篇が優れているとの
評判があった。

彼のゴルフ短篇随筆、
『四千文字ゴルフクラブ』の
あまりに素晴らしい語り口に
惚れ惚れしてしまった。

それでは彼の真骨頂、
短篇ミステリーを読もうと、
未発表14作を集めた
『短篇推理館』を買った。

男女の恋愛事件などが
軽妙洒脱なタッチで
明るく描かれるから、
読んでいて飽きない。

結末後は読者に委ねる、
そういった感じで終わるので、
事件の余韻が漂う。
誠に上手な書き手だった。

佐野さんは2013年に
84歳で亡くなったが、
この本が出た1998年頃は
推理短篇を1000も書いた後で、
祝しての出版であったらしい。
今度は傑作選を読んでみたい。