浮世絵美人

クリスマスメールが
アメリカの友人、
なかやんから届いた。
添付されていた絵画は
北斎の浮世絵だった。
それも美人画である。

葛飾北斎が描いた
「雪中傘持ち美人」。
蒼い着物を着た美人が
和傘をつぼめている。
左手は口を押さえる仕草、
いくつもの簪が艶やか。

お返しに僕は宮本秋風の
「小雪の舞妓」を贈った。
可憐な舞妓の後ろ姿、
帯が垂れ下がっている。
白いうなじがとても綺麗、
簪が飾りがかわいい。

どちらの美人画も
小雪が降っている。
背景はどちらも似ていて、
「傘持ち美人」は芥子色、
「舞妓」のほうは明るめの
ベージュに近い芥子色。

クリスマスカードに
浮世絵というのがいい。
それも北斎の風景画、
雪を被った富士などでなく、
美人画というのが粋だ。
北斎と秋風、どちらもいい。