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対話を重ねることができるICT活用


▷登場人物のご紹介
◎語り手
お名前:末武由紀子様、宮澤光栄様
役職:事務担当

◎聞き手
名前:中浜 崇之(なかはまたかゆき)
ものさしを合わせる介護福祉士として特養やデイサービスで現場職や管理者として勤務。『自分らしく死ねる社会を創る』をコンセプトにテレビ東京『TOKYOガルリ』やTBS『好きか嫌いか言う時間』への出演や『週刊東洋経済』や『夢を育てるみんなの仕事300』(講談社)に取材記事が掲載されるなど、介護福祉についてポジティブな視点で発信している。

宮澤光栄様(左) ・ 末武由紀子様(右)

▶︎記事の要約

介護保険事業の低迷から、ホームページ等ICT方面にも力を入れる必要があると考え、ほむさぽを導入。ホームページでは低予算で納得のいく物ができあがり、多くの人の目にとまっている。また、しっかりと対話を重ねる事ができる対応が職員から好評で、費用面でもサポート面でも満足度が高いと評価している。
*ビーブリッドはヘルプデスクとコンサルティングのサービス「ほむさぽ」以外にも、「HP制作、保守管理」等のサービスも行っています。



介護保険事業低迷からの脱却の一手となったホームページ

中浜(以下、中):
今日はよろしくお願い致します。
ICTの普及がなかなか進みづらいイメージの小規模法人のなかでも、ほむさぽのサービスを上手に活用なさっていると聞いています。
ぜひその活用事例を聞かせていただき、現・未来のユーザーに届けてまいりたいと思います。
よろしくお願いいたします。

末武(以下、末):
宮澤(以下、宮):
よろしくお願いします。

中:
まずはですね事業所の特徴からお話伺いたいなと思っています。
事業所の特徴として「お互い様の助け合いの気持ちで支えあう地域を目指して活動しています」とのことでしたが、実際にどのような活動をなさっているのか、具体的にお聞きできればと思います。

末:
もともとは2000年にボランティアとして活動を始め、その後介護保険事業者として訪問介護、居宅介護支援、障害者支援、そして小規模多機能事業所を運営しています。
2016年横浜市地域交流拠点「コミュニティだんだん」を開所し、地域の皆さまの居場所として、介護予防・健康づくり教室、学習支援&こども食堂、ファミリー食堂、夢クック(ランチとカフェ)等をボランティアさんの協力を得て活動しています。

中:
そんな中、ビーブリッドのサービスをお願いするに至ったきっかけや経緯を教えてください。

末:
法人設立20年が経過し、今後に向けてどう進んでいくかについて、アドバイザーを交えて検討する機会があったんです。その際に作成した3か年計画の中で、「ICT化推進によりサービスの向上を実現する」という重点課題があげられました。
その際に、低予算で質の高いホームページをお願いできる会社としてビーブリッドさんを当時のアドバイザーから紹介していただきました。

中:
なるほど。この先を考えるタイミングでホームページをどうにかしないと、という話になったということですか?

末:
そうですね。
まずは、ホームページを現状にあったような仕様にしていく必要があるのでは?ということになり、宮澤の方が主になって制作に踏み出しました。

中:
それは、採用やご利用者さんの募集を考えると必要だよねという話になっていったんですか?

宮:
そうですね。
利用者さんも、こちらの情報としてホームページがあれば見やすいですし、求人もホームページを見る方が多いと思いますので、そちらを重視しようという形になりました、

中:
そうだったんですね。ちなみに、ホームページを変更して一定の効果がみられたと思うことはありますか?

宮:
みられていると思います。
やはりご利用者さんの家族となると、大体30歳代以降になりますよね。
親が介護が必要になるとなった際に、近くにこういう施設があるというのがホームページでわかるので、問い合わせにつながりますね。
また、求人に関しては、実際に応募してくださった方々の中でも、どんな事業をやってるのかというのを、ホームページで確認してから応募されるという方も結構いらっしゃいます。

中:
具体的な人数とかってわかりますか?

宮:
人数は具体的にはわからないのですが、介護事業のメインとなっている小規模多機能ですと、結構そのような話は聞いています。
あとはケアマネ事業もやっていますので、介護の認定どうしようかなという相談で来ていただいた際に、ホームページを見てから来られたという方もいらっしゃいます。

中:
では、結構な人数の方がホームページを見て情報を得ていらっしゃっているんですね。

末:
昔もホームページ自体は持っていたんですけれども、なかなか効果を感じられなかったんですが、最近は「ホームページ見ました」っていう話を聞くことがよくあるんですね。応募してきてくださったりする方の中の半分以上は、見ましたとおっしゃってくれているので、効果があるのだと思います。

中:
その応募というのは、ご利用者の方と職員とどちらなんですか?

末:
ご利用者も職員もどちらもと聞いています。

中:
そのホームページに関して、ビーブリッドにお願いしてリニューアルした後、オープンしたのはどれくらい前なんですか?

宮:
去年の6〜7月くらいかと思います。

中:
そうしたら、約1年でそれだけの反響があったというのはすごいですね。

末:
こちらの事業所の平均年齢が60歳くらいで、ネットで情報を集めてっていう世代ではないので、あまりそちらに力は入れてこなかったのが実際なんです。
今回ビーブリッドさんにお願いしたことで、スマホで閲覧することを想定したレイアウトが必要であることや、常に新しい情報更新が簡単にできるようしておいた方が良い等々、わかりやすい言葉で説明していただきながらホームページに力を入れることができたので、それが効果を発揮しているのかなと思います。

事業所の日常①
事業所の日常②

低予算でありながらも対話を重ね納得のいくものを作る

中:
ホームページ作成を依頼していくうえで、どのようなやり取りがあったのでしょうか?

末:
まず、ホームページ作成の見積もりを出してもらった時点で、もうちょっとかかると思っていたのですが、思ったよりも低予算でできるということが分かったので、依頼しようと思いました。

中:
やはり低予算だとそこに質がついてくるかが心配な点かと思うのですが、そこはどうでしたか?

宮:
よかったと思っています。

中:
それはどういうところでよかったと感じたんですか?

末:
ある程度こちらが 納得するまで説明を重ねて、お互いに対話を重ねて納得できるような形 まで持っていってくださったのがとても良かったと思っています。

中:
その納得というのは、ホームページの仕様ということですか?

末:
仕様というか、写真の差し替えや枠の使い方などを、こちらがある程度原稿を作ってお送りするというやり取りをしており、何度かこちらから訂正を依頼することもありましたが、その訂正も嫌がらずにやってくださっていました。

中:
他の業者さんだと、なかなかそうはいかないんですかね?

末:
他の業者さんだと「もうここはこれしかできません」と言われてしまうと、私共もそれ以上言えないんですけど、できる限りの努力をしていただいたんだと思っています。

中:
制作過程でお互いが納得できるところまでしっかり話し合うことができていたんですね。

末:
そうですね。7月には採用に特化したホームページも公開予定でして、そちらもとても納得いくものができたので、是非皆さんに見ていただきたいです。

お仕事の様子①


お仕事の様子②

パソコン関係の質問はすべて事務担当が担っていた過去

中:
ビーブリッドのほむさぽサービス導入前は、他社のサービスを利用してパソコンの問題を解決していたそうですね。その際はどのような課題があったんですか?

末:
一応、パソコンのリース会社の方でサポートしてくださるということだったんですが、経費面でリースしていたのは1台だけだったんですね。その他のパソコンは量販店で購入したものだったので、その1台に関しては遠隔でサポートはするけど、それ以外は難しいという形だったんですね。

中:
そうだったんですね。

末:
やはりどうしても私共NPO法人なので、なかなかそちらに経費を回すということをあまりしてこなかったんですね。
なので、あちらのサービスをしていただける範囲ギリギリでというところで、1台だけの経費で全部をなんとなく見ていただくような契約でした。

中:
当時、こんな事はお手伝いいただいていたとか、相談していた内容とかって記憶はありますか?

末:
例えばメール設定で、メールのアカウントもう1つ増やしてという時に操作を聞くとかはしていたんですが、ほとんど相談はしていなかったように思います。

中:
それは、相談する必要が無かったというより、使いにくさや相談しにくさがあったということですかね?

末:
そうですね。

宮:
やはり、専門用語で言われるのではないかという不安から、そういう相談のしにくさというのがあったんだと思います。
年代も年代なんで、分かりやすく説明までしていただいて分かる部分があるので、そこでかけづらくなってる部分があったのかと思います。

中:
分からない言葉でずっと言われてしまっても、余計なにがなんだかわからなくなるという印象があって使えなくなったという感じだったんですね。
そんな中で、パソコンに関して問題があったときはどうしていたんですか?

末:
一応、誰でもリース会社の方に電話していいという方法にしていたのですが、どうしても質問される方々が自分で電話をしてっていうのを、積極的にはされなくて。
宮澤さんが私たちの中で一番パソコンに長けているんですけれども、まず宮澤さんに聞きにくるというのが通常の流れになってしまっていたんですね。
そうすると、宮澤さんがわからない場合はネットで調べて教えてあげるっていう事になるんですね。
そうすると彼女の時間がそこでストップしてしまっていたんです。

中:
宮澤さんも様々な仕事を抱えているでしょうから、その時間というのはなるべくなら減らしていきたいところですよね。

末:
そうなんです。宮澤さんも何でもできるわけじゃないので、結局そこに時間が多く割かれてしまっていたんですね。
それが、ほむさぽさんにお願いしたことで職員からダイレクトに質問もしていただけますし、遠隔のサポートで直に対応してくださるので、とても助かっています。

ダイレクトに問い合わせする仕掛け

寄り添う対応への安心感がもたらすICT活用への一歩

中:
パソコン関係に関してはどのような経緯でお願いすることになったのでしょうか?

末:
今年に入り職員からPCの動きが遅い、フリーズしてしまう等の声が聞かれ、そろそろ買換えを検討しようという話になりました。
予算の面もありますし、今後も含めどのように運用していくかを悩んでいたところ、相談する先としてビーブリッドさんのほむさぽを知りました。
すぐにビーブリッドさんにお願いし、ほむさぽの説明会を実施していただきました。
IT関連の相談にはなんでものっていただけること、スタッフには介護業界経験者が多い事、利用料金も私たちにはとても嬉しいものだったため、導入することになりました。

中:
利用していない方々から見ると、ビーブリッドのほむさぽも他のリース会社さんのサービスも一緒のように見えると思うのですが、どういう点が違うと思われますか?

末:
実情を見ていただいた上で提案というのをしていただいたのは今回のほむさぽさんが初めてでしたね。

中:
ITのサービスって、 多くの施設を持ってる大きな法人が拠点間をつなぐためにお金を相当かけて導入するというイメージがどうしてもあるのかな?と思うんですよね。
そこでぜひ聞きたいのですが、中小規模の事業者さんがITのサービスを導入するうえでのメリットって何かありますか?

末:
中小企業だからこそ、密接してる感じには思いますね。
以前利用していたところは、やはり企業対企業という対応のような気がして、私たち個人個人を見ているというよりは、営業的というか金銭的な雰囲気を感じてしまっていましたね。
やはりマニュアル通りの対応じゃないですけど、そういう感じには取って見えてました。

中:
ほむさぽはその点どうでしょうか?

末:
ほむさぽさんの方が、寄り添ってくれているというか、人間対人間で話せている感じがしていいですね。
たぶん、ほむさぽさんは介護の経験がある方が結構いらっしゃるので、介護の事業所っていうのは IT系に不慣れな方もたくさんいるというところをよく理解してくださっているんですよね。
それがサポートを受けるうえでも感じるので、私たちも安心してお任せできています

中:
パソコン関連の問題に関して、今は直接職員さんからほむさぽの方に連絡していると先ほどお聞きしましたが、パソコンに関してまずは宮澤さんに聞いてみるという流れをどのように変えていったのでしょうか?

宮:
導入後すぐにパソコン業務がある皆さんに「ちゃんと教えてくれるから」と電話番号が書いてあるマグネットをお渡しして、直接かけてみるよう言っていました。
そうしたら、特にケアマネさんにいたってはちょっとしたことでも電話をかけて、教えていただいて、自分で使えるようになっていったので、マグネットシートはとても有効でした。

中:
やはりそこは、成功体験というか、一度自分でかけてみてわかりやすく教えてくれたという体験があると、その後は自然と皆さん自分で電話をかけるようになっていったということですかね。

宮:
そうですね。
スタッフの中には電話で質問すると時間がかかるというイメージがあった人もいたようです。その点ほむさぽさんは遠隔で操作している間は電話をつないでいる必要もなく、他の業務ができる事が好評で、皆さん自分で電話をかけるようになっていったのもあると思います。

中:
以前宮澤さんがIT機器の質問を受け付けて、ご自身で調べていた時と比べて、変化を感じることはありますか?

宮:
当時はわからない点を調べて、後日わかった時点で教えるなどもしており、相当時間を使っていましたが、今はほとんど私に聞きにくることはなくなりましたね。

中:
実際にどんなタイミングで、どんな質問ををほむさぽにしているのかというのはわかりますか?

宮:
ケアマネさんはエクセルの使い方など、ほんとにちょっとしたことなんですけど、教えてもらっているみたいですね。
例えば、行をここに挿入したいんだけどどうしたらいいですか?とか基本的なことだったりしますね。

中:
じゃあ本当にパソコンの初歩的なことからなんでも電話してって感じなんですね。
そういう基本的な質問がすべて宮澤さんに来ていたら、確かに仕事の時間がなくなりますね。
その他には過去どんな相談をしたことがあるのでしょうか?

末:
なんでもとりあえず相談していいよっていうお話だったので、介護ソフト導入についての相談、勤怠管理や給与ソフト、オンライン研修等で便利な機器(スピーカー)の紹介等々、気軽にお電話していろいろご相談させていただいています。

中:
本当に幅広く相談されているんですね。
その背景にある相談のしやすさや、実情を理解した上での提案等、すごく現場にフィットしているんだろうなということを、今回のお話で感じることができました。今日はお時間いただきまして誠にありがとうございました。

外出の様子

◾️聞き手、中浜のあとがき

PCなどIT関係の専門家へ質問する際、「知らない言葉が出てきたらどうしよう」などといった漠然とした不安が生まれやすいということを改めて感じました。それが、IT関係に苦手意識のある人ならなおさらなのだと思います。安心してわからないことを「わからない」と言える・質問できる場所というのは、誰もが欲しているのではないでしょうか。小さな成功体験の積み重ねが苦手意識の解消にもつながり、成長への貢献となるというのも介護現場におけるDXの一つかもしれませんね。

施設外観

特定⾮営利活動法⼈だんだんの樹WEBサイト


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