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人が死ぬということ

1月11日の夜講義でカルマの話をしていた。
今日は、いつもの参加者のメンバーのうちの1人は、母親の病院の個室の中で聞いていた。

病室の中で、まもなく今回の命がつきようとしているときに、私のカルマのクラスに同席していただいている格好だった。

いつもは、シュタイナーの本を読んで、それにまつわる話をしたりしていたけれど、今日はまさに、まもなく、今回の人生のカルマを終えるお母さんがいたのだ。

みんなは一気にワープした。
一気に「1つになった」のだ。
とても不思議な感覚だった。
これは今、まさにベッドの上で危篤状態になっているお母さんが引っ張ってくれている力のおかげで、その力は見えないけれど、みんなを一つにつないでいた。

そこにはお母さんのエネルギーが充満していたし、こちら側はお母さんが聞いてるからね!と言う感覚がとても強くあった。

それはまもなく、人生を終えようとしている人に祝福があり、そこには注いてきただけの愛があり、今回の人生でこれだけたくさんの人に力を与えてくれる人だったと言うことを証明していた。


自分だけの力ではどうしてもそこ(単一の世界)に行けないけれど、そのことについていくら説明されてもわからないけれど、あの瞬間に立ち会うことができて、浸りきることができた人は、みんなこの不思議な感覚を「今日のあの時間」に味わったと思う。

こんな貴重な体験は、一生で何回できるもんなんだろうか?
こんなにたくさんの人間が集まって、1つになることができると言うような経験。

実際人はなくなる直前まで耳だけは聞こえていると言う話はよく聞く。
私は何度も患者さんを見送るたびに、生きている間は普通に接しているのが良いと感じる。最期の時を一緒に過ごせる場合は、今まで言いたくても言えなかったことをきちんと言うチャンスがある。
今回は、そんな時間がたくさん持てる最期の時となったようで、とても素晴らしいことだと思う。
そんな貴重な時間に、私のクラス 配信をスピーカーで病室で聞いているとは
何と言うことだろう・・・!

たった1時間の講義の中で、そこにお母さんが一緒に聞いてくれているよ!と言うだけで、みんなはたくさんのことを理解した。
私などが、つたない話をするよりも、お母さんがそこで聞いていると言うだけで、その存在だけで全てを教えてくださったのだ。
人というのは限りない力がある。
そして、この力は、この世 の使命を任して、今回亡くなられたとしても
生きている時と全く同じように人々の中に残っていく。

あれを残そう、これを残そうと、一生懸命にならなくても
その人の生き様が残るのだ。生き様はそのまま死に様になる。

どんなに大変なことだと思っても、 
それを出来事として受け止めると言う自分と、
悲しくて仕方がない。自分どうしようもない。自分がいる出来事を出来事として、受け止める練習を日ごろからしている学徒たちは、ただ、そこで泣いているだけではない。

どんな瞬間も、私たちは何かを得ている。
今日は人の力と言う凄さを感じ取る。素晴らしい1時間だった。
なくなっていく人を見守るのは、寂しくて、大変なことだと思う

でも、それをしていない人は1人もいない。
みんなその経験をして成長していく。
それに合うたびに、忘れかけていた1日、1日。一瞬、一瞬を大切にしようと、また思い直すのだ。
夏の暑い間も、時間があれば、庭の草引きをして、
自分の趣味で、皮細工をしたり、 カリン漬けを作ってくれたり とにかくいろんなことをしてくださったお母さんだった。

孫の空手の試合に来ては、暑い中ずっと座って見守ってくれた。
その孫は最初は泣いてばかりいて、この子は続くのかなと言う子だったが、今となっては、道場の世界、チャンピオンを2人を相手にして堂々と戦っている。

中学生の子供にとって30歳の師範は体も大きくて、声も大きくてどれほど恐ろしいことだろうか。でもその子はひたすら頑張って、私が見る限りとても強くなった。今日彼はおばあちゃんに誓ったのだ。次の大会で絶対優勝するから見守ってね。

約束した事はきっと 成し遂げていくだろうし、心が折れそうになった時、自分はおばあちゃんに約束したんだよな! と思い起こすことだろう。

あなたのおかげで、今日は私がずっとしたかった単一の世界をみんなに見せることができました。
今年は全員オンラインと言う念願も叶いました。
これで2つ目のみんなで一体化すると言う目標も達成しました。

人は死んでも死なないのだ。

今日は「人」を感じる1日だった。

今日はまるでうまく言葉が出てこない。また上手に言えるかもしれないな。

今、1月12日の午前1時に息を引き取られたと言うことでした。
本当に最後の貴重な時間。
ありがとうございました




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