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モディと習近平国境問題緩和のための「努力強化」で合意

Modern Diplomacy
Newsroom
2023年8月28日

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インドのナレンドラ・モディ首相と中国の習近平国家主席は、3年以上前の衝突事件で関係が緊張して以来、めったにない直接会談で、紛争中の国境での緊張を緩和するための「強度の努力」に合意した。

BRICS経済グループ会議のためにヨハネスブルグを訪れているモディと習近平は、サミットの傍らで会話を交わしたと、インドのビナイ・クワトラ外務大臣が記者団に語った。

世界で最も人口の多い2つの国であるインドと中国の首脳が直接顔を合わせる会談は珍しい。

係争中の国境は、ニューデリーと北京の間で長い間摩擦の種となっており、1962年には中国の勝利に終わった戦争にまで発展した。その後数年間、実効支配線(LAC)と呼ばれる事実上の国境線が、2つの核保有国を分断してきた。

「モディは国境地帯の平和と平穏の維持、そしてLACの遵守と尊重が、印中関係の正常化にとって不可欠であると強調した。」とクワトラは語った。

中国外務省は金曜の声明で、両首脳は「現在の中印関係について率直かつ深い意見交換を行った」と述べた。

習主席は、「中印関係の改善は両国と両国民の共通の利益に資する、双方は二国間関係の全体的な利益を念頭に置き、国境地域の平和と平穏を共同で守るため、国境問題を適切に処理すべきである」と強調した。

今回の会談は、インドと中国が国境問題の解決に向けた第19回協議を行ってから1週間後のことであり、両国関係の修復に向けた一歩として注目される。

インド外務省は声明で、「双方は、西方分野におけるLAC沿いの残された問題の解決について、前向きで建設的かつ綿密な話し合いを行った」と述べた。

両国間の緊張は、2020年にアクサイ・チン・ラダックで起きた死者も出る衝突事件で大きく悪化し、昨年12月にはインド北東部アルナーチャル・プラデーシュ州のタワン地区で双方の軍隊が乱闘し、軽傷者が出たことでエスカレートした。


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第二に、米国、インド、日本、オーストラリアの海軍が参加するマラバール演習が、キャンベラ主催で初めて始まる。

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