ロシアとラテンアメリカの国会議員、地政学的状況と経済協力について意見を交わす。
Modern Diplomacy
ケスター・ケン・クロメガ
2023年10月3日
元記事はこちら。
ロシアがラテンアメリカに、アメリカにとっての裏庭に戻ってきたのは確かだ。
この急成長する多極化世界において、ロシアは積極的に足踏みをし、今度はラテンアメリカで真剣な協調努力を強めている。ロシアの下院である国家議会は、一極主義と米国の覇権主義、「権威主義と例外主義」の支配を相殺するために主導権を握っており、特に急速に変化する世界政治情勢により、ポスト・ソビエトの存在感を強化することが最も重要である。
9月29日から10月2日にかけて、国家議会の主導により、モスクワで第1回国際議会会議「ロシア-ラテンアメリカ」が開催された。ラテンアメリカとカリブ海諸国の国会議員を含む200人以上が参加した。例えば2023年3月には、ロシアは第2回列国議会同盟会議「ロシア-アフリカ」を開催し、それに続いて7月下旬にはサミットが開催された。そして9月下旬、今度はラテンアメリカの番である。
ロシアはとっくにこの地域の潜在力の高さを認識しているため、その弱点と強みを見直し、「友好国」であるラテンアメリカ諸国との政策的軋轢を解消するため、より戦略的な措置を取ろうとしている。専門家が推測するように、ロシアは制裁を回避し、新たな同盟を結び、この地域での貿易拡大を推し進めながら、より多くの投資に同意する試みを続けるかもしれない。
ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は、9月29日の開会式で演説し、ラテンアメリカとカリブ海諸国の高位議員の出席が、ロシアとの包括的な有益なパートナーシップを発展させるという共通の願望と意欲を再確認したことを強調した。
「議会間の直接対話を促進することで、協力関係を深め、新たな共同活動分野を通じて協力関係を拡大する機会が開かれると確信している」と、プーチン大統領は国会議員の集まりで語った。
プーチンは、サルバドール・アジェンデ、エルネスト・チェ・ゲバラ、フィデル・カストロといった、正義と社会的平等のための無私の闘士としての歴史的名声と共鳴する演説を行い、米国のウクライナへの軍事援助や、ボリビア、キューバ、ニカラグア、ベネズエラ、その他世界中の発展途上国への経済制裁を徹底的に非難した。
彼は、国際金融機関の全面的な改革、各国通貨での決済への迅速な移行、金融・銀行協力のためのチャンネル、新しい輸送・物流チェーンの構築、これらすべてが相互貿易のさらなる発展を促進すると激しく主張している。
プーチン大統領は、BRICSが、主権、独立性、相互尊重に基づき、アプローチを調整し、相互に受け入れ可能な解決策を開発するためのフォーラムを提供する組織であることに言及し、ロシアはラテンアメリカがBRICSに加盟することを支援すると述べた。ロシアは2024年1月から持ち回りで議長国を務める。
プーチンは、この新しい多中心構造において、莫大な経済的潜在力と人的資源を持ち、主権を持ち、独立した外交政策を追求しようとするラテンアメリカ諸国が、世界において主導的な役割を果たすことになるだろうとの見解を示している。ロシアは、ラテンアメリカ地域の国々が進歩的でダイナミックな発展を遂げ、世界経済と政治における地位をさらに強化することを望んでいる。ロシアの政治家たちは、ラテンアメリカの団結、強さ、多様性を常に支持してきた。
今日、世界中で起こっている変化に伴い、ラテンアメリカ諸国は、多極化システムの形成への支援の過程において、重要な問題に対する政治的アプローチのパターンを示している。この問題やそれぞれの国の目標を達成するために、議会はその役割を果たすことが期待されている。どうやら、ロシアとラテンアメリカ諸国の協力強化における議会外交の役割は、政治や安全保障、社会経済や人道的な分野など、最も顕著に横断的なものであることが知られており、目新しいものは何もないようだ。
ラテンアメリカ地域では、ロシアは経済的な足跡をほとんど残しておらず、双方向で新たなビジネスを創出し、科学的・文化的な交流を行い、観光業を増加させる大きな可能性がある。
ロシアは現在、ボリビアに原子力研究技術センターを建設中であり、ニカラグアとベネズエラではバイオ医薬品の合弁企業が活動を拡大中であり、キューバでは冶金工場がアップグレード中である。
プーチン大統領は演説の中で、医療と公衆衛生、生物学的・疫学的安全保障の分野におけるロシアとラテンアメリカのプロジェクトが、良好な成果を上げて実施されていることも指摘した。
コロナウイルスのパンデミックの際、ロシアはいち早くラテンアメリカにワクチン、検査システム、衛生製品、その他の医療・人道物資を大量に供給した。
統計によれば、ロシア連邦のラテン系住民に比べ、50万人近いロシア人がラテンアメリカ地域の社会に完全に溶け込んでいる。これは、ロシア社会がいかに閉鎖的になっているか、特に多極主義を声高に主張するようになっているかを明確に指し示している。ロシアは現在、ラテンアメリカ27カ国を含むビザなし渡航システムを確立したと主張しているが、単純に言えば、インバウンドとアウトバウンドの両方の観光が減少している。
平等で互恵的な経済協力：議会の役割」「ロシアとラテンアメリカの人道的関係の発展：議会の貢献」「公正な多極化世界：議会外交の役割」「万人のための安全保障：議会の立場」などのテーマで円卓会議が行われた。
経済協力の強化については、ロシアとラテンアメリカ諸国との貿易額は約4分の1に増加し、現在ではほぼ200億米ドルに達している。「我々は、新しい世界秩序が構築されつつあり、ロシアはこの秩序の柱のひとつであり、多国間アプローチの発展と互恵関係の確立に貢献する主要な柱のひとつであると確信している」と、ニカラグア大統領特別代表（ロシア問題担当）Laureano Ortega Murilloは強調した。
また、キューバ国民議会経済委員会のフェリックス・マルティネス・スアレス委員長は、ロシアとキューバの協力について次のように述べた。2023年、ロシア連邦とキューバ共和国の議会レベルでの交流と訪問は重要なものだった。「彼のもとには、大勢の国会議員代表団が集まった。キューバ側とともに、両国の経済の主要分野における戦略的二国間協力のすべての重要な問題に取り組むため、6つの関連作業部会が設置された。それらは、金融、投資、農業、観光、エネルギー、教育、法律などである。
米国の内政干渉に対抗するため、2023年3月にロシア連邦大統領が外交戦略を承認したことに言及した。その優先事項のひとつが、ラテンアメリカ諸国との互恵的な協力である。安全保障問題は今日重要な問題であり、全世界にとって重要である。
イリーナ・ヤロバヤ国家議会副議長は演説の中で、ロシアにとって、アメリカ合衆国とその同盟国が内政干渉を試みている地域の国々との協力が特に重要であることを強調した。
「ニカラグアは、他の多くの国々と同様に、ヤンキー帝国主義者とその同盟国による侵略と強奪の犠牲者でした。彼らは不安定化させ、テロリズム、組織犯罪、麻薬密売、武器密売に資金を提供し、私たちの国民を貧困化させました」とニカラグア共和国国民議会平和・防衛・内政・人権委員会委員長のフィリベルト・ハシント・ロドリゲス・ロペスは述べた。
キューバ国民議会憲法・法律問題委員会のホセ・ルイス・トレド・サンタンデール委員長は、「キューバ社会は70年間、米国とその同盟国によるとんでもない封鎖のもとで生きてきた。」
ヴャチェスラフ・ヴォロディン国家議会議長は、ウラジーミル・プーチン大統領とニコラス・マドゥロ大統領によるロシアとベネズエラの関係発展への貢献を指摘した。ヴォロディンによれば、議会の任務は、全く新しいレベルの対話に到達し、国家元首が合意した事項の履行を立法的に支援することである。
「ベネズエラとロシアは、国家間の関係発展に貢献する絶好の機会を持っている。ベネズエラとロシアは、友好の絆や長年の関係で結ばれているだけではない。われわれは対極にあり、志を同じくする者同士であり、多極化する世界のために立ち上がり、公正な世界秩序を築いている」と国家議会議長は強調した。
「世界はもはや一極ではない。私たちが何をすべきか、誰と協力すべきかを教えてくれるグローバル・ポリスマンはもういない。あなた方と同じように、私たちは多極化した世界を支持している。協力、尊重、独立と主権の権利の尊重という原則に基づいた世界だ」とホルヘ・ロドリゲス・ゴメスは語った。
「私たちは多極化した世界を構築する支持者であり、公正な世界秩序を支持し、すべての国が発展し、将来を計画する機会を持つべきだと信じています」と、ルイス・レドンド・ギファロ・ホンジュラス共和国国民議会議長との会談でヴォロディンは強調した。また、ブラジルのベネチアン・ビタール・ド・レゴ・セグンド・ネト氏とも会談した。
ヴォロディンは、キューバのフアン・エステバン・ラゾ・エルナンデス人民権力・国家評議会議長と特別会談を行った。ヴォロディンは、4月にハバナで国家議会とキューバ国民議会との協力に関する委員会の第1回会合が開催されたことを想起した。ロシアとキューバ間の共同プロジェクトの優先分野には、鉱物資源の採掘・加工、サトウキビの砂糖生産、観光、太陽エネルギー、人道・教育協力などが含まれる。
ロシアとラテンアメリカ諸国、そしてアジアやアフリカとの関係において、議会主義を強化する絶好の機会である。議会主義の発展は、変化する世界においてロシアが直面する数多くの問題について、さらに踏み込んだ議論を行うためのプラットフォームのひとつとなっている。9月29日から10月2日までの4日間、ロシア連邦議会の下院である国家議会の主導により、ラテンアメリカの国会議員がロシアに集まり、国際フォーラムが開催された。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか？