ロシア・アフリカ首脳会議、新植民地主義と世界政治に焦点
Modern Diplomacy
Kester Kenn Klomegah
2023年7月22日
元記事はこちら。
7月27-28日にサンクトペテルブルクで開催される第2回ロシア・アフリカサミットを前に、ロシアとアフリカの専門家たちは、2019年10月にソチで開催された第1回サミットとは明らかに異なると述べている。
ウクライナにおけるモスクワの特別軍事作戦の開始以来、世界中でロシアに対する態度は二極化しており、アフリカ諸国も例外ではない。
南アフリカを中心とするアフリカ諸国グループは、ウクライナ紛争解決のための和平イニシアチブを提唱している。一方、食糧、肥料、エネルギー価格の高騰に伴い、アフリカ諸国の社会・経済情勢に対するロシアの影響力は増している。
モスクワ大学アジア・アフリカ研究所のアレクセイ・マスロフ所長は、「今年のロシア・アフリカ首脳会議では、政治と安全保障の問題が優先されるだろう」と述べた。「第一に、国際政治情勢の変化により、2019年のサミットの議題はまだ実施されていない。第二に、モスクワの外交政策におけるアフリカ路線は、ロシアのグローバル・サウスへの全体的な軸足の一部であり、そのため政治的な問題がフォーラムを支配する可能性が高い」と専門家は指摘する。
ロシア科学アカデミーのアフリカ研究所文明・地域研究センターのラフインベク・ボボホノフ上級研究員は、「アフリカ諸国はこの1年間、西側諸国からの大きな圧力に直面してきたため、第2回サミットは第1回サミットよりも緊迫した雰囲気の中で開催されるだろう」と指摘する。
しかし、アフリカ諸国は西側諸国を恐れておらず、西側諸国の要求を満たすためにロシアとの協力関係を捨てるつもりはない。
アフリカにとって、ロシアは現在、西側諸国や中国よりも温かく迎えてくれるパートナーである。加えて、穀物取引が頓挫した今、サミットではロシア企業とアフリカ諸国が食料や人道支援の供給について直接交渉することになるため、モスクワとアフリカの結びつきは近い将来さらに強くなる可能性がある。
ヴァルダイ・ディスカッション・クラブも7月18日にプレ・サミットを開催し、「ロシアとアフリカ」と題する最新報告書を発表した：と題された最新報告書が発表され、ロシアとアフリカの専門家によって徹底的に議論された。アフリカ研究所のイエレーナ・ハリトノワ上級研究員は報告書の発表の中で、2019年の第1回サミットはロシアのアフリカ回帰をモットーに行われ、ソ連時代に非常に効果的だった外交活動の強化を意味すると指摘した。
しかし、ロシアのアフリカ回帰は多くの困難と挫折に直面している。2019年のアフリカ回帰の見通しは非常に楽観的で、計画も豊富だったが、それはCOVID、ウクライナ危機、特別軍事作戦の前のことだった。「2023年のサミットは別の条件で開催されることになるが、ロシアとアフリカのプロジェクトに対する反対が今ほど攻撃的であったことはないため、ある意味より厳しいものになるだろう」とハリトーノワは語った。
彼女は、現在の地政学的状況と、ロシアを周辺資源国とみなし、アフリカとともに主権を剥奪する旧西側植民地大国の政策を考慮して、今度のサミットの焦点は変化していると述べた。
「このサミットは、世界の再構築という異なるモットーのもとに開催される。これは一種の新しい民族解放闘争である。脱植民地化のための闘いです。」「アフリカ側もロシア側もこのことを理解している。そして、2019年の時点では、私たちにはまだじっくりと審議したり、のんびりとしたペースで物事を進めたりする時間がありましたが、今は断固とした態度で迅速に行動しなければならない状況にあります」。
予想される開発とロシアのアフリカへの関与に関しては、さまざまな異なる考えがある。ロシアが政策の中で見落としている開発関連の問題は非常に多い。アフリカの人々は頻繁に、社会的責任、正義、長期的なプロジェクト、軍事兵器や武器の貿易だけでなく、アフリカが発展する必要があるという事実を口にする。
研究者によれば、アフリカは長期的な戦略カテゴリーで物事を考えており、アフリカ連合のアジェンダ2063の文書がそれを証明しているという。
チコニアは、ロシア・アフリカ首脳会議が、この地域の他の主要国の同様の形式と比べて最も若いものであることを強調した。「いくつかのアフリカ首脳会議の宣言を見てみよう：基本的な覚書があり、一定の方向性が示されている。インドのベストプラクティスについて言えば、彼らは署名された行動計画を持っている：サミットの一環として署名される行動計画がある。「現在進行中の動きを考慮すると、ロシアにはスマートで競争力のあるアフリカ戦略と、それを実行に移すための実行可能なロードマップが必要なのです」。
その上、他の国々の経験から、サミットは一貫して開催することで生産性が高まることがわかるという。彼女はアフリカのパートナーである中国を挙げ、彼らは約束通り3年ごとに例外なくサミットを開催していると述べた。
「計画に固執するために、他の形式はどうしているのでしょうか？彼らは宣言や計画を持っている。次のサミットの日付と開催地を決める。さらに、サミットとサミットの間に、誰が、誰と、どのくらいの頻度で会うのか、追跡メカニズムが導入され、時には、これらの話し合いの問題点さえも前もって計画されているのです」とチコニアは語った。「私たちはここから学ぶことができると思います」。
客観的な理由から、第2回ロシア・アフリカ首脳会議は2023年に延期されることが決まった。2019年にあらゆるレベルでアフリカとの交流に弾みがついたが、外的要因などのために実際には続かなかった。
しかし、それだけではないようだ。経済的な期待と現実はどうなのか？何がなされ、何がなされなかったのか？現在の状況はどうなっているのか？
アフリカのパートナーはロシアに何を期待したのか？ロシアは彼らに何を提供できるのか？ソビエト連邦の時代から、友好と相互援助に依存し、過去少なくとも15年、あるいは20年間、アフリカ大陸との交流に全く関心を示さず、時間によって試されてきたロシアとアフリカの関係は、抜本的なリセットを必要としていた。
アフリカ大陸は息をのむようなスピードで成長しており、政治的、経済的関係の両方に関心を寄せている。アフリカ諸国は過去に思いを馳せながら、外部プレイヤーの幅を広げることで、ポストコロニアル、ネオコロニアル関係の多様化に全力を尽くしている。
ロシア国民はアフリカについてほとんど知らない。客観的な情報へのアクセスは、双方向でひどく不足している。市民社会間の対話は、この状況を改善するのに役立つ。それは、ロシアとアフリカにおける新しい世論を構築するための基礎を築く上で重要な役割を果たすことができる。
西側諸国とは異なり、ロシアはアフリカにおけるロシアのポジティブなイメージ、ロシアにおけるアフリカのポジティブなイメージを形成するだけでなく、相互に共有する価値観を促進するという概念レベルでは十分なことをしていない。
ロシアの一つの大きな弱点は、ロシアとアフリカの関係においてPR戦略が完全に欠如していることであり、これはビジネスにとっても悪いことである。現在、ロシアのメディアによる報道は改善されつつあるが、まだ十分ではない。他方、アフリカのメディアに対するロシア人の非協力的な態度は筆舌に尽くしがたい。特に、西側のメディア・マシンの全勢力がロシアの信用を失墜させることを目的としている現在ではなおさらだ。
実際、ロシアの高官たちは専門家の提案を気にしているのだろうか？ロシア人はアフリカを経済的観点から見ているのだろうか。ソビエト崩壊以来、ロシアは他の国々と違って政治的スローガンを掲げて行動している。ハイレベル会合や会議は、砂糖でコーティングされたジューシーなスピーチや美辞麗句で特徴付けられ、二国間協定の山で終わっている。
2019年のサミットは、ロシアとアフリカの協力における新時代の幕開けとなるはずだった。アフリカの人々は、経済のあらゆる分野に投資がもたらされることを期待していた。しかし、ほとんどのロシア企業は、アフリカとどのように仕事を構築するかについてまだ暗中模索している。彼らはエントリーポイントや潜在的なパートナーを知らない。アフリカ諸国が本当に必要としているものは何なのか、どのようにコミュニケーションを確立し、財務モデルを構築するのか、どのように取引のコンプライアンスを確保し、アフリカ諸国間の法律や法的規制の違いに対処するのかなどがわからないのだ。
アフリカが具体的な持続可能な開発を必要としている一方で、モスクワはアフリカでの政治的プレゼンスを促進する課題に効果的に取り組んでいるだけであり、現在は隣国ウクライナへの侵攻への支援を積極的に募っている。ロシア・ウクライナ危機は、各国がコヴィド19の悪影響からの回復に苦労している中、さらなる世界的な不安定を生み出している。一部の指導者たちは、一貫して外交による和平を求めてきた。次回のサミットでは、この点が議論の中心になるだろう。
南方への軸足を広げた今、ロシアは独自の比類なきメカニズム、そしてロシア・アフリカ経済政策を構築するための万能ツールキットを必要としている。
ロシアはアフリカとの互恵協力のための全く新しい方式を発見しなければならないだろう。第2回ロシア・アフリカ首脳会議と経済フォーラムは、7月27日から28日までサンクトペテルブルクで開催される予定だ。第1回サミットは "平和、安全保障、発展のために "をモットーに2019年10月にソチで開催された。
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1 【ロシアとアフリカの関係は、約束を果たすかどうかにかかっている。】
ロシアとアフリカの間には、長い歴史がある。
2019年10月に黒海の都市ソチで開催された初の象徴的なロシア・アフリカ首脳会談の後、ロシアとアフリカの双方は、関係全体を新たな質的レベルへと積極的に引き上げようとする重要な目標と必要な課題をまとめた包括的な文書である共同宣言を採択した。
2 【アフリカの調停者: 誰が、何を、どこで、なぜ?】
ロシア・ウクライナ危機に関するアフリカ和平ミッションは4人の大統領で構成された：南アフリカ共和国のシリル・ラマフォサ大統領、調停グループの代表。
アフリカ連合（AU）の現議長でコモロ連合のアザリ・アスマニ大統領、セネガル共和国のマッキー・サル大統領、ザンビア共和国のハカインデ・ヒチレマ大統領である。
3 【ロシアのアフリカ向け金融戦略を理解する】
ロシアは、地政学的な影響力を高めるために、原子力やエネルギーなどのメガ・インフラ・プロジェクトや資源探査に力を入れており、アフリカとの貿易拡大についても一貫して語っている。
一方、ロシアは、こうした企業政策のイニシアティブに資金を供給するための協調的なメカニズムに取り組むとともに、アフリカとの貿易拡大をさらに推し進める必要がある。
参考記事
1 【モスクワはアフリカ諸国からの200億ドル以上の負債を帳消しにした、とロシア大統領が述べた。】
「ロシア、アフリカ諸国は道徳的規範、社会的原則を守り、外から押し付けられた新植民地イデオロギーに反対する」とウラジミール・プーチン氏。
ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は月曜日、モスクワが200億ドル以上に相当するアフリカ諸国の債務を帳消しにしたと発表した。
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