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小澤征爾の訃報を胸に。山田和樹指揮、読響で聴いた「ノヴェンバー・ステップス」_2024年2月9日


日本のクラシック音楽界に激震が走り、間もなく深い悲しみに沈んだ2024年2月9日。私は山田和樹指揮、読売交響楽団の「第635回定期演奏会」にいました。

プログラムは、
バルトーク:弦楽器、打楽器とチェレスタのための音楽 BB 114
武満徹:ノヴェンバー・ステップス
ベートーヴェン:交響曲第2番 ニ長調 作品36

休憩を挟んで後半に演奏された武満徹「ノヴェンバー・ステップス」は、武満徹がニューヨーク・フィルハーモニック(NYP)の委嘱を受けて作った曲だそうです。
そして、NYPと武満さんとをつないだのは小澤征爾さんだったといいます。

私は初めて聴いたのですが、藤原道山さんの尺八と、友吉鶴心さんの琵琶が幻想的な曲でした。

みなさんご存じの通り、小澤征爾さんの訃報が公表されたのはこの日で、サントリーホールでは休憩中のことでした。
LINEニュースで見た時は驚きのあまり、隣の席の見ず知らずの方にお声をかけそうになったほどです。

後半が始まると、いつものようにオーケストラではなく、まず一人で舞台に現れた山田和樹さんから、客席に向かって訃報が告げられました。
そして、先述した「ノヴェンバー・ステップス」についての説明と、日本人差別の中で迎えた初演の指揮者こそ、小澤さんであったこと。
続いて、その時のカップリングが奇しくもこの日のプログラムと同じベートーヴェン「交響曲第2番 ニ長調 作品36」であったことをお話になりました。

「音楽は楽しむもの」という決意で話は締められ、いよいよオーケストラが舞台に登場。演奏が始まりました。

音楽は生き物だ。今日と同じ演奏を二度聴くことはないだろう--。

しみじみそう感じながら聴きました。

【ききみみ日記】
★今回で投稿141回目になりました★
オペラ・クラシック演奏会の感想をUPしています。是非お越しいただけますとうれしいです。
(2022年10月10日~2023年1月15日まで101回分を毎日投稿していました)



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