東大進学「名門校」でないハンデを克服

東京の私立・成蹊高校から東大を受験するも不合格となり、駿台の「東大理系演習コース」で一年勉強して今春、理科一類に合格したマツザキです。どのようにして東大受験を決めたか、そして、現役時にはどこに問題があったかを書いてみます。東大受験に関して十分な情報のない人の参考になれば、と願っています。

『Newton』の記事を読んだのが転機

現役時代は、秋の東大模試までDかE判定でした。そんな私が現役の入試でも合格最低点近くまで迫り、今年は最低点を大きく上回って合格できたのは、どうしても東大に行きたい、理科一類で学びたい、という強い思いがあったからだと思います。
小さな頃から理科に興味があり、中学に入学してからは数学が好きになりました。しかし、自分が学校で習っている勉強と、今まさに研究されているような最先端の科学はあまりに離れており、大学で何を学びたいか、ということに結論を出せずにいました。
転機となったのは、高校2年の夏ごろ、雑誌『Newton』に掲載されていた宇宙背景放射についての記事を目にしたことです。記事を読み終わると、自分の中で日々の勉強と最先端の研究がつながった感じがしました。

その後、ブルーバックスなどを読み漁るうちに、大学で物理を学びたい、そして学問をやるなら東大が一番だと思うようになりました。この強い思いが、私の受験勉強の原動力となりました。

「名門校」でないが故の情報不足

思いだけで合格できるほど東大は甘くありません。

現役時には学力不足のため、不合格となりました。その主たる原因は情報不足だと考えています。
毎年東大に何十人も合格するような「名門校」の強みはなんでしょうか。優秀な友に囲まれて刺激を受けながら勉強ができるということのほかに、東大合格に直結するようないろいろな情報・知恵が、自然に得られる環境にあることだと思います。
先輩からいろいろな形で、生の「合格体験」を受け取れる環境であれば、周りに合わせているだけで、適切な時期から効率的に受験勉強を始めていたでしょう。
私は高校3年になるまで、参考書を買うということも、理科について定期試験前以外に勉強するという考えも、頭にありませんでした。

高校二年までに過去問を解き、ゴールを知る

「東大はどういう問題を出すのか」というのを知るのが遅すぎた、というのも私の反省点です。

過去問を十分に解けるようになることがゴールですが、そのゴールを把握せず闇雲に進んでも迷子になってしまいます。
学力が足りなかろうと、遅くとも高校2年のうちに最新年度の過去問に時間を計って取り組むべきです。

特に英語は他大学には見られない多様な形式で出題されるので、どんな問題かを知り、現在の学力とのギャップを認識することで、大きく勉強法が変わるでしょう。
私は英語など一部の科目を除いて、過去問に取り組んだのは高校3年の10月でした。理科はセンター試験が終わってからになりました。現役時代は、やるべきことがありすぎて仕方がない面もありますが、大事なのは目標をしっかり掴むことです。そして、どう勉強するかの情報にも気を配れるようになったら、あとはひたすら勉強して学力を上げるのみです。

その際、何を(素材)、どのように(方法)、どれくらい(量)、勉強するのかの3点が大事になりますが、まずはやってみることです。何をやればいいか分からないからやらない、ではなく、非効率的なやり方でも勉強しているうちに、少しずつ自分はどうするのが良いのかが掴めてくると思うのです。

入試本番での精神面の対策

入試本番で精神状態をどう保つかが、最後の鍵となってきます。
私は、ミスに気づくと心が折れやすく、なかなか立て直せないタイプです。

そんな私からの助言が3点あります。

1)失敗する恐れのある科目は後回しにする(化学は得点のブレが小さいので、物理での動揺のリスクを考えて、化学→物理の順に解く) 

2)自分だけでは落ち着けないなら、家族や親しい友人に電話し、発散してしまう

3)失敗しても落ちない実力をつける(精神力の軟弱さを学力でカバー)

このように、なるべくミスによるダメージを小さくし、ダメージがあっても合否に響かないくらい勉強しておく、という方法をとることで、今年はなんとか合格にこぎ着けました。

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