国語科で学ぶこと
国語の授業って何を学ぶのだろう。
そんなことを思う子供は大変多いです。
そして,保護者の皆様にも考えてみてほしいです。
国語の授業で,何を学びました?
今日は,国語科で身につけたい力のほんの一部,しかも目に見えやすい部分について触れいていきたいと思います。
1 国語科で何を学ぶの
国語の授業って何を学習するのでしょうか。
私が根底においている国語科でつける力の一つに,表現力を軸として置いています。
表現力,と曖昧なことを書きましたが,国語科においては,何が出来て,どんな力が付いたのかが非常に見えにくいです。
子どもの目線でいくと,
「ごんぎつねで『兵十の銃の筒からでていた煙は,なぜ青色で表現されていたのだろう』と考えるのは楽しかった。だけど,これがどのように生きてくるのだろう」
「走れメロスで長い文章を読んだけれど,授業では特に困らなかったしテスト勉強はしなくても良いよね」
「羅生門,なかなか興味深い作品で面白かったけれど,大学入試で同じ文章は問われないんだから,国語の授業って無駄じゃない?」
となりかねないですよね。
子どもの目線ではなかなか見えにくいところではあるのですが,力を付けさせる立場としては,何をどのように学ぶのかは明確にしなければなりません。
特に若手の先生にまず意識してほしいことは,国語科では表現力を身に付けさせる。
ということです。
古典文学,中世,近世,現代,評論,文学,論説・・・・・・
挙げればきりがないですが,特に最初は表現力に焦点を当てると授業の組み立てや構想が明確になっていきます。
2 表現力とは
表現力と一口に言っても,非常に幅が広く曖昧です。
まず,3領域の観点で見ていくとすべてがもちろん表現力につながるものではあるのですが,書くことを今回はお話ししていきたいと思います。
書く,という方法は,表現において大変重要な位置を占めています。
そのことについて語れば本題から脱線して,今回のテーマからも逸れていきそうなので割愛しますが,書くことは多くの側面を持っています。
例えば,
書いて表現することを目的とする。
読むことの力を付けるために書く。
話すために書く。
など,表現において書くことは大変重要な役割を持っています。
書かずに表現までたどり着くことは,よっぽどの能力がないと難しいです。
だから,何をするにしても書く作業は必要になってきます。
今回は焦点を絞って,どのように書くのか,書くための一つの技法を示したいと思います。
3 書くこと
書くことの指導にはたくさんのステップや,領域があります。
ここではざっくり,基礎となる説得力を持たせるということに視点を置いてまとめたいと思います。
説得力のある文章ってどんな文章?
と聞かれると,大人でも唸ってしまうかもしれません。
だけど,プレゼンをしたり,企画書を作ったり,会議で発言をしたり,説得力があるということはどんな時でも大切ですよね。
文章の種類によっては,説得力は大きな武器であり,必要不可欠なものです。
今回はそれを簡潔に説明していきたいと思います。
説得力を子供に簡単に理解させ,実践させるためによく活用されるのが,三角ロジックです。
どのように活用されるかを紹介します。
議論やお願いの中に必ず含まれるのは,主張です。
主張無くして議論も交渉も成り立ちません。
その自分の主張や考えに納得してもらうためには,説得力を持たせるための根拠と事実(データ)が根幹にあります。
例えば,
主張:私は携帯電話が必要だ。
事実:携帯電話はクラスのほとんどが持っている。
理由付け:私が持っていないと連絡や学習に支障が出る。
これは弱いですが三角ロジックの例ですね。
自分の主張を通すためにはどんな事実や理由付けがふさわしいのか,年を経るほどに考えさせると深まりますね。
今回は書くことに課題を感じている子供を念頭にお話ししましたが,生涯を通じて必要な技能です。
ぜひ,丁寧に指導をしていきたいものですね。
次回は,三角ロジックを授業でどのように取り入れていけるか,比較というキーワードと共に実践をもとにお話ししていきたいと思います。
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