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【Interview Vol.9】 元相談者 長沢さん(仮名)

今回は元相談者の長沢さん(29歳)にインタビューしました。「とにかく個人的にHomedoorが好きだから!」と卒業後も頻繁に遊びに来てくださいます。いつも誰に対しても気さくで穏やかな長沢さんのインタビューをぜひご覧ください。

—–これまでの生活、Homedoorに相談に来られたきっかけを教えてください。


2012年から2014年くらいまで、和食の調理の仕事をしていました。ただキッチンの高さなどが自分の身体にあわず、腰を痛め1ヶ月ほど休んだりしたこともありました。長い目で見た時、この仕事に先はないなと思い辞めた後は、半年くらいゆっくり他の仕事を探しました。

その後、お菓子の工場で働きました。4年目の時に、海外の工場に派遣されました。8年目の時にその海外の工場が閉鎖することになり、日本の工場で働けるという選択肢はなかったのでそのまま失業しました。

帰国した時はちょうどコロナ禍の2021年頃でした。海外にいたので、すでに日本のアパートも引き払っていたこともあり、寮付きの和菓子工場に就職しました。上司との関係などに悩み、退職を決意。寮暮らしだったので、仕事を辞めたことで住む場所も失ってしまいました。

どんどんお金も無くなっていくし、どうにかしないといけないなと思っていた時に、HomedoorのYouTubeの公式チャンネルの動画を見て、ここなら大丈夫かなと思い相談にきました。

初めて相談に来た時はすごく緊張しました。ただ、受付のスタッフさんやHomedoorに遊びに来られている元相談者の方が優しく受け入れてくださったおかげですぐに馴染むことができました。

—–はじめての来所は、昨年の12月でしたよね。Homedoorに来られる前、冬の寒さでお辛かったことなどありましたか?

もし、住む場所などが決まらなかったらどうしよう、このままで年を越せるのかな・・・という不安はやはりありました。ぼんやりと「死ぬんかな」と思ったことはあります。

宿泊施設アンドセンターに空きがあったので、すぐに宿泊できました。個室型で暖房などもあったので、寒さも感じずに過ごすことができ、めちゃくちゃ快適でした。また、団らんスペースで他の相談者の方と話したり、就労支援員の方に都度相談ができたのも良かったですね。

寒い冬の中、路上生活にならなくて本当に良かったです。路上生活に陥る前にHomedoorに繋がることができて良かったなと思っています。

—–Homedoorではどのようなサポートを受けられましたか?


アンドセンター宿泊、就労支援のサポートなどを受けました。滞在中は、HUBchariの自転車再配置などのお仕事も経験し、お金も少し貯めることができました。また、Homedoor運営のカフェ「おかえりキッチン」にて、就労体験をしました。

—–アンドセンター滞在中は、Homedoorの新しい就労支援の取り組みである「アンドカフェ」(コーヒーやお菓子を楽しみながら、ゆっくり今後の生活や仕事について考える機会)や就労移行支援に取り組む「リタリコワークス」様による出張相談会にも参加されましたよね。そちらはいかがでしたか?


アンドカフェは、Homedoor卒業生の方のお話を聞いたり、今後どういった仕事をしたいかといったことをゆっくり考えられる場でした。就労に関するチラシなどもいただきました。色々な就労の情報を見たことで、改めて自分のやりたい仕事について再確認できた場でした。また、10代〜70代まで幅広い年代の他の相談者の方ともお話できました。これからもやってほしいです。

アンドカフェの様子

リタリコさんの出張相談会で、自分の興味などに関するワークを通して、自分はこういう仕事がやりたいんだなというのが少しわかりました。参加も強制などではなかったのでよかったです。今後も時間があれば参加したいです。

就労移行支援に取り組む「リタリコワークス」様による出張相談会

—–「おかえりキッチン」での就労体験はいかがでしたか?

アンドセンター宿泊中、おかえりキッチンで食事をいただいたこと、宿泊者の方の食事作成のお手伝いなどを経験して、今後も調理の仕事がしたいと思いました。「食べる側」と「提供する側」の双方を経験したことで、料理はこんなに人を幸せにすることができるのか!と改めて気がつきました。

衣食住の中でも「食」はやはり大切だなと。やはり美味しい食事は、人の心を温めてくれるんだなと思いました。

おにぎり作りの様子
完成したおにぎり

—–Homedoorは長沢さんにとってどのような場所ですか?

とにかくHomedoorが好きです(笑)。

わたしにとって、いつでも帰って来れる場所です。また、何かあれば相談にこようと思える場所です。今後も週に1回くらいは、元気な姿をHomedoorに見せに来たいなと思っていますし、他の元相談者の方にもお会いできたらなと。

また、わたしが初めて来た時、卒業生の方たちが優しく受け入れてくださったように、自分も新しい相談者の方の話し相手になれたらいいなと思っています。


サポーターの皆様のお力添えにより活動は継続できていますが、年々宿泊希望者は増え、相談者が抱える社会的な背景も複雑になってきています。

よりていねいな支援を多くの人に提供するために、冬のサポーターキャンペーンを行っています。よかったら特設ページと動画だけでもみていただけたら嬉しいです。


すでに130人の方が新たにサポーターとしてHomedoorの仲間に加わってくださいました! 皆さまのご協力をどうぞよろしくお願いいたします。

●冬のサポーターキャンペーン特設サイト
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●キャンペーン動画
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お読みいただきありがとうございました。いただいたサポートは、生活にお困りの方への支援として使わせて頂きます。