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気がつけば小林武史

作詞とは、メロディーに言葉を乗せるもの。
作曲とは、音を創作するもの。
じゃあ編曲とは??

編曲ってざっくりまとめられていますが、具体的な仕事内容は幅広いと思う。主に作曲と同様に0→1の力が必要な作業で、0からまず1歩踏み出しながらそこに装飾・色付けをしていく事で色んな景色が広がる。
普段我々が聴いている音楽においては欠かせない1つのピースであり、アクセントだ。

CMから流れる曲、有線から流れる曲。
街中を歩く時にふと耳に留まる曲。

ふと意識していない時に僕らはいろんな音を聴き
いろんな音楽を耳にしますが
最近は技術の発達で携帯をかざせば
この楽曲の詳細が知れる。
こんな世の中になっています。
(少し逸れますがずっと気になってリフレインがやまない曲をハミングすると教えてくれる画期的なアプリもあります!)

そんな時、携帯をかざした時に高確率で起こる現象。
楽曲クレジットを確認すると
編曲:小林武史とある。

高確率で起こる「気がつけば小林武史」現象
出逢ったことがある人は僕以外にもいるだろう。
今日はそんなアレンジャーとして、そしてプロデューサーとしての小林さんのキャリアを振り返りたいと思う。

まず1番先に触れたいのは桑田佳祐、
およびサザンオールスターズ
との出逢いであろう。

桑田さんのソロ1作目「悲しい気持ち (JUST A MAN IN LOVE) 」にアレンジ・編曲として参加。
以降、桑田さんのソロ、サザンの活動にも欠かせないピースになります。

その後も立て続けに大ヒット曲に携わり
その次に入れ替わりの様に小林さんが手掛けたバンドが、日本を代表するアーティストになります。
それがMr.Childrenです。
この出逢いが双方の人生を大きく変え、
日本の音楽界をも大きく変えます

デビューからプロデュースを務め、
キーボーディストとしてライヴにも帯同するなど小林さんとMr.Childrenは音楽を作るにあたって運命共同体のような距離感を見せています。(現在はプロデュースは離れていますが、親と子のような絶妙なバランスです) 

先程述べたように2007年〜2013年まではMr.Childrenのコンサートにもキーボーディストとして参加し、プレイヤーとしてリスナーを魅了します。この頃の小林さんの神がかったアレンジはファンの間でも語り継がれている。

デビュー当時からプロデュースを行い、日本を代表するモンスターバンドに育てあげました。
この後、発売される「奇跡の地球」はサザンとMr.Childrenを惹き合わせた小林さんは何より優れたアイディアマンなのだ。

また、小林さんは特性として女性シンガーを輝かせる力が大いにある。
中でも、95年にデビューしたMy Little Loverは最初期から大ヒットを飛ばし1stアルバム「evergreen」が約280万枚のセールスを記録する。この作品では編曲だけに留まらず、作詞作曲も手掛けるなど音楽界での存在感は益々広がります。

その後も沢山のアーティストの楽曲に魔法を振りかける様に名曲を量産していきます。90年代のJ-pop史は紛れもなく2人のTKが席巻して圧倒します。
(もちろん、もう1人のTKとは小室哲哉の事だ。)

2000年代を迎えても、宝石の様な輝きは褪せず
女性シンガーであればSalyu一青窈などを
バンド勢のプロデュースでは
エレファントカシマシ(宮本浩次)レミオロメンなどを手掛ける。
全ての活動や参加楽曲を挙げるとキリがないのだが、恐らく我々が普段耳にしていた聴き馴染みの良い曲を僕らに届け続けてくれていた。

近年では、back numberとの共同作業では多くのドラマ主題歌、映画主題歌を制作し様々な年代のリスナーが呼応する様に跳ねた。

そして音楽以外にも櫻井和寿、教授こと坂本龍一と手を組み環境問題を提起し発足されたap bankがまた2000年代中期あたりから音楽界、日本中で一際話題を集め、ap bank fesは毎年開催を待ち望む声が多く聞こえます。bank bandとして音楽を紡ぐ場以外にも復興支援やコロナ禍など、リアルタイムで直面している危機から何か僅かでも出来ることがないか模索し続けている。サステナブルな未来の為にプラスな働きをもたらし、音楽と何かが共存する。この“と”の部分、
それは「アート」であり「食」であったりここのピースに当てはまるものは無限大なのかなと思えます。

ごみの削減•再利用って聞くと微力ながらも僕等にもできそうでしょう?他人事ではなく自分事で考えさせてくれる活動だ。

おわりに

この30年〜40年において常にチャートの中心ソングをつくり、我々が普段何気に聴く音楽の基礎となる部分をつくりあげた功績は何世代にも渡って語り継がれるものでしょう。音楽をつくる同業者に伝わる凄みも勿論のこと、完全ど素人の我々にも理解る凄みは大衆性にアンテナが張り巡らされている証拠だ。

人の良さを引き出す力というのは、
自分自身の壁を越えることより難しい事だと思える。
自分が持つ力、それ以上を
想像力(または創造力)で引き出してくれる。

言葉や想いが音に伝わって乗る。
濁りや嘘がなくて全く不純物がないから冒頭にも触れたように小林さんの音楽にふと気づけるのだ。
僕の特殊能力ではなく、届ける側の特殊能力なのだ。

自分が描いている世界を共有できるからこそ
音楽は楽しいし美しいものである。
そう再確認させてもらえた。

※人物年表、歴史的事実はWikipediaより引用。

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