見出し画像

世界で一番「繋がる」孤島 <The Connected Islands>

世界各地の広告やプロモーションから、不定期で「いいな!」と思うものをピックアップしています。

シャッター街や人気のない街。少し旅をしていると、寂れている場所が国内でいかに多いか思い知らされる。どうにかできなかったのかな…何か変われないのかな…と思いつつも、時代とともに静かに街がなくなっていくようで、すごく切ない。本土と繋がっていない島のような場所だと、そういった寂しさはひときわあると思う。

アラン島というアイルランドの西部にある小さい島。本国から孤立していることから、150年間人口が減り続けている島だったそうだ。この島は2042年に人口が0人になると予測されており、そうするとアイルランドの伝統的な文化を持つ島がひとつ消えてしまうことになる。それを阻止するために、インターネットすらつながりづらいアラン島を国内で「つながりやすい」場所に変えるプロジェクトが始まった。

具体的には、国内で最初に5Gネットワークを取り入れ、漁業、小学校や医療機関などありとあらゆるシステムを全てスマートシステム化し、教室や海の上からでも島の外の市場や情報がすぐ手に入るインフラを整備した。そして、アイルランドで初めてのワーケーション用のデジタルオフィスを取り入れ、オーストラリアなど他の国からの移住者を誘致し始めた。

画像1

今まで繋がっていなかった場所に、遠隔医療を取り入れたり、ITの力で改善する例はたくさんあると思うけれども、それを「国内初」「一番繋がっている」形で極端に振り切っていて、それをやりきっているのが面白かった。冷静に、静かで地理的に離れている島でも問題なくインターネットが繋がって、仕事さえできるならすごく魅力的な環境だと思う。それを行政の力を借りずに、きっとデジタルへの知見もなかった島の人を説得してやり遂げたのは、プロジェクトの紹介動画で触れられていないすごい地道な努力があったんじゃないかと思う。

医療機関だけ、とか学校だけ、ではなく島全体、地域全体を巻き込んだこういう取り組みが、日本でも増えればいいのになと思った。

参照元:https://www.dandad.org/awards/professional/2020/232532/the-connected-island/


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?