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卒業まであと1ヶ月切った瞬間、学校がストライキで無期限休校になった話

そうなんです。実は今非常事態なのです。

アメリカは感謝祭、そしてクリスマスに向けたホリデーシーズンに向けて華やいでいる中、先週ついにストライキが勃発しました。
一学校での出来事が、ニューヨークタイムスでも取り上げらるほどの大事になっています。

遡ること、2022年5月頃

今回のストライキは、パーソンズを含む総合大学New Schoolのパートタイムの教授連合によるものです。(日本では非常勤講師のような立ち位置になると思います。)

私が通う、パーソンズでも、最先端のデザイン系の会社で働いていたり、自分でスタジオを立ち上げている人もいるため、掛け持ちで授業を持っている人が多く、実は、教授全体の87%を占めています。業界最先端の知見を持っているからこそ採用されたのだと思うのですが、あまりにも人数が多いからなのか、パートタイムの教授の待遇(給与、健康保険の有無、残業手当)がフルタイムの教授と大きな差があるのが現状です。

一見突然噴き出たかのようなストライキなのですが、前々から教授陣の間では不満が募っており、今年の前半からこの問題に対して、先生たちが校舎各地でビラを配っていたり、ポスターを貼ったりしていて、生徒に対しても団結を求めていたりしていました。裏では交渉も続いていたようです。

そして、11/15(火)にあった最終交渉、学校側が提示した条件が希望を満たさず、11/16(水)よりストライキが始まりました。

11/16(水)の様子

ストライキが始まって1週間


学校は現在1週間休校状態になっており、学期が終わるまでの4週間のうちの大事な1週間が削られました。
今一番盛り上がっているのは、教授連合側のインスタ投稿。

https://www.instagram.com/act_uaw7902/

学生や先生が学校の前で集まってマーチをしたり、デモをしたりしている様子の動画がアップされたり、今の状況についての説明が書かれていたりしています。

先生たちからは、「すごく申し訳ないのだけれども、このストライキに賛同する」旨のメールが続いており、ストライキで休校の間、やるべきことが書かれているメールが来たりしました。

先生から実際に届いたメール

一番興味深いのは、学校側と連合側の言い分が食い違っていること。
ストライキが始まって以降、11/18(金)、11/20(日)、11/22(火)と連合側と学校側が交渉を重ねており、学校側からは日曜日に最終条件が提示され、11/22(火)12:00pmまでに連合側に返事をするよう求めていました。その条件が待遇の改善、ボーナスなど。


11/20(日)に学校運営側から来たメール

しかし、計算すると、他大学と比べたときの給与の上がり方が低かったり、一部の学校の先生の給与を削ることで、他の教員の給与に当てたりしていることが反発を招いている模様。

で、結局どっちが正しいの?どこが折り合い地点なんだろうと気になっている次第です。その他にも、学校運営側は「オンラインでも授業をしているので、生徒は出席するように」とSNSやメールで呼びかけている一方で、連合側は「97%がストライキをしており、授業は放棄している」と言っていたり。

ことに、連合側の情報発信が活発になればなるほど、引き下がりにくくなる上に、泥沼化するんじゃないかというのは懸念しています。

これからどうなるの?


11/24(木)から連休に入る上、今学期も残り3週間ほどしかありません。
他大学のストライキを経験した人や、過去にパーソンズでストライキを経験した人によると、だいたい収束まで2~3週間はかかるとのこと。

仮に収束しても、今回のことを踏まえて、学費が上がったり、なんらかの影響はあるのではないかなと思います。

個人的には今回の出来事を通して、学校を支える立場の先生たちが自分たちの権利や生活のために声を上げる、行動を起こすことはアメリカならではなのかと思っており、やはり「求めよ、さらば与えられん」の世界だなと痛感しております…。

学校は誰のものなのか。本来では、学校の運営側も、先生も、学生同じゴールに向かって、いい環境を作っていく場所なのかと思っています。今の一番の課題は、本来揃うべき足並みが揃っていないこと。誰を信じていいのかよくわからないことかと思います。それを解決するのは、すごく時間がかかるんだろうな…。

私としては、また学校が再開した時のために今目の前にある課題やプロジェクトを引き続きこなしているのですが、先が見えず、フィードバックももらえない状況なので、なかなかうまく進められなくて困っていたりします。人とのつながりは、学校にいることの大きな意味のひとつだと痛感しています…。

早く収束して欲しいものの、収束後のドタバタもちょっと怖かったりする、今日この頃です。

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