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孤独と希望を持ち合わせていこう
こちら読みました。
色々なことが書かれていて、すごく頭を使いながら読んだ感じです。
面白かったです。
エンパシーには種類があるというのが定説のようで、
増え続けるエンパシーの種類に新たなものが一つぐらい加わってもいいのではないか。
ということで、「アナーキック・エンパシー」について書かれていきます。
「アナーキック・エンパシー」。
これは、今の僕なりの言葉にすると、「孤独と希望を持ち合わせること」となる気がします。
細かく、詳しくのほうは是非本を読んでみてくださいませ。
エンパシー:希望
読みながら、「エンパシー」には、僕が考えていた「聴くこと」と共通項があるなー、と感じていました。
「他者の靴を履く」という言葉もそうです。
自分の靴を脱いで、他者の靴を履こうとすること。
それは、
「自分の価値観やフレームをわきに置いて、話す人の価値観、フレームから世界を見ようとする」
という僕が考えていた「聴くこと」に似ている気がします。
「エンパシーだいじ」論者は、認知的バイアスを外して、考え方を広げろと言う。
「エンパシーダメ」論者は、対象のスポットライトを絞らずに外して、視野を広げろ、と言っている。
「エンパシーは我々が一つではなく、複数の世界に住むことを可能にしてくれる」
-中略-
ここではない世界は存在すると信じられなければ、人はいま自分が生きている狭い世界だけが全てだと思い込み、世界なんてこんなものだと諦めてしまう。
「考え方を広げる」。「視野を広げる」。
「複数の世界に住むこと」。
こういったことは、「希望」だな、と思います。
狭い世界で苦しみを抱えていると、苦しみの濃度、密度が高まって、どんどんと苦しみに支配されてしまう。
でも、ここではない世界の存在を知っていれば、信じられれば、苦しみも溶けだしていく。
だから、「エンパシーを持つ」というのは、「希望を持つ」ということだと思います。
アナーキック:孤独
ニーチェの論では、エンパシーに長けた人々は空疎な「道具」や相手を映すだけの受動的な「鏡」になって自己を喪失する。
確かにそうかもしれない、と思いました。
完璧なエンパシーがあるとすれば、それは完璧な鏡であり、相手のありのままを映し出すことができる。
それは、言い換えれば「自己の喪失」となります。
そこで必要になるのが、「アナーキー」。
アナーキー。
あらゆる支配への拒否。
自分を手放さないこと。
こういうことに対して、どんなイメージが浮かぶでしょうか?
他者から勝手に押し入れられるカテゴリー分けの箱に入って、箱としての呼称のラベルを貼られ、「この箱の中に入っている人たちはこんな味がします」という中身の説明や、
「その味がするのはこんな素材が使われているからです」という原料リストをびっしり書き込まれることを拒否しなければ、
自分が自分であることを守るのは難しい。
本の中にはこんな言葉もあります。
箱としての呼称のラベルを貼られることを拒否すること。
原料リストの書き込みを拒否すること。
そうやって、自分が自分であることを守ること。
僕は、これはある意味で「孤独」なことだな、と思いました。
支配の拒否というと「自由」で、
ラベルの拒否というと「オンリーワンの輝き」のようなことも浮かんできます。
そこには、「自由」とか「オンリーワン」には、「孤独」があると思います。
誰からの支配もなく、どんなラベルも貼られない、どんなカテゴリーにも属さない「自分」を生きようとすること。
それは、「誰でもない自分を生きること」と言えるかもしれません。
「誰でもないたった一人の自分」。
その自分を守っていくことは、「孤独と共に生きていく」響きが含まれているように思います。
「アナーキー×エンパシー」:「孤独×希望」
著者は、「アナーキック」と「エンパシー」について、
繋げなくてはならないものなのではないか。
アナーキー(あらゆる支配への拒否)という軸をしっかりとぶち込まなければ、エンパシーは知らぬ間に毒性のあるものに変わってしまうかもしれない
と書いています。
「エンパシーはだいじ」論、「エンパシーの可能性」は確かにありますが、
「エンパシーはダメ」論、「エンパシーの毒性」についても本には書かれています。
そこで「アナーキー」をエンパシーと「繋げなくてはならないもの」と提案しています。
僕は、「繋げる」とは「持ち合わせておく」ということなんじゃないかな、と思いました。
「誰でもない自分を生きていくこと」と「ここではない世界を想像すること」。それらを持ち合わせておくこと。
そんなことが大事なんじゃないかな、と思います。
そして、それは「孤独」と「希望」を持ち合わせていくこと、とも言えると思います。
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