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わかっちゃいるけど、やめられないことをやめる唯一の方法
【やめたいことってありますか】
やめたいことは、あるだろうか。
ここでお伝えしたいのは、日常生活で大多数の方々が経験する小さな習慣に
多く見られる「やめたいこと」である。
ちょっぴり依存性があって、誘惑との戦いが強いられるもの。
甘いものが大好きだけど、ついつい食べすぎてしまう。翌日に体重計に乗るのがこわい。
翌日の仕事に差し障りがあるのは分かっているけど、ついつい朝方までオンラインゲームに没頭してしまう。寝不足で仕事に支障をきたしている。
家族には何度も何度も禁煙するように言われているけれど、隠れて真夜中にベランダでタバコを吸っている。次の健康診断の結果が心配だ。
いずれも緊急性はないものの、将来のことを考えるとやめたい、でもやめられないものはないだろうか。上記のようなことは、みなさんの日々の健康や日常生活に関わることでひとつやふたつはあるのではなかろうか。
喫煙のように自分自身にとってネガティブな影響があると分かっていても、人はなかなかやめられなかったりするものだ。
私は企業の現場に入って、従業員の心身の健康を支援する健康経営コンサルタントだ。
具体的には、みなさんが毎年受けているだろう健康診断やアンケート調査等のデータなどを分析して企業の人事担当とともに、従業員が生き生きと元気よく働ける環境作りを行うことがミッションだ。
だからこそ、プロフェッショナルの端くれとして健康に関する習慣を徹底することは人一倍気をつけているつもりである。睡眠、運動、食事といった正しい生活習慣を膨大に溢れる情報の中から取捨選択をして日々実践してきたつもりだ。
健康を少しでも害している人間に、組織の心身の改善のコンサルティングを受けたいとは誰も思わないだろう。
それだけ気をつけている私でもひとつだけ、 「わかっちゃいるけどやめられない」習慣がある。
【やめられない習慣とは】
それは、飲酒である。
決して記憶がなくなるほど深酒するタイプでもないし、もちろん酒席で人に迷惑もかけたこともただの一度もない。当然ながらいわゆるアルコール依存症といったステージにいるわけでもない。
飲酒をしている時間は気分が一時的に高揚するのだが、寝付きは決して良くないし翌日のコンディションにも悪影響がでる場合もある。
それでも一時的な気分転換を求めて、残業終わりの帰り道で寄ったコンビニで缶ビールを手にとってしまうのだ。
ここまで読んで、「なんだ、お酒が飲みたいなら飲めばいいじゃないか、他人に迷惑をかけていないのだし、健康を害しても自己責任だろう」と思った読者の方も少なくないだろう。
おっしゃるとおりなのだが、今の自分はせめてプロ意識を保つためにも、飲酒習慣を改善したいと考えている。
具体的には休館日、つまり全くお酒の飲まない日を作ることである。
そう思ったきっかけは、「しらふで生きる」という芥川賞作家の町田康氏の著作に触れたときだった。私は以下の一文に衝撃を受けた。
「確かに酒を飲むとき、自分はその楽しみを感じているはずだが、感じている主体が酩酊しているのだからそれが善きものという判断は極めて怪しいし、そのように考えてみれば確かに負債は大きなものである」
2019年 幻冬舎 町田康 「しらふでいきる 大酒飲みの決断」より
私は朝起きたときにその「負債」に気づく。それは昨晩ただ飲酒による漠然とした抽象的な楽しみでしかないことに気づくことだ。旧友と久しぶりに会って、楽しい時間を過ごしたといったような次に繋がるものではなく、一人で漠然と時間を浪費するために酒を飲んでいたことに気づいた。
長いサラリーマン生活の中で、ハードなストレスマネジメントに対応に苦慮する方は現代において少なくないだろう。ましてやこのコロナ渦の影響で働き方が大きく変わり、リモートワークの普及により、家庭の飲酒量が増えたという報道も目にした。
ひとりで、ただ何となく一時的な楽しみの時間、そして記憶にすらあまり残らない可能性のある時間を酒で重ね続けることに私は少し怖くなった。
お酒にかかるお金もそうだし、本来なら読書やセミナーなどの自己研鑽に充てられるような時間を浪費していたり、家族とのコミュニケーションに時間にも支障をきたしているような感覚に陥ったからだ。これを改善する方法を模索し、かなり長い間頭を悩ませることになった。
【唯一の方法とは】
休肝日を作り、有益な時間を創出する方法はないか。
わかっちゃいるけど、やめられない習慣の連鎖を断ち切る方法はないか。
一つだけ方法を思いついた。
それは、自分の意思に頼らないこと。
どんなに固い決意だったとしても、自分の意思というのは本当の脆い。
子供のころの夏休みの宿題も、初日は張り切ってとりかかっても、終盤には「息切れ」して期日ギリギリまで悪戦苦闘していた。
では、自分の意思に頼らない方法とはどうすることか。
たどり着いた答えは、「自分ではなく、他人との約束を守ること」を自分にルールとした。
具体的には、事前に休肝日であることを周囲に宣言してしまうのだ。
周りの目を意識すると、人の行動というのは変わるものだと認識することもできた。
最初は宣言することに抵抗があったが、休肝日は確実に増えてきている。
ここから学んだことは、ちょっと背伸びをするチャレンジは、周りとコミットしてしまうことで成功可能性が格段に上げるということだ。
みなさんもぜひ、二の足を踏んでいるチャレンジしたいことがあれば試してみてはいかがだろうか。
最後まで読んで頂き、ありがとうございます。 みなさんが生き生き健康に働けるためのメッセージを発信していきます。 ぜひサポート、よろしくお願いします。