【体の基礎】タンパク質が不調の回復に大事な理由とプロテインの取り入れ方
タンパク質は健康の基礎!
はじめまして、薬剤師の宮本です。
今回は、「健康・美容に大切なタンパク質」の内容を紹介します。
昨年あたりから、栄養療法の発信者が増えたことも関係してタンパク質を意識する方も増えました。
タンパク質がなぜそこまで注目されているのか、一緒に確認していきましょう。
この記事を読むことで
タンパク質の特徴や効率的な摂取方法を知ることで、毎日を元気で明るく過ごせるだけでなく、周りから注目される艶のある外見も手に入ります。
今回は
私たちの体に必要なタンパク質の理由
タンパク質不足で起きること
タンパク質の摂り方
このタンパク質には注意
の4つについて解説してきます。
それでは本題に入ります。
■私たちの体に必要なタンパク質の理由
なぜタンパク質を取ることが重要なのかについて説明します。
私たちの体は主に水分・タンパク質・脂質・ミネラルの4つの成分が組み合わさって、骨・筋肉・脂肪などの組織を作っております。
体を構成する主要成分のうち最も重いのは水分で、成人の体重の60%が水分です。
実はこの残り40%のうち約20%がタンパク質で構成されています。
タンパク質はギリシャ語で「第一の物質」という意味で体の土台を作る基本の栄養素となっており、不足することで健康から遠ざかることにつながります。
具体的には
筋肉の約80%
脳の約20%
腸の約65%
心臓の約60%
皮膚の約60%
骨の約30%
がタンパク質でできています。
そんなに私の体にタンパク質からできているのがあるんだと驚いた方もいるかもしれません。
【タンパク質の役割】
皮膚・毛髪・爪をつくる
骨・歯・筋肉をつくる
内臓(肝臓・胃腸など)をつくる
血管をつくる
血液をつくる
酵素をつくる
ホルモンをつくる
抗体・インターフェロンをつくる
また私たちが使っているエネルギーには3つあります。
糖質、脂質、そしてタンパク質になります。
この中で優先的に使われて、吸収されてから最も早くエネルギーに変わるのは糖質です。
この糖質が不足すると 脂質の脂肪やタンパク質もエネルギー源になります。
特に糖質と脂質が十分に摂取できていないと、タンパク質は体の構成に使われるのではなく、エネルギー源として利用されてしまいます。
これは非常にもったいないことです。
タンパク質の分解が高まってしまうと、生体機能が低下したり、筋肉量が減ってしまうこと、活動量も減ってしまうことにつながります。
そのため、食べ物からタンパク質を補いつつ、糖質や脂質から適切なカロリー量を摂取して、体内にあるタンパク質も減らさないようしていくことが大切です。
実際に、カロリー摂取量が多いほどタンパク質の利用効率が高くなった研究結果もあります。
タンパク質は私たちの体を作るだけでなく、消化に関係する酵素・体の機能を維持するホルモン・免疫に大切な抗体など生体反応に欠かせない物質の材料でもあります。
タンパク質不足は、内臓機能の衰えだけでなく免疫力、胃腸の消化力にも影響する悪循環になることもあります。
そのため、がん患者、甲状腺機能亢進症、ストレス亢進時、成長期の子供、妊娠期・授乳期の女性、アスリートなどはタンパク質の必要量が増えます。
今の自分がタンパク質不足になっていないか、チェックシートを作りましたので確認してみましょう。
【タンパク質不足のチェック】
肉や卵などはあまり食べない
野菜中心あるいは和食中心である
豆腐や納豆などの大豆食品(植物性タンパク質)ばかり摂っている
ご飯やパン、麺などで食事をすませてしまうことがある
成長期である
妊娠、授乳中である
ステロイド剤を使用している
スポーツをするあるいは肉体労働である
胃薬をよく使う
腕や太ももが細くなった
■タンパク質不足で起きること
日本人はどれくらいタンパク質が摂れていないのかというと、厚生労働省の調査によると2019年の1日あたりのタンパク質摂取量の平均値は 71.4gとされ1950年から1960年の時と同じぐらいの量なんです。
少し増加し始めてはいますが、減っている原因ははっきりとは分かっていません。
傾向としては、若い女性を中心に痩せ願望が強く、仕事の関係で朝食抜きの人が増えたり、昼はサラダだけそして過度に肥満を恐れて粗食にしてしまったり、健康志向が強すぎるがためにカロリーが高そうなお肉を避けたりしていることも要因の1つではないかなと考えられています。
ここからは、タンパク質不足で起きる症状について10種類お伝えしていきます。
1. 糖尿病になりやすい
甘いものの食べ過ぎで糖尿病になるんじゃないの?と思ったかもしれません。
なぜ、タンパク質が不足すると糖尿病になるかというと、筋肉が減ってしまうからです。
まだよく分からないと思いますので、ここから詳しく解説していきます。
私たちは歩いているとき、座っているとき、立っているときも筋肉の力を必要です。
その間に常に筋肉に蓄えてある糖を利用して、エネルギーを消費しています。
その筋肉が1、2年と年月を経て減ってしまうと、私たちが食事から余った糖を蓄える場所の1つである筋肉に蓄えられません。
筋肉が減ると貯金する場所が減ってしまうんですね。
代わりに脂肪になって体に蓄えられたり、それでも余った糖は血液中に残り続けます。
これが糖尿病になるきっかけとなるのです。
今、若い女性の痩せすぎによる糖尿病予備軍の増加が問題となっており、その理由の1つが筋肉量が減っていることで、糖を蓄える場所がなくっているからです。
それだけでなく、偏った食習慣によって糖質の多い生活をしていると血糖値の乱れを生じやすく、その度に消費できない糖が脂肪に変わってしまいます。
このようなことから、2050年には3人に1人が糖尿病になると推測されており
予防していくためにもタンパク質を摂取して、筋肉量を減らさないように意識していくことが大切になります。
また、タンパク質が足りないと甘いものが欲しくなりやすいことが知られています。
これには、さまざまな科学的理由があるのですが、特に多いのがタンパク質不足による消化酵素の不足です。
これによって、食べ物をうまく消化できずに排出されてしまいます。
食事からの栄養が摂れていないとエネルギー不足の状態となってしまい、それを補うために一番エネルギー源になりやすい糖が欲しくなる。
つまり、甘いものが欲しくなるという仕組みになります。
タンパク質をしっかり摂ることで腹持ちも良くなり、無駄な間食を減らすことができます。
糖尿病予防には、タンパク質を意識してみましょう。
2. サルコペニアになりやすい
サルコペニアとは、主に加齢により全身の筋肉量と筋力が自然低下し、身体能力が低下した状態と定義されており、「加齢性筋肉減弱現象」とも呼ばれています。
主に挙げられている症状は
転びやすくなる
頻繁につまずく
歩くスピードが遅くなる
青信号の間に横断歩道を渡りきれない
ペットボトルのキャップが開けにくい
手すりにつかまらないと階段を上がれない
疲れやすい
ふくらはぎや手首が細くなる
65歳以上の高齢者に多く、特に75歳以上になると急に増えるとされています。
その予備軍も多いとされ、20代・30代からすでに始まっていると言われ、生涯に渡って進行し続けていくものです。
年齢を重ねると運動量が減少していく傾向や成長ホルモンが減少する、さらにタンパク質が不足している方は 筋肉が作られる量よりもが分解される量の方が増えてしまいます。
40歳頃から普通に生活しても年に1から2%は筋肉が減ってしまいます。
何も意識せずに普通に生活をしていると筋肉が落ちてしまってサルコペニア予備軍になっていることもあります。
サルコペニアかどうかの簡単なセルフチェックできる「指輪っかテスト」があります。
椅子に軽く腰掛けて、両手の親指と人差し指で輪っかを作るようにして、利き足ではない足のふくらはぎを囲むように掴んでみてください。
その時に指が重なってしまう方はサルコペニアの危険度が高く、逆に指が届かない場合それぐらい太い場合はサルコペニアの危険度が低いと言われています。
もしも指が重なってしまった方は、栄養が足りない、運動量が足りない可能性がありますので要注意です。
3. 免疫力が下がる
免疫力には、体内に入らせない防御の免疫、体内に侵入した際に対応する攻撃の免疫、攻撃の免疫の行き過ぎを防ぐ調節の免疫の3つから成り立っています。
タンパク質はこのすべてに関係している栄養素です。
体内に入らせない防御の免疫に関係するのが、肌の構造、腸・鼻・喉などの粘膜です。
これらは、外から入ってくる異物の侵入を防ぐために大切な役割です。
そのため、タンパク質不足になって、この壁に少しでもひび割れが入っていたり、隙間が空いているなど場所ごとに壁の機能が弱っている箇所ができてしまいます。
その後、体内のある攻撃の免疫に関係する細胞たちもタンパク質で作られます。
タンパク質不足の状態では、免疫細胞の数を安定して維持することができません。
また、免疫の要とも言える抗体も、タンパク質不足だと抗体の準備も行えなくなり、免疫力の低下につながります。
こうなってしまうと、感染症にかかりやすい状態のまま生活してしまいますので、季節の変わり目に体調を崩しやすくなるのです。
4. 長生きできなくなる
健康で長生きするためには、タンパク質が大切です。
2008年の研究報告で、東京都小金井市および秋田県南外村(現、大仙市南外地区)に住む65歳以上の高齢者約1,150名の検査結果をもとに8年間の追跡調査中に何名が生存しているかを調べました。
その結果、タンパク質の栄養状態に関係する血清アルブミン値が高いと生存率が高く、逆に低いと生存率は低くなることが分かりました。
このことから、タンパク質の栄養状態が良いほど老化速度が遅く、疾病リスクも低いことにつながります。
血清アルブミン値は、年齢を重ねるにつれて低くなりがちなので、元気なうちから対策が必要です。
食べる力が弱くなっていきやすく、噛む力が少なく、消化しやすいものを選びがちです。
次第に粗食傾向になってしまってタンパク質不足になることはよくあることです。
長生きしたければ無理して肉を食べなさいという意味ではなく、3食の中で肉・魚・卵・大豆製品・乳製品を意識して食事するだけでも変わります。
タンパク質のとりすぎは、腎臓に負担がかっかることもあるため、細かい気遣いも必要になることは知っておきましょう。
5. 貧血になりやすい
タンパク質は、血液の中にあるヘモグロビンというタンパク質を作るのに関係します。
私たちが肺から吸った酸素を体の隅々の細胞まで届けるために、必要な物質です。
ヘモグロビンが減ってしまうと貧血症状で起こりやすい、朝起きづらい、動くとすぐに息切れがすることがあります。
若い女性では、偏ったダイエットによって、または生理で血液が失われる度に、タンパク質不足になるため、体がだるい キレやすい、無気力といった症状に悩むことがありますから要注意です。
6. シミ・シワが目立つ
肌は、ケラチン・コラーゲン・エラスチンといったタンパク質からできています。
その材料となるタンパク質が不足してしまうと、肌の生まれ変わりに関係するターンオーバーが遅くなります。
そうすると、肌の細かいシワが残ってしまったり、シミが蓄積して目立つようになってしまうのです。
肌のターンオーバーは、年齢を経るごとに延長されることが知られていますが、タンパク質不足はさらに助長させます。
若々しい肌のために、化粧品を揃えるのも大切ですが、肌は内側から出来上がることも忘れてはなりません。
特に、肌に栄養が行き渡るまでには、他の場所での栄養不足が解消されていないといけないことが多いです。
つまり、肌へ栄養が十分に行き渡るまでの優先順位が意外と低いということです。
肌の本来の機能は、異物が多い外側の世界から、内臓などがある内側の世界を守る壁となるのが大切な役割です。
それが最低限できているのであれば、ターンオーバーを延長してでも、他の場所にタンパク質を使った方が体としては効率がいいのです。
肌のターンオーバーは若い人で1ヶ月、年齢を重ねるにつれて2、3ヶ月と延長していくためです。
肌の状態を良くする目的で、タンパク質を摂取するのであれば、2、3ヶ月先に効果が現れると思ってもいいくらいです。
ターンオーバーが延長すると、月1のケミカルピーリングをされる方もいます。
ピーリングされることで、肌の表面の角質が落ちることが刺激となって、肌がターンオーバーをしようとします。
しかし、それも体の内側からの栄養があってこそ新しい肌へ生まれ変わることも頭の片隅に入れておきましょう。
7. 髪の毛が薄くなる
肌と同様に髪の毛もケラチンというタンパク質からできています。
タンパク質不足になると、このケラチンも少なくなってしまい、髪の毛が細くなったり、抜け毛や薄毛につながることもあります。
髪の毛が細くなるのは、頭皮環境の影響もありますが、十分な栄養が行き渡っていないことが考えられます。
髪の毛が抜けるのは一瞬ですが、育つのには時間がかかります。
髪の毛には、成長期・退行期・休止期があり、毛が抜けてからまた生えてくるまでに約3ヶ月はかかります。
例え生えてきても、太くしっかりしたコシのある髪が生えてこないと、成長期の3〜6年間毛が伸び続けることができずに、ちょっと生えてきて数ヶ月で抜けてしまうこともあります。
髪の毛は、肌と同じように体にとってタンパク質を行き渡らせる優先順位は低いと思ってください。
時間がかかることを前提で継続してタンパク質を摂取しつつ、その他に必要な栄養素や薄毛の原因となっている習慣の見直しをしていきましょう。
8. 爪が脆くなる
爪は、肌の角質細胞が変形してできたものになります。
肌と同じケラチンと呼ばれるタンパク質からできており、爪の状態は肌の状態ともつながっています。
タンパク質が不足すると爪がもろく割れやすくなったり、剥がれて二枚爪になることもあります。
肌や髪の毛と同様に爪は体内の状態がわかりやすい場所でもありますので、このような症状があればタンパク質不足を疑いましょう。
爪に艶が出てくれば、それは肌や髪にも艶が出てくるサインです。
爪が完全に生え変わるまでには、1年近くかかります。
すでに爪の状態が全体的に、ガサガサしていたり、脆くなっている場合には1年以上前からタンパク質不足だったサインの可能性もあります。
時間がかかりますがコツコツと継続していきましょう。
9. メンタルが弱くなる
タンパク質は心の状態にも影響を及ぼします。
私たちの心の状態に影響を与える物質がいくつか知られています。
やる気や興奮を引き起こすドーパミン・アドレナリン
気持ちを落ち着かせるGABA
その間で調整に関係するセロトニンがあります。
タンパク質不足になるとこれらの物質の材料が不足してしまうので、全体のバランスが崩れていき、集中力や判断力が低下したり、イライラやうつ病などの精神症状を引き起こしていきます。
人間関係がギクシャクしやすかったり、ストレスで落ち込んでしまったり、不眠・体のだるさ・やる気が出ないといった症状はタンパク質不足のサインかもしれません。
10. 太りやすくなる
最初の糖尿病とサルコペニアの内容ともつながりがあるのですが、タンパク質不足になると太りやすくなります。
その理由は、筋肉に蓄えられる糖の量が、タンパク質不足を補うために筋肉量を減らしてしまいます。
そうすると、筋肉の量が減るので糖を蓄える場所が減っていきます。
筋肉に貯蓄できなかった余った糖は、脂肪に変換されていくのです。
つまり、タンパク質不足になると、筋肉が減っていき、糖が脂肪に変わりやすくなるということです。
太りにくくするためには、筋肉のたんぱく質を使わなくてもエネルギーを十分に補うことが大切です。
それは、糖質や脂質を必要なエネルギーの分だけ摂取することと、筋肉を作るためのタンパク質の両方を食事で意識していきましょう。
筋肉量が増えれば、体重は増えます。
脂肪よりも筋肉は見た目が同じ大きさでも密なため重くなるからです。
そのかわりに見た目は健康的でスラっとしていきます。
運動も併用していけば、より筋肉や動いた分のエネルギーも気にするようになるので取り入れても良いでしょう。
■タンパク質の摂り方
ここからはタンパク質の取り入れ方についてです。
不足するとさまざまな健康問題があることはわかりました。
実際に、どれくらいのタンパク質を毎日摂取すれば良いのでしょうか。
体を健康に保つには、1日当たり体重1kgにつき1~1.5g程度のタンパク質が必要といわれます。
例えば、体重60kgの人は1日約60~90gのタンパク質が毎日必要
体が必要とするタンパク質の量は、年齢やストレス(精神的なもの、寒さや暑さ、筋肉トレーニングなど)などによって増えていきます。
ここからは、タンパク質の効率の良い取り方を5つ解説していきます。
1. 3食に分けてタンパク質を摂る
効率の良いタンパク質の取り方1つ目が3食に分けることです。
まずは1日に必要な量をしっかりと理解しましょう。
私たちが筋肉を維持して体のさまざまな機能が円滑に働くためには、毎日どれくらいのタンパク質を摂取すれば いいと思いますか?
厚生労働省の日本人の食事摂取基準が定めている
1日の推奨量は50歳の男性で 65g
50歳の女性では50gとしています。
しかし タンパク質の必要量というのは年齢や日中の活動量によって大きく異なります。
例えば、1日中椅子に座ってデスクワークの人と1日中体を動かして働いている人だったら、タンパク質の摂取量が違って当然ですよね。
こちらが1日に必要なタンパク質摂取量の目安になります。
一般的な方の場合は1日あたりのタンパク質摂取量の目安は1〜1.5g×体重
例えば、50kgの方でしたら1日50〜75g摂っていきたいということです。
この数値を3食に分けて約17〜25gずつ摂っていくようにしましょう。
体を動かしている方は、タンパク質を補っていても気づかないうちに筋肉が逆に減ってしまうことがあるため、運動量・摂取エネルギー量・タンパク質の量のバランスを意識していきましょう。
また、年齢が重なると消化する力が弱くなっていくため、その分だけタンパク質を含めた栄養の吸収率が落ちてしまいます。
そんな理由から、年齢が高めな方は少し多めに取るという意識を持っておきましょう。
ここまで説明すると、今自分が食べている食材にどのくらいタンパク質が入っているのか気になると思います。
最近では、食品の裏面にある成分表示が細かく記載されるようになったり、表面にも糖質・タンパク質・脂質が何gと書いてある商品も増えました。
大まかな目安とされているのは、肉・魚・卵・大豆製品・乳製品などを手のひらに乗るくらいの量がタンパク質20g相当だとされています。
また参考程度に、皆さんが食べる機会が多そうな食品で摂取目安を提示します。
【タンパク質の摂取目安】
100gのロース、切り身の魚1切れでタンパク質が約15g
卵1個、納豆1パック、小分けの豆腐1丁でタンパク質が約7g
どの食品からタンパク質を摂取するかで、たまに議論になったりするのですが、最初はあまり気にしなくて良いと私は思います。
肉類は、赤み肉を避けて、豚や鶏の方がいいとか
魚類は、大型なマグロとかよりも、小魚の方がいいとか
卵・大豆製品・乳製品は、アレルギーになりやすいとか
いろんな科学的な根拠のある意見を聞き入れすぎると、もう何も食べられなくなってしまいます。
なので、まずはタンパク質を1食に必要な分を食べることだけを優先しましょう。
2. タンパク質はいろんなものを食べる
実は、タンパク質には大きく分けて動物性と植物性の2つの種類があります。
先ほど、タンパク質を何から取り入れるかをあまり気にしなくていいとお伝えした。
この動物性と植物性のタンパク質に偏りがない方が、アレルギー・生活習慣病関連の疾患・大型魚類に多い有害な重金属などのリスクを減らすことにもつながります。
これは、タンパク質を含む食品だけでなく、すべての食品にも言えることだと私は思っています。
ある1箇所の農家からのみ野菜を調達していくと、自然環境に何かしらの変化があったことに気づかずに、有害なものを摂取し続けてしまうかもしれません。
それを2、3箇所からローテーションするように野菜を購入すれば、1箇所の農家で自然環境の悪化が起きていることに気づかなくても、私たちは最初のときと比べてリスクは1/3になります。
このように、選ぶタンパク質も動物性・植物性関係なく取り入れることで、諸品ごとの気になる健康リスクを下げることにつながるというわけです。
とはいえ、動物性のタンパク質の方が、私たちも動物ですので体に必要なタンパク質が構成するアミノ酸を多く含んでいるのも事実です。
また、植物性のタンパク質は、納豆や豆腐のような大豆製品を思い浮かべやすいのです。
実は、ブロッコリーやアスパラガスなどにもタンパク質を豊富に含まれています。
これ意外と、栄養士さんでも忘れている方が多いです。
しかし、昔何かのドラマかアニメか写真で見たことがあるのですが、筋トレしている人がブロッコリーをたくさん食べているシーンがあります。
あれは、タンパク質を摂っていたんですよね。
ちなみに生卵の流し込みは、昭和の負の健康法の1つだと思っていますのでオススメしません。
植物性のタンパク質の良さは、動物性と違って脂質の量が少ないので、胃もたれもしにくくヘルシーです。
ビタミン・ミネラル・食物繊維・抗酸化物質も含みますので食べていくメリットは大きいです。
ぜひ、動物性・植物性を組み合わせて食べてみましょう。
料理のレパートリーも増えるはずですから、きっと続けられると思います。
3. 糖質と脂質も減らしすぎない
タンパク質を摂っていても体の中で活かせないと意味がありません。
さらに言うと、タンパク質をエネルギー源にしてしまうのではなく、体の機能を活かす物質に変化してもらうことが大切です。
お金のように、タンパク質をひたすら消費するのではなく、貯蓄か運用してもらうイメージです。
貯蓄か運用してもらうためにはエネルギーが必要で、それを糖質や脂質にまかせましょう。
実際に、エネルギー源がある方がタンパク質の利用効率が高まると言う研究報告もあります。
そうなると、今まで糖質制限をした方がいいと思っていた方も多いかもしれません。
現代の食習慣から見ると、糖質制限すること悪いとは言いにくいですが
そんな方もエネルギーをどこから生み出すかと言う視点も非常に大切です。
1日60g以下の厳しい糖質制限や1日130以下の緩やかな糖質制限では、死亡率が高まってしまうと言う報告もあります。
なので、ここで大切なのは普段の食事の糖質は、食べないのではなく、工夫することを意識してみましょう。
白米ではなく、雑穀米や玄米にしてみる、パンも全粒粉入りのものを選んでみるといった工夫をしてみましょう。
また、糖質制限をするのであれば、おやつ・飲料の糖質を減らすようにしましょう。
1日の糖質の量が増えすぎても健康には良くないので、食事では食べる、または間食も含め計算して減らす工夫が必要だと私は考えます。
糖質はエネルギーの即効性がありますが、脂質については腹持ちに影響します。
マーガリンやショートニングのような健康に良くないトランス脂肪酸を避けて、オリーブオイル・MCTオイル・ DHA/EPAなどの健康に良いとされる油を適量取り入れることは悪いことではありません。
4. タンパク質に関係するビタミン・ミネラルも取り入れること
タンパク質の効果を高める他の栄養素も一緒に摂っているとより、タンパク質不足の影響を減らすことにつながります。
簡単にですが3つ気にしてみてください。
・ビタミンB群
ビタミンB群は、タンパク質をいろんな物質に変える際の触媒の役割があるため、不足してしまうとせっかくのタンパク質が体内で活かせないことになります。
その中でも特にビタミンB6は重要なので気にしてみましょう。
・ビタミンD
ビタミンDは、タンパク質の働きを活性化してくれるビタミンです。
骨や筋肉を作るのにも大切になります。
実は、骨もタンパク質ででおり、骨の約30%がコラーゲンというタンパク質です。
ちょっと意外ですよね?
・亜鉛
亜鉛も、タンパク質から体内で物質を生み出す際の触媒になるミネラルです。
髪の毛や皮膚の傷を修復したりするのにも大切になりますので、男性だけでなく女性にも鉄の次に摂ってほしいミネラルです。
5. プロテインも使ってみる
最後に、タンパク質を摂る方法としてプロテインにも注目が集まっています
運動する、しないに関係なく健康維持のためにプロテインを飲んでいる方も増えてきました。
食事からタンパク質を摂ることが難しい方にもオススメです。
プロテインを選ぶ際には、動物性のホエイか植物性のソイを選んでみてください。
動物性のホエイプロテインは、牛乳や卵を原料とするものが多いです。
ほとんどは牛乳が原料となっており、 吸収効率が良く、筋肉量を増やすのに適しているとされています。
植物性プロテインのソイプロテインは、大豆を原料としており、腸からの吸収速度がゆっくりなので、腹持ちがよく、ホエイプロテインよりも脂肪燃焼効果が高いとされています。
間食が多い方やダイエットしたい方には、ソイプロテインもオススメです。
他にも動物性のカゼインもあるのですが、アレルギーになりやすいことからできる限り避けるようにしましょう。
またプロテインの成分を見ていただいて、タンパク質だけのものではなく、しっかりと生かすための栄養素であるビタミンB群(特にB6)を含むものを選ぶようにしましょう。
タンパク質だけのプロテインを飲み続けた結果、ビタミンB群不足が進行して、なんともいえない疲労感が続いた症例も聞いてます。
もしも、プロテインを飲んで、お腹が張るならそれはタンパク質の消化がうまくできてないサインです。
プロテインの量を減らすか、酵素・発酵物質を含むプロテインを選んで消化を補ってもらうか、タンパク質から既にアミノ酸まで分解されているものを選ぶのも良いでしょう。
プロテインは添加物が多いものもありますので、成分表記を見ながら少ないもの選ぶことも忘れないようにしましょう。
このように、タンパク質は私たちの健康な体づくりの基礎となる大切な栄養素です。
なのにもかかわらず、常に消費してしまい、蓄えることも難しい日本人が多いのが現状です。
タンパク質を効率よく利用するためには、その他の栄養の状態も大切になっていきます。
今回も最後までご覧いただき、ありがとうございました。
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