見出し画像

vol.1 LADY FLASH インタビュー「2010年前後の日本は所謂インディーポップなバンドは本当に少なかった」


LADY FLASHは2007年ごろに大阪で結成されたロックバンド。結成から10年以上が経った現在も精力的に活動中だ。
だが彼らが過去に台湾の伝説的インディロックバンド透明雑誌と初来日ツアーで共演したことや、現Wallflower、Juvenile Juvenileの土屋氏と"The Radio Dept.がSlowdiveを演奏してるような質感"のインディポップバンドをしていたことは今ではあまり知られていないのかもしれない。
今回LADY FLASHの歴史と彼らの青春時代を振り返る事で、2010年代初頭の関西インディロックシーンの存在と、そのメンバー達が今なお現役で素晴らしい音楽を鳴らしていることを、より多くの人に知ってもらえたら嬉しい。

インタビュアー植野(HOLIDAY! RECORDS)
回答 nicoflash(LADY FLASH)




「当時通っていた大学でバンドコンテストがあったんですが、それの賞金狙いで組んだバンド」


ーーさっそくですが、LADY FLASHはニコちゃんが何歳のころ、何年に結成されましたか?
どこでどのように結成されたのかも教えてください。

2007年ごろに結成しました。
当時通っていた大学でバンドコンテストがあったんですが、それの賞金狙いで組んだバンドです。
よくあるボーカル、ギター、ベース、ドラムの4人組。
準優勝したことに気を良くしてもう少しやってみようとなったんですが
ボーカルが脱退したため3ピースになり、
それを期にバンド名をLADY FLASHにしました(変更前は湘南乃風みたいな名前)。

ーーその時はニコちゃんはボーカルじゃなかったんだ。
もう13年も前なんですね!

やってない時期もあったんですが前身含めトータルそれくらいですね。

ーーLADY FLASHのバンド名の由来はThe Go! Teamの曲名からってほんとですか?

そう、曲名からです。
The Go! Teamを知ったのはレコード屋さんで「De La SoulとSonic Youthが合体してJackson5が歌ってる」ってポップがあってそんなわけないやろって試聴したらまんまそんな感じでぶっ飛ばされた。
その時聴いた曲がLADY FLASH。ええやん 次にバンドやったら絶対この名前にしようと。
ジャンルに縛られず色んな事がしたいという思いも込めて拝借しました。



ーー結成当時はどのようなバンドとよく共演していましたか?
またどこのライブハウスで演奏する事が多かったのでしょうか?

今も活動しているバンドでいうと空きっ腹に酒やギャーギャーズです。
超初期に難波ロックライダーや天王寺ファイヤーループで対バンしましたね。
NINGENCLUBと出会ってからは梅田ハードレイン、扇町para-dice、難波ベアーズ等に出演するようになりました。


※梅田ハードレインで演奏するLADY FLASH(2010年)



ーー難波ロックライダーは現在の難波meleですね。
NINGENCLUBは現在Post Modern Teamの岸田さんがそれ以前にやっていたバンドですね。
NINGENCLUBに影響を受けて、今も繋がりの深いその辺のライブハウスに出ることになったって事ですか?


そうですね。学生の頃からNINGENCLUBの活動は音源を通して知っていて憧れていました。
なのでNINGENCLUBがよく出演していたライブハウスに音源を持っていって出演したという感じでしょうか。
同時期ぐらいに岸田さんと出会うのでその辺は曖昧ですが・・・。


ーーちなみにNINGENCLUB以外に当時つるんでいた仲の良いバンドというと?

仲が良くて初めての企画に呼んだりしたのはmonochrome chocolateや僕と機械な仲間たちです。
僕と機械な仲間たちはナカツカさんという方がソロでやってました。
現在はゴールデンローファーズでキーボードを担当されてます。


※こちらが2010年に開催されたLADY FLASHの初の主催イベント

2010/2/14(日)扇町パラダイス
『ずっと夏休み』
LADY FLASH / 僕と機械な仲間たち / monochrome chocolate / シティポップ・グループ / (O.A)Motoi Kaori team

※この日のLADY FLASHの映像



別の日ですが、monochrome chocolate 2010年の映像。



※2011年には二回目の主催イベントを行っている。

2011/10/8 (土)南船場 地下一階
『ずっと夏休み2』
LADY FLASH / THE CREAMS / NOKIES! / PURPLE  / JUNKBOYZ(O.A)



「2010年前後の日本は所謂インディーポップなバンドは本当に少なかった」


ーーニコちゃんとハッピーくん(LADY FLASHのDr.) はLADY FLASH以外の課外活動も盛んだと思うのですがこれまでにそれぞれ参加していたバンドを教えてください。以前に現Wallflower、Juvenile Juvenileの土屋くんとPastel Blueというバンドもしていたと聞いたのですが。

LADY FLASHを結成した後にメンバーとしてちゃんと関わったのがPastel blueです。
よくライブに遊びに来てくれていたハッサン(Ba、Vo)が土屋くんとバンドを組む旨を知り、
ギターとドラムを募集していたので当時monochrome chocolateに在籍していた飲み友達ハッピー(Dr)を誘い加入しました。



ーーちなみにPastel blueに加入したのは何年くらい?

ん〜詳しく覚えてないんですが2009年~2010年辺りですかね・・・。

ーー土屋くん(Wallflower、Juvenile Juvenile)と出会ったのは
Pastel Blueがきっかけですか?

そうです、土屋くんとはハッサン経由で出会いました。
Pastel blueのデモ音源を聴いた後にスタジオで会いました。

ーー土屋くんはPastel Blue以前もバンドはしていたんでしょうか?

どうでしょう、大学のサークルで色々とバンドはやっていたはず。
Televisionのコピーをやったとか言ってたような。

ーー当時Pastel blueのデモ音源を聞いた印象はどうでした?

早々に加入を決断した理由はその時に試聴した土屋くん(Gt,Vo)のデモ音源がとても良かったんですね。
まるでThe Radio Dept.がSlowdiveを演奏してるような質感。
今ではすごくポピュラーですが2010年前後の日本は所謂インディーポップなバンドは本当に少なかったし、
ライブハウスではそういう感覚を持った人にあまり出会わなかったので新鮮でした。

ーー2010年前後というと今から10年前ですね。。
The Pains Of Being Pure At Heartの1stが2009年。
The Drumsの1stが2010年なのでその辺のバンドと同時進行ですね。
逆にその当時、「そういう感覚を持った人」は強いて言うなら、どんなバンドがいましたか?
周りにはいなかったのでしょうか?

誤解のないよう言いますと当時のライブハウスは"関西ゼロ世代"の影響下のバンドが多いイメージで自分たちも例外ではなかった。
なので現行の海外インディーとシンクロするような音源は驚きましたね。
完成度もめちゃくちゃ高いし。
ほかに周りでいうとthe circletsというバンドがstereolabみたいで好きでした。

※the circlets 2010年の映像。


ーーその後のPastel Blueについて教えてください。

その後ハッピーが抜け新メンバーを加え音源出したりツアーもしたんですが活動休止。

※2011年にsugardropとのスプリットCDをHigh Fader RECORDSから
リリース

画像1



しかし数年経ってからハッサンがsoundcloud上にアップしていたソロ音源が最高で。それを演奏するために初期Pastel blueで新しくバンドをやろうとなり、バンドのイニシアチブを土屋くんからハッサンに移す形でOther Too Pure Songsを結成しました。
それぞれにバンドを掛け持ち(僕はLADY FLASH、土屋くんはWallflower、Juvenile Juvenile、ハッピーはPost Modern team.)していたというのもあり
7インチとコンピ参加、ライブ数回しかせず活動休止しました。

※2015年リリースのOther Too Pure Songsの音源



ーーなるほど!そういった経緯だったんですね。。!
当時Other Too Pure Songsの数少ないライブが見れたのは貴重なことだったんですね。笑

貴重でしたね。笑
まだ音源化していない曲があるのでいつかまた録音できたらなと考えています。


「バンドやめようかなと思ってた頃なので大きなターニングポイントです。」


ーーPastel blueが現役だった時から数年して、
THE FULL TEENZやAnd summer clubといった
インディーロックを嗜好するバンドが現れて
LADY FLASHと仲を深めていったと思うのですが、
彼等には当初どんな印象がありましたか?
何か感動のようなものがあったとしたら教えてください。


まだ面識がない頃にTHE FULL TEENZ伊藤くんから企画ライブに出てほしいと連絡が来て。その出演者のなかにAnd Summer Clubもいました。
まだみんな大学生で、僕らみたいな大人が出て浮かないかなと思ったのですがその日のイベントがめちゃくちゃ楽しかった。
もうみんなディストーション踏んだだけでうぉーってなるわけですよ。客も演者も大暴れ。
それを見て音楽に対して変に凝り固まってた自分の頭がぶっ飛ばされました。自分もこうやったなと。忘れてた音楽の初期衝動みたいなんが蘇りましたし、何か新しい流れが出てきそうな気配もあって。
バンドやめようかなと思ってた頃なので大きなターニングポイントです。
この2つのバンドには感謝しかありません。


※大きなターニングポイントになったというのが
2013年に行われたこちらのイベント。

2013/11/16(土) @リンキーディンクスタジオ京都
「MIDSUMMER SPECIAL! vol.2」

LADY FLASH
My Cake Your Nerds
fULLHOUSE
THE FULL TEENZ
sprintklub
And Summer Club


インタビューの続きはこちら
vol.2
https://note.com/holiday_records/n/nca4d088858ed

LADY FLASH インタビュー vol.1

https://note.com/holiday_records/n/n295895025df5

LADY FLASH インタビュー vol.2

https://note.com/holiday_records/n/nca4d088858ed


LADY FLASHのCDはこちらから購入出来ます。

LADY FLASH / デジタルな神様
https://holiday2014.thebase.in/items/8628985

LADY FLASH / 恋するビルマーレイhttps://holiday2014.thebase.in/items/2626541



HOLIDAY! RECORDS
【Twitter】https://twitter.com/holiday_distro
【Instagram】https://www.instagram.com/holiday_records/
【shop】http://holiday2014.thebase.in/
【spotify】https://open.spotify.com/user/holiday%21records?si=4v_2DJWdTJ2qsDEDv1mBBw
【note】https://note.com/holiday_records
【soundcloud】https://soundcloud.com/holiday-records


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?