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ディズニー②

まず、ディズニーのブランド力を築き上げた一つの要素として、キャストと呼ばれる人達があげられます。

一般的にはスタッフと呼ばれる人達をキャストと呼ぶことで微妙なニュアンスのずれが作り上げられているのは共感して頂けるかと思います(スタッフ=マニュアル人間 vs. キャスト=主観性、独自性を持った個人)。

では、このような独自性の高いキャストの世界観はいかにして作り上げられたのでしょうか。

この疑問を解いていくにあたっては、オリエンタルランドがキーとなります。

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オリエンタルランドは元々商業地・住宅地の開発と大規模なレジャー施設の建設によって、国民への文化・厚生・福祉に寄与するという目的で1960年に設立されました。

そして、高度経済成長期の波に乗り、事業を拡大していく中で、1979年に東京ディズニーランドの、そして1996年に東京ディズニーシーの設計、建設、運営に関する業務提携の契約をディズニー社との間に結びました。

提携締結後、オリエンタルランドはトップ(堀貞一郎氏)の指示の下、自社から何年にもわたり研修員を本場である米国へ送り込み、ディズニーランドの歴史、テーマショーの性質、運営知識など基礎から応用まで学ばせ、そこから膨大な量のパークの運営マニュアル、キャストのコスチュームなどを作り上げました。

そして、運営にあたり大量のアルバイトの従業員(以下キャスト)を採用し、当時は画期的だとされていた精神面の人材育成に重きを置いた導入教育を行いました。

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このキャストのあるべき姿は"顧客に最高のサービスを提供し、喜んでもらう事である"という、ある一種の洗脳教育によりキャストをTDL(東京ディズニーランド)で働くにふさわしい精神状態にし、オリエンタルランドはキャストの独特な世界観の形成に成功しました。

さらに、そうしたマインドセットにより、キャストらは自ら顧客の声を拾いマニュアル変更を加えるなど、より日本的なサービスのスタイルを確立していき、ある意味”マニュアルを超えていく”といった思想を兼ね備えたキャストを育成できる環境を作り上げました。

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以上の事を考慮した際に見えてきた結論として、まずディズニーのキャストによる独特な世界観が初めからトップダウンで戦略的に作られてきたものであるのならば、他の企業等でも似たような結果を残すことは可能なのでないでしょうかという事です。

また、トップが理念を打ち立て(存在目的)、従業員に自発的な行動を促すこと(サービスのセルフマネジメント)は革新的であり、ティールと共通する部分もあるとも言えるかもしれません。

皆さんはどう思いますでしょうか。

組織論、ディズニー編次回へと続きます。

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