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フリーランスの産業医は、訪問時間外にやることがいっぱい。その手間を減らすためには?

常勤の産業医の先生であれば、勤務中に企業の担当者の方とやり取りをする機会も多いので、訪問時間外に業務が発生することはあまりないのではないかと想像しているのだが、嘱託の産業医は、訪問時間以外の時間に、別の企業さんの訪問もしながら、移動、企業さんとのやり取り、追加の面談、書類の作成など、意外とやらなくてはいけないことが多い。ここのやりくりがうまくできるかどうかが、嘱託産業医の働き方に大きく影響する。実際に、フリーランスの産業医は、個人の請負事業なので、訪問していない時間に、自分でマネージメントなどもしなくてはいけないし、替えがきかないわけだから、会社に勤めている人と同じ速度で対応することは難しい。そのことは、請負先に丁寧に説明して、分かっておいてもらうことが重要である。

フリーランスの産業医が企業に訪問した時にどんなことを行うのかというと、職場巡視、安全衛生委員会、衛生講話、産業医面談などがあげられる。この中で、絶対に、現地でやらなければならないものは職場巡視だけで、しかも、最近は、産業医が立ち会うのは2か月に1回でもよいということになっている。まあ、オフィスであればそれでもいいと思うが、工場の場合は、毎月職場巡視したほうがいいだろうと個人的には思う。職場巡視以外の業務に関しては、オンラインで開催することも不可能ではないが、私はできるだけ訪問するようにしている。

一見、オンラインでやれば移動時間を短縮できるから、そのほうがやりくりが簡単にできるじゃないか。という、考えも一理あると思うが、私は、できる限り直接、訪問する形にしてもらうようにしている。そのほうが、やり取りする中での認識の齟齬が小さくなり、トラブルが発生しづらくなるので、実は、訪問外の業務が減る。さらに、訪問して丁寧にやり取りをすることで、信頼関係ができていると、普段のコミュニケーションでも、自分の意見が良い意味で受け取られやすくなり、スムーズになるのである。

もちろん、そうはいっても、移動時間の短縮も重要である。私は、同じ日に複数の企業を訪問する場合、遠くてもいいから、同じ沿線になるように組み合わせている。これは、乗り換えのないまとまった移動時間を取ることで、メールを確認したり、調べ物をしたり、寝たりする時間に充てられるからである。むしろ電車の中でまとめてするように心がけたほうがいいかもしれない。

また、業務量を減らさずに、訪問の回数を減らすために、追加で訪問をお願いされた際には、次回の定期訪問の延長でも構わないかを確認する。緊急でやらなければならない業務は実はあまり多くなく、逆に情報収集したり、状況を整理することで、解決することもあるので、慌てずに対応するほうが、いい場合も多い。企業側に、訪問の時に延長で対応するというやり方を理解してもらえれば、お互いの手間が減らせる。さらに、定期訪問の延長の実績が積み重なると、定期訪問自体の時間を長くしようという話がでてくる。実際にやるべき業務が多いのであれば、これを目指すのが良い。定期訪問の滞在時間が長くなると、余裕のある日も出てくると思うが、そういう時は、普段できなかった面談や、相談、情報収集などに使えば、より効果的な業務ができるようになる。バッファーはある程度あったほうが、結局は、お互いのコスベネフィットがよくなるのである。

つぎに大きく時間を取られるのが、書類の作成である。これに関しては、出すことが重要なもの(報告書)は、最低限の時間で作成し早めに提出する。一方、内容が重要なもの(意見書)は、ある程度時間をかけて、トラブルにならないように、手順や責任の所在などの要点を抑えつつ、専門的な視点で役立つ参考意見を書くようにするのがコツである。不必要な業務を発生させないようにしつつも、どうすればいいかの選択肢がわかりやすく提示することで、信頼を得られるように意識している。丁寧にやるべきことを見極めて、そこに時間をかけることが、結局はリスクヘッジであり、結果として、余計な業務を減らすことにつながるのである。

それから、外出先での隙間時間を活用できると、ボールを早く返すことができ、物事が煩雑にならずに済む。そのためには、リモートで仕事をする手段をたくさん持てることが重要である。また、リモートで仕事を行う場合に、訪問時間内で作業時間が取れればいいが、そうでない場合は、次の移動先に向かってからする方が良い。電車の遅延等のトラブルに巻き込まれる確率が減るし、ギリギリまで作業できるので、作業時間を最大化できる。企業さんからもらった資料や、衛生講話の資料などは、送られてきたら、いったんローカルに落としておくことが重要で、ダウンロードしなくても開けられると、必要な時に通信ができなくても準備することができ、慌てなくて済む。そして、書類作成や、メールでのやり取りなどは、喫茶店やファミレス、いっそ公園のベンチでもできるが、オンライン面談となると、そうもいかない。そこで、普段私が使っているおすすめのリモートワーク環境をランキングでご紹介する。

第1位 ステーションワーク
 首都圏なら割とどこにでもあって便利、スマホで予約して使える、値段もそこまで高くない。wifi、電源はもとより、照明や冷房、モニターもある。改札を出なくても使うことができる場合もある。出先でリモート会議をするなら間違いなく第1位である。

第2位 快活クラブ
 もう少し、のんびり仕事をしたいとすれば快活クラブがおすすめ。防音の個室ブースになっており、実質、狭いビジネスホテル。ドリンクバーもあるし寝れる。そして、ホテルほどは高くない。気になっている漫画も読める。

第3位 おしごとパセラ
 複数人で仕事をしたいとなったら、ここがおすすめ。1時間に1杯ドリンクがついてくるので、実は結構お得。

ということで、ほんの一例にすぎないが、私の仕事について話させていただいた。フリーランスで働く人全般にお役立ていただける内容になっていると思うので、ぜひ参考にできるところは参考にしていただき、フリーランスワークの質を向上していただければ、幸いである。

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