北斗柄

物理屋の尻尾がある占い師です。

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最近の記事

紫微斗数における飛星と方位への応用

はじめに近年の台湾と香港での紫微斗数のブレイクには、技法上の大きな革新が背景にあった。それが飛星の技法である。飛星を用いることで紫微斗数の行運観法は十干の影響を取り入れることに成功し飛躍的に進歩した。 本論においては、紫微斗数における飛星の技法を簡単に概説し十二宮の中で移動の方位の意味を持つ兄弟宮と遷移宮からの飛星を使った個人別の吉方位の算出について述べる。

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    • 六壬雑格

      はじめに六壬にも四柱推命と同様に雑格がある。ここでは占事略决では取り上げられていないが、畢法賦で取り上げており重要と考えられる雑格をとりあげる。亨通格、殃咎格、引従格の3つである。そして間伝格を合わせた4つについて4つそれぞれを細かく説明して行く。

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      • 太白陰経遁甲巻注解

        はじめに太白陰経は正しい名称を「神機制敵太白陰經」という兵法書である。著者は李筌で、本籍不詳、生没年月不明で、唐の粛宗から代宗の治世(西暦756~779年)において唐朝の役人として活動した記録が残っている。軍事について才能があり、太白陰経を含むいくつかの兵書を書いたと伝わっている。晩年は少林寺で有名な嵩山に入って隠棲した。 日本の戦国時代を含む中世と同様に、中国においても軍事には様々な決まり事があり、その多くが術数と密接な関係を持っていた。そのため士官将官級の人間にとっては

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        • 政治的に正しい四柱推命

          最近のtwitterを見てて少しビビってることがある。誰かの御気持ちを逆撫ですると大炎上することが増えて来ているからだ。 実は四柱推命や断易には、現代の視点からは政治的に正しくない部分がある。財帛と官殺が持つ象意だ。五行の相生相剋において、財帛は我が剋するもので官殺は我を剋するものだ。問題になるのは、そこから派生する、財帛は妻、官殺は夫という象だ。つまり妻とは我が従えるもので、夫とは我が従うものになってしまう。 この象をもって「四柱推命や断易といった占いには女性差別の構造が

        紫微斗数における飛星と方位への応用

          ハウスの象の活用

          ホロスコープ占星術におけるハウスの基本的な象意については、 を見てもらうとして、以下、クリスチャン・アストロロジーにいくつか補足を加えた上で、複合アスペクトについて説明し、次にハウスの名称について触れ、最後に中国占術の六壬神課と紫微斗数での活用方法を述べることにする。 クリスチャン・アストロロジー1巻7章への補足 『キリスト教占星術(Christian Astrology)』(William Lilly, 1647年)は17世紀の英国で書かれたもので、当時の英国の文化的な

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          ハウスの象の活用

          ハウス分割の変遷

          ホロスコープ占星術には『ハウス』がある。『ハウス』は地上を特徴付ける子午線や地平線を基準として黄道上に12の区分を作成する。少し詩的な表現をするなら、ハウスは地上から天上である黄道に掛ける梯子のようなものだ。 このハウスの区分を黄道上に作ることを『ハウス分割』という。このハウス分割の方法は時代によって変遷を重ねている。 一番最初に出現したハウス分割の方法については様々な研究があったけれども、私は中国占術の六壬神課の研究から、最も遡ることのできるハウス分割法にはある程度の見

          ハウス分割の変遷

          クリスチャン・アストロロジー1巻7章

          ずいぶん前になりますが、集合知によって『キリスト教占星術(Christian Astrology)』(William Lilly, 1647年)を日本語訳しようというCA projectを立ち上げたことがあります。このプロジェクトは1巻7章(Book I Chapter VII)の翻訳を終えて後が続きませんでした。しかし筆者自身にとって中国占術の解釈の幅を大きく広げてくれるものでした。 既に『クリスチャン・アストロロジー 第1書&第2書.』という訳書が出ているので、今更公開

          クリスチャン・アストロロジー1巻7章

          ハーバー・ボッシュ法にまつわる悲しい話

          井上純一さんの『キミのお金はどこに消えるのか season 2』の最終回に、ハーバー・ボッシュ法という水素と大気中の窒素からアンモニアを合成する方法についての話が出てくる。 このハーバー・ボッシュ法は1906年にドイツ人のフリッツ・ハーバーとカール・ボッシュによって開発された。アンモニアから硝酸を作る方法はそれ以前に確立されていた。硝酸の大量生産が可能となったことで硝石を必要とせずに化学肥料を安価で大量に製造することができるようになった。そのためマルサスの人口論が過去のもの

          ハーバー・ボッシュ法にまつわる悲しい話