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ほっかいどう暮らし6 白老町にかにめしを食べに行く

国道36号線を白老町から道南方面に向かうと道路脇に「かに料理専門」と書かれた建物があります。朽ち果てていると言いますか(ごめんなさい)、どう見ても営業しているようには見えないのですが人伝に聞いたところではどうやら営業しているらしい。しかもかにめしが美味しいとの噂。

そこで飲み仲間のおじさん2人を誘って土曜日のお昼に行ってみることに。苫小牧から車を走らせること約1時間。

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到着して「本当にやってるのか?」とさらに疑ったのですが、建物の中には先客らしき人影が。

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ちょっと安心して「こんにちは〜」と入っていくと人の良さそうなおじいさんが「はいはい、3番のテーブルにどうぞー」と迎えてくれる。

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レトロな薪ストーブがいい感じで暖かい。店内を見ると先客でテーブル三つは埋まっています。席に着くと、その店主と思われるおじいさんがお茶を運んで来てくれて「かにめし三つでいいかい」と聞いてくる。

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一応メニューはあるのだが、どうやらかにめししかやってないような雰囲気。他のお客さんも全員かにめしを食べていたし、「かに弁当持ち帰りできますか?」と聞いたら「ごめんね、弁当やってないだわ」って。

かにめし三つを注文すると店主が「うち初めてかい?」「どっから来たの?」「何見てきたの?」と話しかけてくる。「人から聞いてきました。けっこう有名なんですね」と答えると「そうかい、そうかい」とニコニコ笑っている。いつも一言多い同伴のおじさんが「いや〜、本当に営業してるとは思いませんでしたよ」と言ってしまう。

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店の中もこんな感じなので。すると店主のおじいさん、「手が回らないから、やってないように見せてんのさ」とやっぱりニコニコしながら答えてくれる。そんなやりとりを他のお客さん(多分先に同じことを聞かれているのだろう)もニコニコしながら聞いている。なんかいい雰囲気です。

あとから人に聞いた話だと、何年か前までは奥さんと二人でやってたらしいです。今は80過ぎの店主一人で切り盛りしてるんだって。

次に入ってきた家族連れの男の子が「トイレ、トイレ!」と言っていると、「あっちにトイレあるよ。電気わかるかい?」。で、そのあっちと言うのが

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地下?外観からは地下があるようには見えなかったのだが。

しばらくして運ばれてきたかにめしがこちら

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「カニがぎっしり」とまではいかないが、ちゃんとした毛蟹が敷いてあってその上のたけのこが美味しい。味噌汁は自家製味噌を使っているそうでほっとする美味しさ。漬物もなんか懐かしい味。これで500円とは。

食べ終わって気づいたのですが、先に食べ終わったお客さんの全部のテーブルの上は食器が重ねられて通路側に置いてありました。この店のルールというのではなく、おそらく店主のおじいさんに負担をかけないようにというお客さんの配慮なのでしょう。

年季の入ったレジでお会計してもらい帰ろうとすると店主のおじいさんが出口のところまで来てくれて「ありがとー」でも「またきてね」でもなく

「どうも、お待たせいたしました〜」

って送ってくれました。

なんだかとてもいい気分で白老町を後にしました。

おしまい

かに太郎

北海道白老町竹浦116

営業時間は11:00〜13:00 

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