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新人保健師、初めてのサービス担当者会議

何事も最初から上手くできる人などそういない。

地域包括支援センターのケアマネジメント業務の一環のサービス担当者会議。通称担会。
一人で担当した一番最初のサービス担当者会議は忘れたくても忘れられない、それはもうひどいものだった。

担当の方は転倒からの大腿骨頸部骨折で、入院中。
退院後から歩行器をレンタル希望だった。
今ならわかる。骨折からの福祉用具のみ希望というこのケース、新人にはちょうどいい。

よつば包括管理者の宇藤さんに背後霊のようにくっついていてもらいながら、初めての初回訪問。
上司にずっと見られているという緊張感もあり、上手く話せない。
終始一問一答形式の、それはもうイケてなさすぎる会話。
しかも、看護師の時とは違い、包括は生活の視点が大事だということをこのときはまだ理解していなかった。
( 看護師も患者さんの生活を見据えてアセスメントしろとは言われていたけれど、どうしても病態メインになってしまいがちだった)

初回訪問の後、宇藤さんから言われる。
「話し方はあんな感じで大丈夫!他の人のプランも参考にして、とりあえず プラン作ってみてね。できたらまたみせてね」
いや、大丈夫じゃなかったよ?優しすぎか!
病院の諸先輩方とは違いすぎる…と思う黒井。

それにしても、プランもいきなり実践か。
見様見真似に作ってみようと思い、先輩たちのプランを見せてもらう。
が、気づいてしまった。全員書き方違うぞ!?
しかも、いざプランを書こうとしたところ、情報足りなくてかけない項目ある…。
どうしようと思いつつ、取りあえずできる限り書いて宇藤さんに添削してもらった。
「 いいんじゃない?足りない情報は担会のときに聞けばいいから〜」
…なんとも大雑把な指導。こんな感じのノリでいいのか、包括は…。

そしていよいよ当日。
初めての担会にド緊張の黒井。
宇藤さんに進め方ややり方を聞くと
「 とりあえず作ってきたプランを左から順番に読んでいけばいいから〜」
とこれまた大雑把なアドバイス。

家族もいるし、病院の人もいるし、私は新人だし…。
みんな、私に注目しないでー!( 無理難題)
と思いながら、早口の小声でプランを左からひたすら読む黒井。
頭が真っ白になりながらも宇藤さんに助け舟をもらいながらなんとか終了。

終わってからは一人で脳内反省会。
早口だし声も小さいし、聞いてる人に全く伝わらない担会だったな…
分かっていないことも多くて宇藤さんに助けてもらっちゃった…
もっと事前準備するべきだった…と反省。
しかも今思えば、歩行器を借りるために無理やり作ったプランだった。
(経験を積んでからでも、福祉用具のみのプランだと、「借りれれれば良いや」のやっつけプランになって、本人の生活の目標とか見失いがちなので注意。自戒の意も込めて。)

担会の後の、宇藤さんからのコメント
「 あんな感じで良いよー。でももう少し大きい声で言えるといいね」
以上。
宇藤さん、優しい…。
だめだめで指導すべきところたくさんあっただろうに。
注意はそれだけですか…気を遣ってもらって申し訳ない…
という気持ちになる黒井。

そんなだめだめな初めての担会を定期的にフラッシュバックさせながら、少しずつブラッシュアップさせ、担会の質をレベルアップさせていった黒井であった。
( 韻を踏もうとして何を言ってるかわからなくなっている)

みなさん、もしサービス担当者会議で明らかに新人っぽいな~と思う人が現れても、温かく見守ってくださるとうれしいです。
それと、新人の後ろには必ず先輩がいるので安心して頼ってくださいね。その場でわからなくても持ち帰って対応します。(二度手間かけてしまいますが)
温かい人たちに囲まれて、すくすくと育った黒井からのお願いでした。

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