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【3ー12限目】かんぽ(簡易保険)ってお手頃そうだよね!?

「簡易保険」
っていうのは今、もうない。


簡易保険って何だったかというと、大正5年(1916年)から国が独占事業で販売していた生命保険やで。

背景を説明すると・・・

当時は銀行の自動引き落としなんてないから、保険会社はお客さん一人一人集金に行かないといけなかった。

保険会社は集金にかかるコストを考えて、
・「年払」か「半年払」しか売らなかった
・保険料はある程度高くする必要があった(低所得の労働者は入れなかった)
というわけ。

そんな中、「労働者にこそ生命保険って必要だよね~」ってことで、
 ・月払
 ・小口
 ・審査なし
という誰でも入れる生命保険を、国が営んでいた郵便局で販売・集金することになった。

そもそも郵便局をなぜ国が営んでいたかというと、国民全員に平等に郵便サービスが届くようにするため。
仮に民間企業が郵便サービスをやると、事業の効率を考えて、人が集まる市街地にはたくさん拠点を作るだろうね。
一方で山奥にぽつんとある家は、放置されるか、すごい高い郵便料金を求められてしまう。
そういう理由で、電気もガスも水道も、むかしは国が営んでいた。

ということで、
小さい金額で入れるし、国がやってる信頼感があるうえに、全国のすみずみにある郵便局で売れるわけだから、バカ売れ。
大戦末期の契約件数は当時の人口を上回る約8000万件。
すべての民間生命保険会社の契約件数の倍以上に及んだ。

その後も国営で続いてきたけど、平成17年2007年)、郵政民営化によって簡易生命保険事業は終わり、「株式会社かんぽ生命」になったとさ。


さて、簡易保険事業からかんぽ生命になった今もなお、ずっと民間の保険会社から嫌われ続けている。

というのも、民営化から10年以内に「国はかんぽ生命の株をすべて売却する」って話だったけど、10年以上経つ今、まだ半分以上の株式を保有している。
民間の生命保険会社からは
「競争の舞台に立ちたいなら、国はかんぽ生命の株、ぜんぶ売れよ」

って言われているんやで。

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こういう圧力があって、残念ながら、かんぽ生命の保険は一言でいうとショボい(´;ω;`)


といった苦悩の末に起きた最近の大問題は【3-20限目】で。

次は、
【3ー13限目】保険のおばちゃん(おねえさん)の歴史
やで~

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