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あれから10年

東日本大震災、あれから10年がたつ。当時の僕は中学2年生で、面倒な先輩がいなくなることと生徒会長の任期が終わることの解放感で一杯だった。地震が起こった時、確か英語の授業を受けていて、揺れたことに全く気づかなかった。当時は、スマホを持っていなかったので、状況を知ったのは家に帰ってテレビをつけてからだった。


テレビから流れる映像は、これまで見たことのないもので、同じ日本で起きているものだと思えなかった。東北では日常ががらりと変わってしまったらしい。しかし、自分の日常は、何も変わらない。だから、この地震の重大性を実感するまでに、時間がかかった。「ああ、これはただ事ではないんだ」と思ったのは、3日間テレビから地震以外の情報が流れなくなってからだった。


この地震が起こったことで、これまで過ごしてきた信じてきた日常は、そんなに絶対的なものではなく、あっさりと変わってしまうんだと気づいた。世の中に、この先の未来、絶対にずっとこのままなんてものはなくて、壊れたり変わったりする。よく考えると当たり前な事実を、改めて知った。


そして当時、中学生だった僕には、変化に対して何かする勇気も力もなかった。ボランティアや何かで力になることが出来なかった。ただただ、変わりゆく現実を外から見ることしかできなかった。あれから10年が経ち、14歳から24歳になった。どんどん変わる世界の中で、少しは何かが出来るようになっただろうか。

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