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中南米旅日記 1989 その②

酷すぎる出来事
*デラックス長距離バス*

メキシコシティーから地方都市へは長距離バスがかなりの本数で運行されています。
実際日本からツアーなどで旅行にいかれる方々は、バスに乗る機会もあまりないと思いますが、メキシコ人たちにとっては手軽で身近な移動の手段です。
若者の貧乏旅行では、節約できるところは節約しなくてはなりません。まさにこのバスこそが実際私にとっても「手軽で身近」でした。
メキシコシティーのバスターミナルは、東西南北4つに分かれていて、北方へ向かう路線はTerminal del Norte(北のターミナル)という具合にそれぞれ地域別に分かれて発着しています。
最初のバス旅行の目的地はグアダラハラでした。そのためターミナルは北です。前日に切符を買いに行き、日本の旅行ガイドブックに出ていた有名な某バス会社の「Lujo(デラックス)」というバスを予約しました。値段はお手頃だし、なんといっても「デラックス」なら8時間のバスの旅も少しはましだろうと思いました。
ところが、翌日乗ったバスはなんとまあ「オンボロ」。窓という窓にはほとんどひびが入っていて、車中はクサイし、シートは汚いし。
この時代、私の住んでいたパラグアイでもバスは主要な長距離移動手段でしたが、通常の運賃の約倍の値段を払えば「レイト(寝台車)」に乗れて、飛行機のファーストクラス並みのシートに悠々と足を伸ばすことができました。
私は「デラックス」と聞いて、それを想像していました。
しかし、現実は「これが本当に『デラックス』?」とただ驚くばかり。これはバス会社がはずれだったのかも・・・。と考えて、グアダラハラからの帰りや、西のベラクルスやメリダに向かうのには他のバス会社を選んでみたりしましたが、どれも似たりよったり。
中でも最悪は、ベラクルスからメリダまでの19時間という長旅にトイレがないというバスでした。途中の都市のターミナルでたびたび休憩はとるのですが、その間4時間5時間は、たとえトイレに行きたくてもただ我慢するしかありません。「トイレの近い」人はとても乗ることができないバスなのです。
今は、30年前と違ってインターネットであらかじめどんなバスかを見ながら予約もできるようなので、よく選んで利用すると良いですね。

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