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Vol.1 保育士時代に培った人を視る経験が、 今でも自分の背中を押してくれる

六本木を拠点に、スカーフのようにカラフルなカメラストラップ「サクラスリング」を製造・販売している杉山さくらさん。杉山さんは介護福祉士、保育士から転身して起業をしたという異色の存在です。今は全く違うお仕事をされているように見えますが、そこには保育士時代の経験が活かされているそうです。杉山さんのこれまでのお仕事の変遷や、これからの目標についてお聞きしました。


工芸高校在学時に「私、違う気がする」。
自分の「好き」を活かせそうな保育士資格取得へ


私の母は幼稚園の先生。私は小さい頃から歌うのやものづくりなどが好きでしたが、最初から保育士になろうとは思っていなくて、工芸高校に進学しました。
実際に入学してみて、「ものづくりにはセンスが問われる」ことを実感。センスのある同級生が、どんどん良い作品を作っているのを間近で見て、同じことをできない自分を比べてとても苦しかった……。
その時に、幼少時からのピアノ経験やものづくり、お世話好きな性格を活かせること、そして、家族から「これからは資格の時代」と言われていたこともあり、保育・介護の専門学校に進学することにしました。


教科書通りではない、正解のない世界

専門学校時代は、週1回保育園でアルバイトをしていましたが、卒業後は、介護施設でケアワーカーとして就職。その後、結婚出産と続き、仕事復帰を考えた時に「子育て経験を活かしたい」と、アルバイトをしていた保育園に正社員として入社することにしました。
保育士の正社員としてお仕事をしてみると、アルバイト時代と違い、担任を持つ責任、そして日々子ども一人ひとりの個性を考えながら行動するので、ついていくのに必死でした。子どもたちへの対応は、性格や発達段階を考えながら判断して行うので、何が正解か答えがない世界。毎日葛藤しながら子どもたちに向き合っていました。でも出産・育児経験を活かして保護者の方やお子さんと接することができたりと、やりがいを感じていました。

転機が訪れたのは、私が3人目の子どもを出産した後のこと。末っ子の保育園が上の子たちとバラバラになり、送迎が大変に。正社員での勤務は難しいと実感して、自宅の近くの託児所でパート勤務をすることにしました。こちらでは、託児所-習いごとなどへの送迎なども受け持っていたので、いろいろなところに出かけることが多く、保育園とは違った様々な経験をすることができました。複数の保育施設でのお仕事を経験したことで、「保育士という同じ資格を持っていても、施設によって全く違う働き方ができるんだ!」ということに気づきました。「保育士はこうあるもの」といった固定概念がなくなり、もっといろんな働き方をしていいんだ!と気持ちが軽くなりましたね。

今やらないと一生できないかもしれない
私しかできないことで世の中の役に立ちたい

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子どもたちが小学生になり、少しずつ時間に余裕ができてきたころ、写真家のパパ友の影響で、カメラに興味を持つようになりました。写真を撮ることで自分の心の中の整理ができ、頭の中がクリアになるんです。
カメラにまつわる仕事がしたいけれど、写真家には向いていない……。「他にどうすればカメラに関わる仕事ができるんだろう?」。気づけば毎日カメラを持って託児所に行く習慣が付いていました。

毎日カメラを肩にかけて移動していたら、カメラが重い。カメラを快適に肩にかけるには、子育て中に愛用していた「スリング」が使えるんじゃないか?そこから生まれたのが「サクラスリング」でした。
布だから、肩にかけても痛くないし、カメラを包むこともできれば拭くこともできる。とても便利な上に、デザインが自由なので男性も女性も使いやすい。子育て経験、高校時代のものづくり経験、そして大好きなカメラ。私ならではの経験から生まれたサクラスリングを思いついた時、「あ、私これで起業するんだ」と思いました(笑)。
その後グッドデザイン賞も受賞し、現在は大手家電量販店をはじめオンラインストアなどで取り扱いしてくださっています。

保育士としての経験が、起業後も私を後押ししてくれる

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起業してからは、これまで会ったことのない業界や職種の方々とお仕事をすることばかり。いろいろな場所に行き、いろんな人とお話をします。慣れないことで緊張することもありますが、常に考えているのは「世の中を作るのは人間だし、それを見ているのも人間。つまり人ありき。」であること。人を視る目は、保育士時代に十分に養われました。
「この人はどんな人なんだろう?」
「自分はここでどういう仕事ができるんだろう?」
ということを客観的に考えていると、自然と自分のやるべきことが見えてきます。
私は保育士を経験した人は、他の仕事をすることになっても、なんでもできると信じでいます。

これからも、保育士の経験を活かしながら、サクラスリングを介護や保育の現場など、さらに世の中のお役に立てるブランドに育てて、カメラの今後の発展にも貢献していきたいと思っています。


サクラスリング 公式サイト
https://sakurasling.com

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