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保育改革の軌跡 ♯2 その保育は誰のため?

1年目の状況

入職1~2年目は保育補助をしながら職員室の事務仕事を行っていました。

補助で入るクラスの状況を見て、私は驚きました。

学んできたことと違う…

当時の状況のまとめ
・使えるおもちゃは保育者が決める
・砂場で水が使えない
・毎月、何個も製作がある
・遊具は一方通行
・保育者の持ち帰り仕事は当たり前
・仕事は製作準備と打ち合わせ
・毎日、全園児で朝礼
・子どもに「やらない」選択肢は無い
・製作も壁面も見た目 重視
・入室するときは笛で合図する  などなど



この現状を知り、
保育を変えたい!と強く思いました。

しかし、経験のない私の声など
届くはずもありません…

上司に子ども主体の保育にしたいと伝えても

言うことを聞かない子になる!

と反対されるだけでした…

この頃は、上司や他の保育者を説得するために、
研修に参加したり、本を読んだり、
沢山学びました。


そうやって学ぶ中で、
子どもたちは楽しそうにしている時もあるから
今のままでも良いかもしれない
思うこともありました…

ですが、そんな中、

主任や管理職向けの研修を受けて
保育を変える決意がわきました。

やっぱり、ちゃんと変えないといけない
思ったのはこの頃。

1年目の終わりです。

本を読む時には、
必死になって保育者たちを
説得するための情報を探していました。

この頃に読んでいた本は こちら↓


研修では岡健先生や大豆生田先生、秋田喜代美先生の研修を受けたことが保育改革に大きな影響を与えています。

そんな中、最初に取り組んだのは、砂場で水を使えるようにすること。

2年目は、勉強を続けつつ、
砂場で水が使えるように
取り組んでいきました。


砂場で水が使えない

私の中で、砂場で水が使えないことは、
大きな問題でした。

厳密に言いますと、
年長児だけは使って良いことになっていたと
記憶しています。

なぜ、年長児だけは使って良いかというと、
服を汚さずに遊べるであろう
年齢だから…

これについては、本来だったら、
積み重ねがあるからこそ、服を汚さないのですが…

それはさておき、砂場で水が使えない中、
子どもたちは、どうやって遊んでいたのか…

それは、砂を深くまで掘って湿った土を探して
遊んでいたのです。

これは、これで、
学びがある遊びだと思うのですが…

それだけでは、偏りがありますし、
意図して環境を構成しているわけでは
ありませんので、良い環境とは言えません。

これを改善するには、
まず、保育者の思いと、
園長の思いを聞くことから始めました。

すると、意外と話はスムーズに進みます。

園長の意見としては、
水がもったいないから、使いすぎないように
伝えているつもりだった。

保育者の意見としては、
園長先生から水を使わないようにと言われていると思っていた。

園長の言っていたことが、
伝言ゲームのように変化して
伝わってしまっていたのですね。

つまり、園長は
水を使っちゃダメって言ってなかったのです。

でも、そうすると、
なんで、そうなっちゃったの?
って思いますよね。

結局は、着替えが面倒だから、
年長以外は使わないようにと、
保育者が勝手にルールを作っていたのです。

こうやって、色々と誰かの都合の良いように
物事が変わっていってしまうのは、
恐ろしいことだと感じます。

思いを伝えることや、
管理職と現場のコミュニケーションは
とても大切ですね。

さあ、これで、水が使えるぞ!

と思っていました。

ですが、そう簡単にはいきませんでした。

次の年、私は担任を持つことになりますが、
水を使って遊んでいたのは、実質私のクラスだけ…

その後、数年かけて、園長が井戸を掘ったりして、ダイナミックに遊べるようにまで、なりました。

その話は、また別の機会にご紹介します。

次回は3年目のことについて
まとめていきます。

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