【第2話】 ファシリテーターとの出会い①
順子は園長に職員の退職の意向について報告した。油井園長は顔が曇り、ショックを隠せない様子であったが、順子の悔しさがにじみ出ている顔をみて、できる限り明るい表情を作ろうと努力した。順子は園長が自分を気遣っていることが察せられて、さらに自分の気持ちが落ち込むのを感じた。
二人がいる職員室は、保育中はほとんど他の職員の出入りがない。10月初旬だが、今日は天気がよく午後4時以降は西日が入るため、エアコンをつけている。
しばらく二人とも沈黙の後、園長が口を開いた。
「実は、前々から考