【第16話】保育者としての私④
夏祭りの準備を手伝っていた時に、園の先生たちは、毎年全員浴衣を着るということを聞いていたが、順子は浴衣を持っていなかったため、普段着で夏祭りに参加しようと思っていた。
しかし、夏祭り当日、動きやすさを考慮して保育着で来た順子を見て、園長先生が自分の持っている浴衣を貸すと言い出した。
「うちの娘の若い頃に来ていた浴衣なのだけど、順子先生に絶対似合うと思うの。職員の中にも浴衣を持っていない人がいるから、貸し出せるように何枚か園に置いてあるのよ」
「あ、でも私浴衣の着方が分か