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【2024年4月】保育NEWS・まとめ&解説
保育に関する重要ニュースをまとめました。
・保育に関するニュースは興味あるけど…時間がない。
・ネットで調べるのも大変。
・記事を読んでもよくわからない。
そんな方のために、保育に関するニュースをまとめました。これを見ておけば、最新の保育ニュースは一通りチェックすることができます。内容は保育関係者向けですが、子育ては保育園と一緒におこなっていきます。子育て中の方や学校関係者の方なども学びがあると思いますよ。ぜひ、ご覧ください!
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園長コマツ
とある私立認可保育所の園長です。 子どもや保護者、職員みんなが活き活きと暮らせる保育園へ向けて悩みながら改革中。 自分の取り組みや学びをNoteを通して発信します。 プライベートでは二児の父。 好物はハンバーグ。
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「わいせつ保育士」の個人情報を一元管理 「わいせつ保育士データベース」運用開始で子どもの安全確保に期待 資格の登録取り消しは20年で97人
子供にわいせつな行為などを行い保育士資格の登録が取り消された人の記録をまとめたデータベースの運用が2024年4月から始まった。その名も「わいせつ保育士データベース」(保育士特定登録取消者管理システム)だ。
2023年4月に文科省が運用を始めた「わいせつ教員データベース」に続き、保育士版も始まった形で、これまで確認する方法がなかった「取り消し記録」の確認を保育所などに義務化することで、過去にわいせつ行為をした保育士が再び採用されることを防ぐ狙いがある。
わいせつな行為をおこなった保育士のデータベース運用が始まりました。これは国会で議論されている「日本版DBS」とは違う制度です。そもそもDBSの概要は以下の通りです。
日本版DBSとは?
DBSとは「Disclosure and Barring Service(ディスクロージャー・アンド・バーリング・サービス)」の略で、個人の犯罪歴を記録しておくシステムのことです。もともとはイギリスで実施されている制度で、政府はこれを日本に導入しようと検討しています。
日本版DBSが実装されると、子どもと接する機会の多い職種の管理者は、雇用の際にデーターベースにアクセスし、性犯罪などの犯罪歴を確認できるようになります。
「日本版DBS」では、塾講師やインストラクターなど、保育士に限らずこどもに関わる幅広い職種が対象となっています。また、照会の対象が、特定の性犯罪について裁判所で有罪判決が確定した「前科」に限定される見通しになっています。
一方、今回実施される「わいせつ保育士データベース」では、名前の通り対象は保育士で、被害者側との示談が成立し不起訴になるなどしたケースも、都道府県が「児童生徒性暴力等を行った」と認定すれば、登録取り消しの対象となり記録に残ることになるそうです。すでに学校教員には導入されている制度です。
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日本版DBSの先駆けのような仕組みということですね。
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保育士における犯罪行為は「禁錮以上の刑に処せられた者については無期限」「罰金の刑に処せられた者については、その執行を終 えた日等から起算して3年」とされています。逆に言えば、3年後は通常通り働けてしまうシステムです。
こども家庭庁によると、2003年から2023年までの約20年間で、子どもへの性暴力やわいせつ行為で資格の登録を取り消された保育士は97人に上るそうです。
こどもを性犯罪から守るため、制度を厳罰化している最中、というわけなのです。早く制度を整え、子どもが性犯罪から守られる社会をつくっていきたいですね。
『会長の意見は絶対』 「もう限界」こども園の保育士が一斉退職「子供と保護者に本当に申し訳ない」 混乱に振り回された園児と保護者たち
堺市西区の認定こども園「あいあい浜寺中央こども園」から、3月半ば、突然、「新年度から新規受け入れを停止し、在園児の受け入れも大幅に制限する事態」となったことが伝えられた。 理由は、保育士の大量退職で、正規職員の保育士12人中10人が年度末で退職し、受け入れられる園児の数が激減。 しかも、その原因は運営する社会福祉法人の女性会長(80代)のパワハラだという。(中略)
新年度まで2週間というタイミングで、突然、子供の預け先が宙に浮いた形となった保護者たち。 堺市が調整に動き、転園希望を出した95人は、別の保育園に通えることになった。(中略)
残った正規職員がたった2人という、危うい体制で新年度のスタートを切った、「あいあい浜寺中央こども園」。(中略)
不安でも子供を預けるしかない保護者たち。もう一度、安心できる場所だと、信じられる日は来るのだろうか。
大阪の保育園で、保育士の一斉退職するニュースが報道されました。園長による度重なるパワハラ発言や、人材不足、運営に対して意見を聞き入れてもらえない、などの理由が一斉退職に繋がったと報道されています。
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残された子どもや保護者のコメントを見ると心が痛みますね…。
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現場で働く保育士にとって、自分が関わる子どもや保護者はとても大切な存在です。一斉離職をするうえで、保育士も子どもや保護者に迷惑がかかるのは承知の上のはずです。それでも、一斉退職に踏み切ったのは、よほど追い詰められていたのでしょう。
近年、大阪だけではなく、全国各地で保育士の一斉退職が報道され、保育業界でも大きな話題となっています。その背景には、少子化問題の影響によるや保育業界の構造に伴う慢性的な人手不足があります。その他にも、園長がマネジメントの勉強をしておらず、ずさんな運営をしているケースも多々あります。
この事件は決して他人事ではないように思います。園長やミドルリーダーが組織開発を学び、マネジメントを実践していかないと、明日は我が身の出来事となるでしょう。子ども達や保護者のためにも、学びを継続し、実践していく管理者でありたいですね。
福祉法人が川崎市に保育士養成施設 第1期生22人が入学
川崎市で4月、社会福祉法人が運営する保育士養成施設「リカレントこどもアカデミー」(日髙千代美施設長)が開設された。社会人が通学しやすいように講義や演習は週4日(月~木曜)午前中のみ。2年制で卒業と同時に保育士資格が取得できる。運営するのは、秋田市に法人本部を置き、同市や東京都、横浜市で保育所など11施設を経営する社会福祉法人翼友会(間山昭理事長)。
保育士不足が叫ばれる中、「福祉法人として解消に貢献できたら」と保育士養成施設の開設を決断。昨秋、神奈川県に申請し、今年3月に児童福祉法に基づく指定保育士養成施設に指定された。
社会福祉法人が保育士養成校を開設する、という珍しい事例のニュースです。
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学童や老人ホームを運営している法人は多くありますが、養成校は珍しいですね。
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保育士不足が叫ばれていますが、そもそも養成校の数や新しく保育士を目指す学生の人数そのものが減少しています。保育・教育・療育施設向け人材育成を支援している(株)カタグルマCEOの大嶽広展さんがそのことについて触れています。(有料記事ですが、無料部分でもとても参考になります。)
保育士不足の解消として、働きやすい環境づくりや事業所のPR、採用計画の見直し等、一法人として取り組むべきことは行うべきです。ただ、一方で「保育士のなり手の確保」は国全体で支援していかなければ難しい部分もあります。
人口減少に向けて、方針を改めて考え直さないといけない時代ですね。
保育園に無料で遺伝子検査キット配布 保育に活用計画したが…
神奈川県に拠点を置く保育園の運営会社が、子どもの知能などを調べる遺伝子検査キットを保護者らに配り、検査結果を保育に活用しようと計画していたことが判明した。こうした遺伝子検査は科学的根拠が薄いとして専門家から疑義が示されているが、育児などへの利用が一部で広がっている可能性がある。
子どもの遺伝子検査を巡っては、東京都内にある別の保育園運営会社が保護者らに検査を勧め、3割が応じていたことが毎日新聞の取材で明らかになっている。
保育園が保護者向けへのサービスとして「検査では子どもの知性や認知能力、記憶力、注意力、勇気、ストレス耐性などを調べられる遺伝子検査キット」を配布したことが報道されました。
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「遺伝子検査キット」を保育の計画に活かすことも検討していたそうですが…。
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私見としては、「この子は絵が得意」「この子は運動に向いてる」など、保育者がこどもにレッテルを貼ってしまう行為に繋がりかねないので、非常に危険だと考えます。人格形成の基盤となる乳幼児期は、結果主義になってしまうと危険です。こどもが自分で考え、決定し、取り組むプロセスの中にこそ豊かな学びがあるように思います。
この報道に関しては、加藤鮎子こども政策担当相もコメントしています。
加藤氏は保護者に対しても「子どもの権利の観点から、ゲノム情報という極めて個人的な情報を子ども自身が自律的に判断できない段階で検査することは、保護者に慎重に検討していただきたい」と注意喚起した。
加藤鮎子こども政策担当相はこどもの権利の視点でコメントをしています。本当にその通りだと思います。過剰な保護者向けサービスは、広まらない事を願います。
通園バス置き去り 3歳女児死亡事件 元園長 初公判で遺族に謝罪
おととし9月、静岡県牧之原市の認定こども園で当時3歳の女の子が通園バスの車内に置き去りにされ、重度の熱中症で亡くなった事件で業務上過失致死の罪に問われている当時の園長とクラスの元担任は、23日開かれた初公判でいずれも起訴された内容を認め、元園長は、遺族に謝罪しました。
静岡県で起きた、バス置き去り事件の初公判がおこなわれました。
バス置き去り事件とは?
事件はおととし9月5日、牧之原市にある認定こども園「川崎幼稚園」の駐車場に止められた通園バスの車内に、園に通っていた河本千奈ちゃん(当時3)が、およそ5時間にわたって置き去りにされ、重度の熱中症で亡くなりました。この事件で、当時バスを運転していた元園長の増田立義被告(74)は園児らが降りる際に車内の確認を怠ったほか、クラスの元担任の西原亜子被告(48)は、欠席したと思い込み、保護者への確認を怠ったとしてそれぞれ業務上過失致死の罪に問われています。
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とても心が痛い事件でした。ここから全国各地の保育園で「安全対策」の見直しが再確認されるようになりました。
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「川崎幼稚園」は当時の理事長が退任し、新しい体制のもとで運営がされているそうです。事件の再発防止に向けて、外部の講師を招いて職員の研修を行うなどの取り組みを進めてきましたが、バスによる園児の送迎は今も中止しているそうです。ここから、事件についての裁判がおこなわれていきます。今後も裁判の動向に注目していきたいですね。
まとめ
2024年4月は以下のニュースを取り上げました!
「わいせつ保育士」の個人情報を一元管理 「わいせつ保育士データベース」運用開始で子どもの安全確保に期待 資格の登録取り消しは20年で97人
『会長の意見は絶対』 「もう限界」こども園の保育士が一斉退職「子供と保護者に本当に申し訳ない」 混乱に振り回された園児と保護者たち
福祉法人が川崎市に保育士養成施設 第1期生22人が入学
保育園に無料で遺伝子検査キット配布 保育に活用計画したが…
通園バス置き去り 3歳女児死亡事件 元園長 初公判で遺族に謝罪
以上です。
社会全体の動向を知ることで、自分の保育がより豊かになったり、いざという時に備えることができたりするようになります。
今後も月に1回ニュースのまとめを掲載していきますので、ぜひチェックしてみてください!
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