見出し画像

12 Zoomはエデンの園やから #喋ってなんぼ駒井の「独り言ちてなんぼ!」

音声は以下に上がっています!このnoteと同内容を喋ってますので、ぜひ音声でもお聴きください〜

https://u8kv3.app.goo.gl/qFd4x

Zoomの席巻

 もう6月に入って緊急事態宣言が解除されてしばらく経って、徐々に元の生活が戻ってきつつあるわけやけど、そんななかでも「リモートで、オンラインでなんかやる」っちゅうのはこの期間中にほんまに一気に広まって、もう後戻りでけへんぐらい浸透してるよな。授業やらバイトやらで使っとるから馴染み深いっちゅうのもあると思うねんけど、ほんまに昨今のZoomの席巻には目ぇ見張るもんがある。もちろん娯楽の文脈でもZoomは大活躍で、大学生にとっては特に重要な要素であるところの「飲み」も「オンライン飲み」みたいな名称でZoomを用いて行われるようになって、日常のあらゆる側面がZoomによって支配されてたと言うても過言ではないような時期もぼちぼち長いことあったわけやな。というわけで、今日はそんなZoomについて、我々が自主的に娯楽で使う文脈に特に注目して喋っていきたいっちゅう話やね。

「オンライン飲み」の始まり

 東大は他の大学に先駆けてオンライン授業の導入を決定して、大学側が俺ら生徒のZoomアカウントを作ってくれたんやけど、その通知がこっちに来たんは3/24やねんな。これが俺とZoomとの出会いで、今日が6/19やからもうだいたい3ヶ月前のことになるんや思ったらこのZoomともぼちぼち長い付き合いになるなあと思うわけやねんけども、まあ当時はなんやよう分からんまま諸々の設定をして、いったいこれはどない使うんやろかっちゅう感じやった。ほいだら、3/29にオンライン飲み会が行われることになって、つまり、授業でもバイトでもなく、飲みで初めてZoomを使うことになったわけやな。このオンライン飲みっちゅうのはまあ割と目新しいコンテンツで、その物珍しさとか新鮮さとかも手伝ってか知らんけど、それ以降かなりの高頻度で行われるようになった。しばらくの間は2〜3日にいっぺんくらいオンラインで飲んでたんちゃうかな。でも俺はほんまに飽き性で、めちゃくちゃすぐ飽きてもうたんよ。具体的には、3/29、3/31、4/2と3回やってもう飽きた。「オンラインで飲む」ということそれ自体がコンテンツとして機能しとったから、慣れてもうたらそないおもろいもんでもないなってなってもうたんよな。

「リアルの下位互換」からの脱却

 まあでもこれはみんなぼちぼち思っとったことなんかして、4月入って以降、自分の所属する東京大学合唱団あらぐさの内輪で、いろんなことが企画されるようになってきた。大富豪(これはZoomは使ってへんけど)、人狼、(過去に我々が上演した)ミュージカル上映会、アニメ会などなど...まあいろんな企画が行われたわけやねんけども、これらはほぼ全て「リアルの下位互換」感が強くないことがポイントやと思うわけやな(参加してへんやつもようけあるから憶測で喋ってるけどごめん)。飲みっていうのは、もちろん家にいながら楽しめるアクセスのハードルの低さっていう強みはありつつも、結局対面の方がおもろいというか、やっぱりオンライン飲みは「リアルではでけへんから代替案として」みたいなとこがあるんよ。一方で、さっき言うた様々な企画はあんまり代替案感がないというか、「それをリモートでやるときと対面でやるときとではおんなじくらい楽しめる」ようなコンテンツやと思うわけやな。楽しさがおんなじくらいなんやったら、家にいながら楽しめるアクセスのハードルの低さというオンラインコンテンツの強みのぶん、むしろリモートでやる方に軍配が上がるとも言える。ほんで飲み会に関しても、たとえば「ワイン一人一本開ける飲み」みたいな感じでワンポイントコンセプトが追加されるようになってきて、すなわち「オンラインで飲む」ということそれ自体に頼りすぎひんような工夫がなされるようになってきたんよな。

そしてオンライン「やからこそ」へ

 ほんでそうこうしてる間に緊急事態宣言が出て、いよいよ家から出られへんなあみたいな雰囲気になった頃、テーマを決めてそのテーマについて語りたい人が語り合う「テーマ縛りZoom」という企画が出現した。ほんでそれと同時期に、俺が「キレきゅん選手権」を開催した。このキレきゅん選手権っちゅうのは、場におる特定の人物に対してキレたあと、その対象に思わずきゅんとしてまうようなフォロー(というか褒め)をするっちゅう遊びで、キレてる間は場に緊張が走るんやけど、その後の「褒め」が良いものやったら緊張が一気に緩和され、反動で思わずきゅんとしてまうという、そういう仕組みなんよな。これはもともと昔テレ東でやっとった「ざっくりハイタッチ」で2015年11月に放映された「キレキュン選手権」の真似事で、かねてからやってみたいなあ思っとったんやけど、ついに機が熟したという格好やね。この両企画には、「オンラインやないとそもそも成立しそうにないコンテンツである」という共通点があるよな。特にキレきゅん選手権とか誰が積極的にやんねんって話で、飲みがいきなりストップしてキレきゅんが始まるんって実際おもろいねんけど、まあ対面やったら絶対そんなことやろうっちゅう感じにならへんやろから、そういう意味でもやれて良かったなっちゅう感じやね。

内輪ラジオの出現と企画乱立の終焉と緊急事態宣言の解除

 ほんでこういう感じで4月中は企画の乱立してる状態が続いとったんやけど、5月に入るとまた状況がちょっと変わってきて、Zoomの中で特定の人物がお喋りをしてそれをリスナーが聞くという、内輪でやるラジオみたいな企画が複数種類出てきたんよな。これは、ミュートしてカメラもオフにしたら、そのとき喋ってる奴らの会話を作業用BGMとして楽しめるという発見に基づいて生まれた企画で、すなわち、「参加者のほとんどがただ部屋に入って聞き流すだけ」という特徴がある。まあ大学のオンライン授業とか実はそうがちやったりするんやけど、正直ほんまにラジオみたいに聞くだけやから参加のハードルは果てしなく低いというか、課題とか何か別のことやりながらできるわけやから、もう当初の「オンライン飲み」とはかけ離れたものになってるよな。ほんでこれらのラジオ風のコンテンツは、今までの単発ものとは違って「コンテンツ提供者」と「コンテンツ享受者」という立場の違いが明確で、発信したがりのやつは発信したらええし聞きたいやつは課題でもなんでもやりながら聞き流しといたらええしっていう安定性のもとでめちゃくちゃ恒例化したんよ。今は3つほどのコンテンツがそれぞれ週1〜1.5くらいで流れてて、ちょうど企画の乱立がこの形で収束したという感じがする。緊急事態宣言も解除されてみんなぼちぼち忙しさを取り戻しつつあるし、飲みも対面で行われるようになったしで、リスナーも微減の傾向にあるんやけど、もう1ヶ月半ぐらいかな、割とちゃんと続いてるなという感じやね。

Zoomの放課後

 まあここまで、Zoomが様々な形で娯楽に活用されてる有様についてだいぶ長いこと喋ってきたんやけど、一点めちゃくちゃ重要なポイントに言及してなくて、それがなんや言うたら、これはほんまに全員感じてるしめちゃくちゃ世間でも指摘されてるけど、「終わりがない」ことやねんな。最近も日清が「ファイナル・ヌードル」の提案みたいなネットCM流してるけど、ほんまにこのZoomを用いたコンテンツは終わりどころがない、この問題は正直最初期のオンライン飲みから全く変わってない、なんならより深刻になってるように思うねん。というのも、「オンライン飲み」は基本的にはカメラオンで、すなわち誰かが風呂に入るとか寝支度をするとかなんやかんやでカメラオフにする(そしてそれ以降カメラはオンにならない)っていうのがお開きを連想させるアクションとして機能してたわけやねんけど、ラジオ的なコンテンツとかにおいては、そもそもカメラは基本的にオフなわけで、かつラジオコンテンツが終了した時点で一回公式としてお開きになってる以上、その後にひっついてる「飲み」「雑談」はもうそれ自体が「お開きの後の延長戦」ポジゆえ、延長戦のお開きを宣言するきっかけがなくなるんよな。みんながカメラオフの状態でマイクだけオンにして喋るみたいな感じやと、元がラジオやから全然喋らんやつがおっても不自然じゃないし、急に抜けるやつがおっても不自然じゃない。つまり、普段やったら「ほなそろそろにしましょか」みたいな雰囲気の端緒として機能するようなアクションがなんの記号にもならんねん。それゆえ、最終的に残った2〜3人ぐらいでダラダラいつまでも、場合によっては朝まで喋るみたいな状況が頻発するんよな。まあでもこの言わば「放課後」みたいな感じも、対面やったら絶対に起こらん、オンライン「やからこそ」の現象なわけで、そう思ったら非常にこの時節に特有の状況としてめちゃくちゃエモーショナルやったりもするわけや。

マナー警察こんといて

 ほんでこういう感じでいろんな方向性の楽しみが発掘されてるときに厄介になってくるんがマナー警察な。たとえば、目上の人(とか先輩とか)が抜けるまでは抜けたらあかんとか、あまりに長時間のZoomは避けるべきとか、そういうルールが世間に浸透した瞬間にもう終わりやからね。結局、ちょっと主語のデカい話になってまうけど、マナーっていうのは大概それを知るまでは大してなんとも思ってへんかったのに知ってもうたら気になってまうみたいなもんやん? たとえば、酒はビンの銘柄の書いてある方が見えるような形で注がなあかんっていうのかって、知らんかったらなんとも思わへんかったのに、それを知ってからは「あ、このバイトの子その辺全然気にしてへんねんな」とか思ってまうとかいかにもありそうやろ。ほんまにマジで最低限のマナーは必要やとは思うけど、大体のちょっとしたマナーってほんま人を苦しめてるよな。いや、それをこなすやつがプラスになるんは、あえて信長の草履をぬくめとく秀吉みたいなもんやからええとして、それを知らんやつがマイナス査定されるんほんまに意味わからんっていうか最終的には自分の首をも締めることになるからな。ほんまその観点からマナー警察ってほんま要らんのよ。あいつらほんま自分らが勝手に栽培した禁断の実を無理やり俺らの口に突っ込んできよるようなもんで、マジでエデンの園のヤクザやから。ほんでそんなんがめちゃくちゃはびこる世の中ではあるわけやねんけど、Zoomは新しく急激に席巻した現象過ぎて、まだその警察が来てへんように思うねんな。まあ社会人世界にはもうあるんかもしれんけど、少なくとも大学生まではその波まだ来てへんというか、耐えてるとこあるわけや。時間の問題なんかもしれんけど、ほんまにお願いやからこんといてほしいね、マナー警察。ちょっとぐらい自由にやらしてくれっちゅう話やで。

これからの娯楽Zoomの行く末はいかに

 っちゅうわけで今日はね、この「Zoomにはマナー警察こんといてな」ってのを言いたいがために今までベラベラ喋らしてもらいました。まあでもそもそも娯楽Zoomは緊急事態宣言中よっぽど暇やったからその暇つぶしとして発達してきたとこがあるわけで、暇やからもてはやされてるけど正直そないおもんないコンテンツ、弱いコンテンツもいっぱいあるんよ。内輪ラジオのリスナーの数も微減の一途を辿りがちやし、やっぱりよっぽどおもろないと元通りに近い生活が復活したときに習慣として生き残らんねやろなっていうのはめっちゃ思うな。でも逆に言うたらほんまにおもろいやつは新生活にも定着しうるとも思うから、今後どういう感じでこの娯楽Zoomが生活に影響を及ぼしていくんかは非常に興味深い。というわけで、めちゃくちゃ暇な時期に始めたこの「独り言ちてなんぼ!」も最近更新頻度落ちがちやねんけど、今日もどうもありがとうございました。次回もお楽しみに、ということで、ではでは出羽山脈〜〜


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?