痛みが意味を教えてくれる

悔しいですが、これは私の言葉ではありません（笑）。
人生の大先輩、尊敬するASKAさんの、歌詞の一部です。

「塗りつぶして行け！」の一番、二連一行目にあります。

人間の本質は情報ですが、
真のコーチにとって「意味」とは、
相手の情報の中にあるものの意味を指します。

異なる意味を持つ人同士のあいだで、
相手と交流するために発明されたのが言葉です。
しかし、言葉は本当に最低限のアイディアで、
実際は言葉には何重もの意味があります。
異口同音ということではなく、
同じ言葉でも、その人にとっての重要度、
モーダルチャンネル（五感のどれが優位か）で、
お互いが感じていることが全く違うのです。

ですから、私たちの世界は、
ほとんど誤解でできています。
言葉の意味を確認しあったところで、
それすら、ほとんどズレていることを、
見て見ぬふりで生きているのです。

現代の哲学的推論で宇宙を観ていくと、
人間は全て望みを叶えたとき、
本質的に孤独なのだということがわかります。
元はと言えば、そこにあなた以外の人間がだれもおらず、
寂しくなったから、あなたは宇宙を創造したわけです。
（「苫米地英人、宇宙を語る」参照。）

私も含め、多くの人は、
相手があなたを思って心の底から投げかけてくれた、
何気ない言葉の意味を、後になって気づくのです。

その時、その人はもういないかもしれない。
その時、あなたは痛みに蹲ってしまうかもしれない。

でも、それでいいんです。
その時はじめて、あなたは、
あなたの外に意味があることを知ります。
誰かにとって、あなたが、ひととき、
かけがえのない存在であったことを知るのです。

そしてそれは、宇宙の本質を見ていくと、
別れの中でしか知り得ることができないかもしれない。

その痛みを知り、心からの望みを叶えようと、誰かに話しかける時、
ようやく私たちは、自分がここに生きていることの意味を、
知ることができるのでしょう。

ゴールを設定すると不要なものは目に入らなくなります。
そして現状の外にあるゴールを達成するためには、
いくつもの痛みを乗り越えなければならない時があります。
私たちの知能は、あらかじめプリンシプルを入力されたAIではありませんから、
痛みによって初めて現状の外に意味があることを知ることができます。
人間の価値は、そこにこそあるのです。

大丈夫。
ゴールがあれば、涙も痛みも、塗りつぶして行けます。

＊　　＊　　＊

ASKA「塗りつぶして行け！」
https://www.youtube.com/watch?v=9qxmTKij9Hc