ようやく時代が“五郎さん”に追いついた
「腹が…減った…」でお馴染み、今年も松重“五郎”豊の季節がやって来た。
いよいよ来週から「孤独のグルメ season10」が始まる。番組ファンのへふなーこ、放送日が発表されてからというもの、再放送を見つつ毎日ソワソワしているのであった。
「孤独のグルメ」は、個人で輸入雑貨商を営む井之頭五郎(いのがしら ごろう)が、仕事の合間に飲食店に立ち寄って一人で食事を楽しむ様子を描いたもの。原作は漫画である。
外回りの私も、ほぼ連日「孤独のグルメ」を行なっている。主にランチだが、夜も人形町の居酒屋に麻布十番のバーと、結構どこへでも一人で行けちゃうタイプだ。牛丼やカラオケなんかも全然行ける。
ひとりカラオケを4時間ほど楽しみ、そのあと向かいの居酒屋に入ってハイボールと塩辛じゃがバターをいただく。幸福以外の何者でもない。私にとっての「最高の休日」にあたる選択肢の一つなのだ。
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「孤独のグルメ」では、毎回冒頭でこのようなナレーションが流れる。
一人で食事することこそ、最高の癒し。とても良くわかる。誰にも気を遣わない食事の気楽さといったら。ストレスだらけの毎日の中で、正につかの間のオアシスタイムだ。
ところでどうして我々は「孤独のグルメ」にハマり、定期的に五郎さんを見たくなるのだろう?言っても、スーツのおじさんが一人であーだこーだ考えながら、ご飯を食べているだけである。
実は我々は、五郎さんのことがめちゃくちゃ羨ましいのではなかろうか。一人でも心から食事を楽しむ五郎さんに自らを照らし合わせて、一緒に幸福と癒しを感じようとしてしまうのではないか。
食事に対して恐るべきほどに貪欲で、とにかくそこに幸せを感じ、一人気ままに堪能している。五郎さんは我々の理想とする「幸せの自給自足」を体現する存在なのかもしれない。今で言うところのSDGsである(笑)
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孤食&黙食が推奨される今、ようやく時代が五郎さんに追いついて来たように感じる。
「おひとりさま=寂しい」という風潮がどうしても消せなかったところを、時代によって「おひとりさま」が市民権を得た。一人でどこへでも行ける人間にとっては、嬉しい限りのご時世だ。
おひとりさまに抵抗のある方は、この機会にぜひ「孤独のグルメ」をしてみて、一人の食事の幸福さ・自由さを感じてほしい。
「孤独のグルメ」は、実は食事を通して己と向き合える至高の時間となる。自分にさまざまなことを問いかけ、五感で目一杯美味しさを味わいつつ、その間に雑多になった思考を整理する。
そこに幸せと癒しを感じられるようになったら、あなたもすっかり孤独を楽しめる「五郎さん」だ。
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