初めてのフルマラソン(予行練習)②…痛みについて

マラソンに痛みはつきもの・・・なんだろうか? 

万全の状態で本番を迎えるべきなのはもちろん基本だろうけど、それでも皆それぞれ、少なからずいろんな痛みを抱えて走っているもんなんじゃなかろうか。

走る前からある痛みだけじゃなく、走り始めてから出てくる痛みもある。今回はそんな「痛み」について振り返ってみたいと思う。

10月に右膝の故障で2週間ほど走れなかった時期があった(膝の痛みっていうのは痛みの種類としては嫌なものだ)。今は膝は特に問題ない。しかし、最近、左の足首に痛みが出るようになった。もしかしたら気がつかないうちに右膝を庇うような走り方をしていたのかもしれない。あるいは、踵着地を避けるようにしているから足首に負担がかかっているのかもしれない。

朝7時、スタートからすでに左足首が痛い。我慢できなくはないけど、気になる痛みだった。この痛みは結局、ずっと最後までつきまとった。特に前半に痛みが強く、「もしかしたら完走できないかも」と思うほどだった。

後半には他のいろんな痛みに紛れて、相対的に足首の痛みは存在感こそ薄れたものの、やはり消えて無くなることはなかった。

他にもいろんな痛みがあった。

僕は普段、10kmくらいのランだと横っ腹が痛くなることはない。未知の距離を走った今回、25kmくらいだったろうか。まず横っ腹が痛みだし、それから腹部中央あたりがギリギリと痛んだ。それはとても強く、耐え難い痛みだった。

「・・・きっとこの波は過ぎ去るだろう。今は待つしかない」

僕は腹痛に気を取られすぎないよう、なるべく質素に謙虚に静かに走った。そうして、脳が腹痛のことを忘れてしまうのをじっと待った。幸い、この腹痛はそれほど長くは続かなかった。

30kmを過ぎてからは、ウェアの股ずれと言えばいいのか、とにかく僕の大事な「袋」部分がこすれてヒリヒリと痛んだ。実は今回、少しでも身軽に走れるようにとブリーフを穿かずにノーパンで直にタイツを装着して走ってみたのだが、このやり方は僕には合わなかったようだ。前半は特に違和感なく走れたが、後半はどれだけタイツを持ち上げてフィットさせても擦れて仕方なかった。

さらに終盤には、首から肩にかけての重く鈍い痛みがつらかった。長い時間腕を振って走ると、そういう痛みが出てくるとうわさ程度には知っていた。これがなかなか、地味に効く。首肩の筋肉が腕の重さに悲鳴をあげる。首を傾げるようにしてストレッチしてもほとんど効果はない。下半身のつらさはある程度心構えもあったが、まさか上半身にこんな苦痛が出てくるとは。おそるべし、フルマラソン。

痛みが出てきた時にどうそれに対応するのか。痛みを訴えかけてくる肉体にどう向き合うのか。走る距離が長ければ長いほど、当然体は多くの不調を訴える。早くやめないか、と僕に迫る。中にはホンモノの黄色信号もあるだろう。そういった数々のサインをどう受け止めて判断し対処するか。走るのをやめるのか、ペースを落とすのか(その場合は苦痛が長引くことも考慮しなくてはいけない)、走り方をアレンジするのか。

そこらへんも含め、やっぱりマラソンは興味深い。やる価値がある。

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