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わいわい、がやがやな授業

どうも。

今日は、私の授業のイメージを書こうと思います。療養中ですが、一応高校の教員です。社会的にも労働状況が問題視されていますが、ガッツリ当てはまって精神をやられました。タフな皆さんがすごいなぁと思います。

さて、私は教師になってすぐのときは、従来通りの教師のイメージを持ち、そのように授業していたと思います。前で先生が話して、生徒は教科書とノートを開いて、黙々とノートを取る。話の途中で指名して答えてもらいながら、理解状況を確認する。

ごくごく当たり前の光景ですよね。当然寝る生徒も出てきます。でも1,2人程度だったので、話すだけの授業にしては居眠りは少なかったと思います。

ところが、その中でも1クラスだけちょっと違った授業スタイルになっていました。わいわい、がやがやがどうしても止まらないクラス。他の先生は授業が進まなくて困るとお手上げ状態でした。学力も学年の中で最下位のクラス。いわゆる学級崩壊に一番近いクラスだったんです。私もそのクラス担当だったので、気持ちはよく分かりました。が、それは、黙ってノートを取らせようとするからではないか?と思っていたのです。

私がやったのは、わいわい、がやがや、にたくさん質問を投げかけました。そうすると適当に返事が色々返ってきます。一つずつ取り上げてコメントを返していきます。最初は本当に的外れが多いんですが、一つずつ違う、こんな感じでとヒントを足して行くと、だんだん正解に近づきます。そうやって正解が出るまで投げかけたのです。正解が出たらちょっとだけ説明する。そしてまた投げかける。どんどんアウトプットさせていったんです。そうするとクラスは大いに盛り上がります。慣れてくると正解に近づくスピードが上がっていくんです。初めは時間足りないかなと思いましたが、あっという間に内容を終えることができました。定期考査でビリだったクラスも4/7と真ん中くらいまで上がったので大したものです。最後はクラスで打ち上げました(生徒がサプライズでクラッカー持ってきてて焦りましたけど)

そんなことがあってから、わいわい、がやがやで崩壊するのは、こちらの持って生き方が悪いんじゃないかって思うようになりました。こういうパワーの持って生き方を考えようと思い、色々と勉強しました。

反転授業、アクティブラーニング

これらのキーワードが引っかかったのです。反転授業というのは、授業で知識を伝授されるのではなく、知識の習得は家であらかじめやってきてもらい、授業ではそれらを使った内容をやるというものでした。映像授業を作ればうまく行くんじゃないかと思いました。授業では家でやってきたことで意見を出したり、考えたり、まとめたり、わいわい、がやがやできると思いました。

そこにアクティブラーニングの発想です。ラーニングピラミッドの発想も取り入れたのですが、「教える」「教わる」を経験させることで習得が深まるのではないだろうか。大人が説明する言葉よりも、彼ら自身がよく使う言葉に変換された方が苦手な子にとっては有益なのではないかと。アクティブラーニングは「生徒の主体的な学び」が中心にあるので、彼らがさらに学習を深める方法ないかと思ったのです。

(アクティブラーニングを取り入れた授業についてはnoteで作っています。本で書かれている授業案スタイルではなく、具体的な方法です)

私は結局どういう風になっていったかというと、授業では話をあまりしないようにしました。授業の主役は誰なのかと考えたとき、「生徒」だという当たり前の解答を思い出しました。なのに、授業では「教師」が中心に話して、生徒は機械的に手を動かしているだけではないかと。一番動かなくちゃいけない「脳」の活動が疎かになっています。
さらに、講義形式の授業を展開しようとしたとき、教師は「中間層」をターゲットにして話のレベルを合わせます。そうすれば理解出来る層が多いと考えるのです。しかし、頭を動かさないので、中間層はどんどん下位層になっていきます。そうすれば話をもっと簡単にしないといけない。そうなると、できる生徒にとっては退屈になってしまうんです。

私は百マス計算で有名な陰山氏が手がけた手帳を使っていました。その中にも書かれていましたが、クラスの学力を上げたいのならば、トップ層を伸ばすことだとありました。トップ層を伸ばせば、周囲もそれにつられて上がっていくという仕組み。これはまさにその通りでした。同期が実践した席替え方法がそのことを証明してくれました。

彼のクラスの席替えはくじ引きではなく、勉強したい人、意欲がある人を優先的に前の席にしたのです。やる気の無い人は後ろの席に自由に座らせました。ベテラン勢は大反対でした。不公平だと。でも、生徒達は喜んでいました。いやいや前の席に行かされずに済むからです。
そしてこの席替えのメリットは他にもありました。授業をする教員が説明しているときに、前の方で熱心に聞いてくれるので、どんどん教えたくなるんです。授業でこれはいいかなぁと思ってカットした裏話も話してしまうんですね。そういうことが積み重なると、そのクラスの学力は自然と上がりました。トップ層の勉強意欲を上手く利用して、全体を挙げた典型的なパターンでした。

ということで、私はこのトップ層の学力アップも考えました。アクティブラーニングでは「教える」側の人間が必要です。だから、得意な子を教える人、苦手な子を教わる人にしたんです。そして、私からの説明は最低限。話すとしても10分程度。それ以外はヒントしか出しません。基本的には範囲と時間だけを決めて、後は彼らに任せました。

わいわい、がやがや

シーンとすることはありません。黙々と取り組むのは評価されません。一番盛り上がって考えて行ってるところに高評価を与えます。

たまに、私も一緒になって議論したり、さらに質問を投げかけていました。誰一人寝ることはありません。というか、寝られません。話してる途中で寝てしまうくらい眠いのなら保健室に行った方がいいです。

という感じで、わいわい、がやがやな授業をしていました。もちろん、授業アンケートでも高評価ですし、生徒は楽しいと行って不登校気味の生徒もこの時間だけやってくることもありました(遅刻して、早退する・・・みたいな)

学力的にも、外部模試で47だった偏差値が55に上がりました。もちろん、実施した生徒だけの平均です。これは結構な進歩だと思います。これまでの形式の授業ではじり貧となることが多く、基本的には学力が下がる一方でしたから。

ということで、私の授業観は「わいわい、がやがやな授業」なんです。研究授業で見てもらったりしていますが、なかなか真似されません。というか出来ないと言われます。授業準備も話す内容考えるより楽なんですけどね。でも、やってみようと思えば出来ますよ。私も本を見て真似ただけですから。もし教師をやっている方がいて、授業スタイルに悩んでいらっしゃるのならば、ダメ元でもやってみてはいかがでしょうか?生徒が活き活きとしてきますよ。

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