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ホッケータウン インタビュー 福井県ホッケー協会理事 松村 徹治 氏(福井県 越前町)

唯一のスポーツ、ホッケー

私が一番最初にホッケーに触れたのは、ホッケースポーツ少年団に加入したことがきっかけです。小学校4年生でした。

常磐小学校の中で、学校の先生がホッケーを教えてくれました。
小さな学校だったので、その競技(ホッケー)しかなかったのです。

最初は体育館の中で先生にインドアホッケーを教えてもらいました。
そこから屋外に出ていきました。
サッカーも体育の授業でやっていましたが、ホッケーはスピーディーだと感じます。
ボールスピードの速さが他の競技と全然違うので、サッカーやバスケと比べて気が抜けない。スピーディーでおもしろいと思います。
5秒10秒あればシュートが入ってしまう競技という瞬間的な部分が一番の魅力ですね。

ゴールをめがけて、シュートをする。個人競技ではなく、集団競技ですので、当たり前のことではありますが、パスやドリブルは自分だけの行動では上手くいかないものです。ボールが自陣のものになって、シュートをして、ゴールが決まるまでの過程の中で、必ず絶えず仲間意識や、作戦やフォーメーションを練っていく必要があります。その先に、初めてゴールがつながる。ホッケーは、仲間意識でつくりあげるものだと思います。

「ひとりじゃない」ということですよね。ひとりの競技だとどうしても行き詰まって自分との闘いになりますが、(ホッケーは)仲間がいることで頑張れる。ということがあると思います。

やはり、競技をおこなう上では、大会がひとつの目標になります。全国大会や地区大会。
その大会を目指して、” 絶対に勝とう。それに勝つために。今日はこんな練習しよう ” と監督、コーチ、仲間たちと練習に臨む。
その目標までの挑戦をつくり上げていくことがひとつの楽しみだと思います。

県と連携して、町のホッケーを活性化する

この町のホッケーは、国体を契機に強化をしてきました。
福井国体は50年前に行なわれ、2018年に2順目を迎えました。
県としては、福井国体からホッケーが根付いてきて、それから普及のアップダウンが繰り返されて今に至っています。
繰り返されているアップダウンの中で、直近では国体の2年後に東京オリンピック2020がきて、気運が上がっているところです。

オリンピック後にホッケー日本女子の強化トップに就任した鯖江中学校校長(福井県鯖江市)の大久保文義先生は、現在も日本ホッケー協会の理事をされています。
今まで大久保先生は、福井県のホッケー協会の人として、おおきな全国大会や小学生の大会の誘致をされてきた。それを私たちがお手伝いして、福井県のホッケーを盛り上げてきました。

さらには、三谷選手、渡辺選手の両日本代表候補選手が自治体の職員として働いています。
2人は役所に勤めています。

2人がオレンジ色の東京オリンピック2020日本代表のユニフォームやジャージを着てイベントに参加すると「オリンピック選手来た!」と周りのひとたちはとても喜んでくれているようです。

その他の選手は福井県内の各企業に勤めています。
企業も一緒に取り込んで選手の就業環境づくりの後押しをしています。
福井県も県内の企業の就業を促してくださっています。
「この企業どうですか!」「一緒にやりましょう」という働きかけを積極的におこなっています。

ホッケー選手が福井県の広報マン

就業支援以外では、「情報発信」にも力を入れています。
私が監督をしているヴェルコスタ福井でもホームページを去年(2021年)開設しました。

ホームページにインスタグラムを同期させ、インスタグラムでも情報発信しています。
ホッケーの選手が福井県の魅力を発信する活動も行っています。
「恐竜博物館に行きました!」「東尋坊の海は綺麗ですよ」「そば美味しいですよ」など。
選手は年10回好きな観光地にいってアップしてもらっています。

また、私たちが日本リーグで違う県を訪れた際には、選手たちの手で福井県の観光パンフレットを配ったりしています。ホッケー選手が福井県の広報マンになっているのです。
この活動は2年前から始めました。
(福井県や越前町の)地元の人間は、身近なので地元の観光地には行かない傾向があります。そんな中で、選手たちが投稿してくれている写真や情報を見ると、私自身も新しい発見や気づきがあります。

このように、インターネットでもリアルでも情報発信を継続的におこなってはいますが、まだまだ発信は足りないと感じています。広くあまねく方々にホッケーというマイナースポーツを知ってもらうには、TVでの試合放映が増えて欲しいという願いはあります。やはりTVや新聞などのメディアが一番影響力があると感じています。現在は、ホッケーの大会の中継はNHKでは年に1回に留まっています。

福井県内でも良いので、試合を地元のケーブルTVで放映したり、
地域のTV局とタイアップしてメディアに取り上げられたいですね。

新聞に関しては、地元の新聞社が大きく記事に取り上げてくださっています。福井県を代表するスポーツとしてホッケー、野球、ハンドボール、フットサルがあるのですが、ヴェルコスタ福井はその中の代表として位置づけてくれています。
そのため、何かイベントがあるごとに情報発信をしてくれているのです。

越前から、世界へ

今、ホッケーはマイナースポーツです。
子どもの人口減もありますが、ホッケーをはじめる子どもは年々少なくなってきています。
東京オリンピックで再度注目されつつあるタイミングなので、とにかく子どもがはじめるきっかけを後押ししたいと考えています。
今年(2022年)からホッケーをはじめる子にとってのきっかけになる場を昨年以上につくっていく予定です。

私は、生まれも育ちも越前町です。
越前町は、緑に囲まれて、水も、魚も、ごはんも美味しい。空気も良い。それが魅力の町です。ランニングをしていても気持ちいい場所です。生活する場所としての環境が整っていると感じます。

小学校4年生(10歳)から35歳の25年間ホッケーを現役で続けてきた私にとって、ホッケーは生きていく上でかかせない「仲間とのふれあいの場」です。どうしても今の若者はSNSやパソコンに向いて、ひとりになってしまう傾向がありますが、先ほどもお話した通り、ホッケーは集団で行うスポーツなので、ひとりになる寂しさは一切ない。仲間同士でわいわいやる事ができるのです。
こういった集団スポーツは仲間とのふれあいがあることで、孤立しないですよね。悩みを聞いてもらったりとか、お互いで近況報告をし合ったりすることが出来る。

私の目標は、たくさんの子ども達や大人がホッケーを楽しめる環境づくりと、各種カテゴリーで行われる大会等を応援するホッケーファンをつくることです。

三谷選手、渡辺選手の2人に憧れを抱いて、子どもたちにひとりでも多く、ホッケーをはじめて欲しい。
将来的に田中 健太選手のような、野球で言えば大谷翔平選手やイチロー選手、サッカーでいえば中田英寿選手や三浦知良選手のような世界的なスター選手を目指すようになってくれたら嬉しいです。そんな選手を、越前町から輩出したいです。


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